西表島リゾート開発差止訴
トゥドゥマリ浜周辺の生物(絶滅危惧種)

トゥドゥマリ浜周辺の生物(絶滅危惧種)
富田京一 肉食は虫類研究所

カンムリワシ

日本固有亜種、国指定特別天然記念物・国内希少野生動植物種、環境省RDB絶滅危惧種、沖縄県RDB絶滅危惧種

本種は、捕食者として西表島の陸上生態系(沿岸部も含む)を食物連鎖の観点から見た場合、その頂点に位置する。上位の捕食者であるため、直接的な捕食者としても、また間接的にも、エネルギー源となる多量のバイオマスを必要とする。同様の理由により、個体数は元来少ない上、人間活動の影響によって、近年減少傾向に置かれている現状がある。従って、カンムリワシの直接の分布域である森林の減少はもちろん、開発計画の進行に伴って起こるバイオマスの減少による悪影響を懸念すべきである。
ヤエヤマセマルハコガメ

国指定天然記念物、環境省RDB希少種、沖縄県RDB希少種

本種は森林性のカメであるが自然林だけでなく回復の進んだ二次林を生息域として利用する。開発計画予定地が生息域と重なっているのは無論である。また、ホテル等の建築によって付近に生息する個体群に対しても以下のように悪影響を及ぼす危険がある。本種のような陸生のカメの場合、水底への潜行、樹上への登はんなど立体的な行動を行うことはほとんど不可能とみてよい。そのため極端に二次元的な生活空間にならざるをえない。いきおい、広い生息域を要するため、ホテル建設によって周辺に生息する個体の採食、休息および産卵などの活動が制限を受けることになる。また本種を人為的に敷地から遠ざけることは困難である。そのため、建設中の工事車両、および完成後の関係者と宿泊客の移動に伴って交通事故に至る個体数は、他の地区に比較して高まると結論せざるを得ない。
キシノウエトカゲ

国指定天然記念物、環境省RDB希少種、沖縄県RDB希少種

本種は海岸林を含め、比較的開けた環境を生活空間として利用するトカゲである。開発計画予定地およびその周辺がまさにそれに該当する。また、本種の性質は同属と比較しては非常に臆病である。ホテルの建設中、および営業開始後に生じる騒音、照明によって、予定地のみならず広範なエリアのトカゲに対してもストレスを与える可能性は高く近隣でも分布域の縮退が起こることが予想される。また特記すべき事項として、本種が比較的開けた環境を利用する要因に、同属の中では活動時の選好体温が高く、ひんぱんに日光浴を行うことが挙げられる。ホテルの建設に伴い、日照条件が大きく悪化することは自明である。周囲のキシノウエトカゲにとり、生息条件が悪化することは確実であり、総個体数の減少が懸念される。
カグラコウモリ

北限種、環境省RDB絶滅危惧種、沖縄県RDB絶滅危惧種

ヤエヤマコキクガシラコウモリ

八重山固有種、環境省RDB希少種

両種とも繁殖目的を含むねぐらとして洞窟を利用する洞窟性のコウモリである。開発計画予定地付近には、これらの利用する洞窟があり、種の存続に対してきわめて重要な拠点をなしている。両種とも洞窟周辺の森林を飛翔して採餌を行うため、計画予定地に相当する面積の森林が失われている現状は、餌場の減少を引き起こしていると考えられる。また工事中の騒音、営業開始後の夜間の人の往来、照明も大きな問題である。予定地周辺も含めた採餌空間の減少は勿論であるが、予定地があまりにも洞窟と近接しているため、個体によってはストレスでねぐらを放棄する事態も想定できる。また、両種とも森林害虫を含む飛翔昆虫に対する捕食圧が極めて高い(船越、1996年)ため、生態系に与える影響についても視野に入れて評価する必要がある。
キンバト

国指定天然記念物・国内希少野生動植物種、環境省RDB絶滅危惧種、沖縄県RDB絶滅危惧種

03,01,19 Itou

本種の営巣場所は樹上であるまた、臨床を歩いて餌を探すという採食習性を持つ。これらの点から鑑みた場合、本種の分布域である開発計画予定地における森林伐採の影響は少なくないと考える。
ヨナグニサン

県指定天然記念物、北限種、環境省RDB希少種、沖縄県RDB希少種

03,01,19 Itou

オカヤドカリ

国指定天然記念物

国指定の天然記念物に指定されているオカヤドカリ類6種のうち、西表島にはサキシマオカヤドカリを除く、オカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリ、コムラサキオカヤドカリ、ナキオカヤドカリ、オオナキオカヤドカリの5種が分布している。これらのうち、開発計画予定地およびその周辺はオカヤドカリ及びムラサキオカヤドカリの2種が生息していた。またナキオカヤドカリ、オオナキオカヤドカリの2種も生息している可能性が高い。島内には多産するといわれているこれらのオカヤドカリだが、海岸から大きく隔たったところには生息しておらず、実質的な分布域は狭い。ホテル等の建築により、以下に挙げるような問題が必然的に生じる可能性が高くなる。建設によって面積分の生息地がそっくり失われるのは自明であり、当然憂慮すべきであるがオカヤドカリ類の場合、繁殖のため海と陸地を行き来する必要がある。ホテルの存在よって生息地が海側(北側)と陸側(南側)に分断されるため、陸側のある範囲には生息できなくなってしまう可能性が生じる。特に比較的乾燥に強く、行動圏が陸側に広がっているムラサキオカヤドカリおよびオオナキオカヤドカリに、より強い影響を与えるおそれがある。また建設中、営業開始後のいかんを問わず、車両の往来によ
り轢死個体が大きく増加することは明らかに予測できる。また、被との往来によって付近の砂浜踏み荒らされる可能性も高く、特に幼体は直接踏みつぶされる、あるいは足跡などに落下して脱出できなくなり、死亡する事故が増加すると予測できる。

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