自転車社会学会2012/4/5作成
安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言(仮称)(案)

安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた検討委員会第4回の資料3です。作業のためにテキスト化しました。

資料3

安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言(仮称)(案)

目次

I.はじめに

I-1.背景

I-2.提言にあたって

II.ガイドラインについて

II-1.自転車通行空間の計画

II-2.自転車通行空間の設計

II-3.利用ルールの徹底

II-4.自転車利用の総合的な取組

III.今後の検討課題について

参考資料-1自転車利用環境に関する背景

参考資料-2自転車ネットワーク計画の作成手順

参考資料-3交差点部の設計

I.はじめに

I-1.背景

自転車は、買物や通勤、通学、子供の送迎等、日常生活における身近な移動手段や、サイクリング等のレジャーの手段等として、多くの人々に利用されている。自転車の保有台数は平成20年時点で約6,900万台と増加傾向にあり、5km未満の移動の約2割は自転車が利用されているなど、自転車は都市内交通等において重要な移動手段となっている。また、高齢化の進展により自動車の運転に不安を感じる高齢者への対応等、自転車の役割は一層大きくなることが予想されている。最近では、クリーンかつエネルギー効率の高い交通手段として認識されているほか、健康志向や東日本大震災後の節電意識の高まり等を背景に、その利用ニーズが高まっている。このように、自転車の位置づけは、ますます重要になるとともに、利用の増大が見込まれているところである。

我が国では、昭和40年代にモータリゼーションの進展により自動車の交通事故が急増したことへの対策として、歩行者の通行を妨げない速度・方法で通行することとした上で自転車の歩道通行を可能とする交通規制を導入し、自転車と自動車の分離を図ってきた。その間、自転車乗車中の事故死者数は大幅に減少するとともに、自転車の高い交通分担率は維持された。一方、自転車は車両であるという意識の希薄化により、歩道上等で通行ルールを守らず歩行者にとって危険な自転車利用が増加するとともに、自動車に対しては弱者となる自転車を車道上で利用すること自体の新たな危険性も生じることになった。このため、交通事故全体の件数が減少傾向にある中、自転車対歩行者の事故数及び交通事故全体における自転車関連事故の割合はこの10年間で増加している。このような状況に鑑み、警察庁では平成23年10月に、自転車は「車両」であるということの徹底を基本的な考え方とし、車道を通行する自転車と歩道を通行する歩行者の双方の安全を確保することを目的とする総合的な対策を打ち出したところである。

また、社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会において、道路政策の転換の視点として、「『クルマ』主役から、歩行者、自転車などクルマ以外の利用者も含めた『多様な道路利用者が安全・安心して共存』できる環境の整備」が議論されている。今後、高齢化の進展等の社会状況の変化に対応し、歩行中の事故死者の約7割、自転車乗車中の事故死者の約6割を占める高齢者を含め、全ての道路利用者が、歩行、自転車、自動車、公共交通等の多様な交通手段を自由に選択でき、安全に利用できる環境を整備することが求められている。

しかしながら、平成22年3月時点で、自転車道や自転車専用通行帯等の自動車や歩行者から分離された自転車通行空間の延長は約3,000kmとわずかである上、自動車の駐停車等により自転車の通行が阻害されるなど、道路の現況は自転車の車道通行にとって数々の問題を含んでいる。

このため、自転車通行空間の整備と併せ、全ての道路利用者に自転車の通行ルールを徹底するなど、ハード、ソフトの両面から取組を行い、自転車が安全で快適に通行できるとともに、歩行者の安全性が高まるような自転車の利用環境を創出することが喫緊の課題となっている。

I-2.提言にあたって

本検討委員会では、「自転車は「車両」であり、車道を通行することが大原則である。なお、例外として、歩道を徐行により通行できるのは、道路標識等により歩道通行が認められている場合、運転者が児童、幼児、高齢者等で車道通行が危険である場合、駐車車両があるなど自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ない場合に限る。」を基本的な考え方として、検討を行った。

道路の現況が自転車の車道通行にとって数々の問題を含んでいることから、自転車が通行する空間として重要な路線において、交通状況に応じて、歩行者、自転車、自動車が適切に分離された空間を早急に整備するとともに、すベての道路利用者に自転車の通行ルールの徹底を図る必要がある。このため、道路管理者や都道府県警察が自転車ネットワーク計画の作成やその整備、通行ルールの徹底等を進めるためのガイドラインを早急に作成することを提言する。

なお、提言にあたっては、国土交通省と警察庁が平成19年度に指定した全国98箇所のモでル地区等における自転車通行環境整備の取組の評価、検証を踏まえ、検討を行った。

一方、自転車施策を進めていく上では、国としての交通体系のあり方の検討、その中での自転車の位置づけの明確化、自転車施策の目標設定、施策推進を図るための予算確保が重要であるとともに、自転車ネットワーク計画に含まれない多数の路線における自転車利用環境整備の進め方、自転車の歩道通行の今後のあり方等、議論を進めていかなければならない課題が多々ある。これらには、検討に長期間を要するもの、現行の法制度で対応できないものも含まれることから、国として検討すベき今後の課題として提言する。

II.ガイドラインについて

II-1.自転車通行空間の計画

道路の現況が自転車の車道通行にとって数々の問題を含んでいることから、自転車が通行する空間として重要な路線において、交通状況に応じて、歩行者、自転車、自動車が適切に分離された空間を早急に整備する必要がある。そのためには、地域の課題やニーズに対応しつつ、安全で快適な自転車通行空間を効果的、効率的に整備することを目的に、面的な自転車ネットワーク計画を策定することが必要である。

このため、自転車ネットワーク計画の作成手順を明らかにした上で、各段階における技術検討項目及びコミュニケーション・合意形成項目の基本的な考え方を提言する。

1.自転車ネットワーク計画の作成手順

1)基本方針、計画目標の設定

○自転車利用の状況を把握し、その課題を整理するとともに、地域の上位計画及び関連計画を踏まえ、自転車ネットワーク計画の基本方針、計画目標を設定すること。

2)自転車ネットワーク路線の選定

○全ての道路で自転車通行空間を整備することは現実的ではないため、自転車ネットワーク計画の基本方針や計画目標に応じて、自転車通行空間を効果的、効率的に整備することを目的に、面的な自転車ネットワークを構成する路線を選定すること。

3)整備形態の選定

○交通状況を踏まえて、自転車道、自転車専用通行帯等の自転車通行空間の整備形態の選定を行うこと。また、道路空間の制約により整備が困難な場合には、現時点で整備可能な当面の整備形態を選定すること。

4)個別路線の詳細な構造等の検討

○必要に応じて、個別路線の詳細な構造(分離工作物の配置及び形状、路面色等)や交通運用(自動車の規制速度の抑制、自転車通行方法等)を検討すること。

5)自転車ネットワーク計画の決定

○1)~4)について、コミュニケーション・合意形成を図った上で、自転車ネットワーク計画を決定すること。また、緊急度に応じた整備優先度や分かりやすい案内方法についても検討すること。

6)計画の評価、見直し

○自転車ネットワーク計画を決定した後、事業の進捗状況を踏まえて計画の評価、見直しを実施し、その評価結果を計画へフィードバックさせること。

2.各段階における技術検討項目及びコミュニケーション・合意形成項目

1)基本方針、計画目標の設定

a.技術検討項目

・地域の交通特性、道路空間の状況、地勢、自転車利用者が多く利用する施設等、必要なデータの収集や調査を行い、自転車利用の課題を整理すること。

・都市計画、交通計画等、自転車利用に関連する計画を把握、整理すること。

・地域の上位計画及び関連計画等を踏まえ、歩行者、自転車の安全性、快適性の向上に加え、健康、環境、観光振興等、地域の課題やニーズに応じた自転車通行空間を整備するために、自転車ネットワーク計画策定にあたっての基本方針、計画目標を設定すること。

・計画目標の設定にあたっては、必要に応じて、客観的かつ定量的な指標の活用も考慮すること。

b.コミュニケーション・合意形成項目・自転車ネットワーク計画の必要性の確認、及び計画の基本方針、計画

目標を共有するためのPI(情報の提供と意見の把握)を行うこと。

2)自転車ネットワーク路線の選定

a.技術検討項目

計画目標の達成のために必要となる面的な自転車ネットワークを構成する路線を選定すること。その際、以下の1~6のような路線(計画中を含む)を適宜組み合わせて選定すること。

1地域内における自転車利用の主要路線としての役割を担う、公共交通施設、学校、地域の核となる商業施設、主な居住地区等を結ブ路線

2自転車と歩行者の錯綜や自転車関連の事故が多い路線の安全性を向上させるため、自転車通行空間を確保する路線

3地域の課題やニーズに応じて自転車の利用を促進する路線

4自転車の利用増加が見込める、沿道で新たに施設立地が予定されている路線

5既に自転車の通行空間(自転車道、自転車専用通行帯、自転車専用道路)が整備されている路線

6その他自転車ネットワークの連続性を確保するために必要な路線

なお、勾配が急な道路、構造上対応が難しい長大橋や長大トンネル等を含む路線については、道路の改良等の検討も併せて行うこと。

一方、歩行者が安心、快適に買い物を楽しむことのできる商店街等、自転車ネットワーク路線に選定することが適切でない道路があることにも留意すること。

3)整備形態の選定

a.技術検討項目

・歩行者、自転車の安全性、快適性の向上の観点から、交通状況(自動車の規制速度及び交通量等)を踏まえて、自転車道、自転車専用通行帯等の自転車通行空間の整備形態の選定を行うこと。

(1)交通状況を踏まえた整備形態の選定

・自転車は「車両」であるという大原則に基づき、車道通行させることを検討すること。

この場合、「車道を通行する自転車」の安全性の向上の観点から、自動車の規制速度や交通量を踏まえ、自転車と自動車を分離する必要性について検討すること。

具体的には、自動車の規制速度が高い道路では自転車と自動車を構造的に分離すること。また、規制速度が低く自動車交通量が少ない道路では自転車と自動車を混在させること。その中間にあたる交通状況の道路では自転車と自動車を視覚的に分離すること。

・自転車と自動車を構造的に分離する場合、選定された自転車ネットワーク路線は、一般的に自転車交通量が多いことから、自転車道を整備すること。

・自転車と自動車を混在させる場合、必要に応じて、自転車の通行位置を示し、自動車に注意喚起するための路肩のカラー化、車道左側部の車線内に帯状の路面表示やピクトグラムの設置、自動車の速度を抑制するための狭さく、ハンプの設置等を検討するとともに、自動車の一方通行規制や大型車の通行抑制等を検討すること。

・自転車と自動車を視覚的に分離する場合、自転車専用通行帯を設置すること。

・積雪寒冷地で、自転車交通量の季節変動が大きい路線等では、非積雪期に堆雪帯を通行させることも検討すること。

・利用者のニーズや道路空間の状況により、自転車専用通行帯を自転車道に変更すること、及び自転車と自動車の混在を自転車専用通行帯に変更することも可能とすること。

(2)整備の可能性の検討

・新設道路については、選定した整備形態で整備すること。

・既設道路については、道路空間の再配分や道路拡幅の可能性を検討し、選定した整備形態の整備が可能か検討すること。

具体的には、歩道、車道、植樹帯、中央帯等の幅員構成の見直しを行うこと。また、周辺道路の整備や交通需要マネジメントにより自動車交通の転換が可能な道路では、車線数の削減や一方通行規制等を行うことを検討すること。

なお、自動車交通や速度の抑制が望ましい道路においては、規制速度の抑制を行い、自転車道から自転車専用通行帯、自転車専用通行帯から自転車と自動車を混在させる整備形態へと変更することも検討すること。

・道路空間の再配分や道路拡幅が困難な場合、早期に自転車ネットワークの機能が発現されることを優先し、十分ではなくとも整備可能な当面の整備形態を検討すること。

自転車道が選定され、その整備が困難な場合は、既に自転車歩行者道が整備されており、かつ自転車交通量が少なく、かつ歩行者と自転車の交通量を踏まえて歩行者と自転車を分離する必要がない場合に限り、当面の整備形態として、自転車歩行者道を活用することを検討すること。その際、バリアフリー法に基づく重点整備地区、スクールゾーン、病院・高齢者施設等の出入り口近傍等、特に歩行者保護に配慮が必要な道路が存在することに留意すること。自転車歩行者道の活用に併せて、自転車に対して歩行者優先、徐行通行等を徹底するために通行ルールの周知等の安全対策を実施すること。

自転車専用通行帯が選定され、その整備が困難な場合は、当面の整備形態として、自転車と自動車を混在させることを検討すること。その場合、自転車の通行位置を示し、自動車に注意喚起するための路肩のカラー化、車道左側部の車線内やバス専用通行帯に帯状の路面表示やピクトグラムの設置を検討すること。併せて、自転車に対して左側通行、並進の禁止、自動車に対して自転車の保護、駐車の禁止等を徹底するために通行ルールの周知等の安全対策を実施すること。

・当面の整備形態の検討と併行して、近くに並行する他の路線を代替路として選定することを検討すること。その際には、幹線道路から細街路まで幅広い路線を対象に選定するとともに、十分な案内方法を検討すること。

・当面の整備形態で整備した場合、条件が整った段階で本来の整備形態で再整備すること。

b.コミュニケーション・合意形成項目・自転車ネットワーク路線、当面及び将来の整備形態を示した自転車ネットワーク計画に関する合意形成のPIを行うこと。

4)個別路線の詳細な構造等の検討

a.技術検討項目

・自転車ネットワーク計画の合意形成を進めるために必要な場合、個別路線の詳細な構造(分離工作物の配置及び形状、路面色等)や交通運用(自動車の規制速度の抑制、自転車通行方法等)に関する検討を実施すること。(再掲)

b.コミュニケーション・合意形成項目・必要に応じて、個別路線の詳細な構造や交通運用に関する合意形成のPIを行うこと。

5)自転車ネットワーク計画の決定

a.技術検討項目・自転車ネットワーク路線及び整備形態の選定後、緊急度に応じた整備

優先度や分かりやすい案内方法について検討すること。

(1)整備優先度

・自転車ネットワークの整備効果を早期に発現させるため、整備の容易さばかりを優先するのではなく、安全性、快適性の向上や計画目標の達成の観点から、その緊急度に応じて、自転車ネットワーク路線における整備優先度を検討すること。

なお、整備優先度の検討にあたっては、客観的かつ定量的な指標の活用も考慮すること。

(2)案内方法

・自転車ネットワークの適切な利用を促し、整備効果を最大限に発揮させる観点から、法定の道路標識、道路標示だけでなく、法定外看板及び表示について検討すること。

1歩行者、自転車、自動車の通行ルールの明確化

・自転車のみならず、歩行者、自動車に対しても、自転車の通行ルール(通行位置や通行方法)を分かりやすく伝えられるよう、案内・注意喚起のための法定外看板や表示について、視覚的に工夫されたシンプルなデザインや色彩を用いることや、分かりやすい配置を検討すること。また、外国人が通行ルールを理解できるようピクトグラムの活用や英語併記に努めること。

・その際、自転車道、自転車専用通行帯、自転車と自動車の混在、あるいは、自転車歩行者道(歩行者優先で徐行)など、自転車通行空間の形態に応じた通行ルールを伝えることが必要であり、例えば、ピクトグラムで自転車通行空間の形態を示し、矢印の形状で方向、通行方法を示すなど、通行ルールにあわせてサインを使い分けることも検討すること。

・自転車と自動車を混在させる場合、必要に応じて、自転車の通行位置を示し、自動車に注意喚起するための路肩のカラー化、車道左側部の車線内に帯状の路面表示やピクトグラムの設置、自動車の速度を抑制するための狭さく、ハンプの設置等を検討すること。

・自動車に対して、速度の抑制と注意喚起を図るため、民間事業者と連携して規制速度や自転車の通行に関する情報をカーナびから提供することを検討すること。

・自動車通行空間と自転車通行空間とを区別するため、自転車道、自転車専用通行帯、路肩等に着色する場合には、周囲の景観に対し大きな影響を与えるため、景観や色彩の専門家の意見を聞くなど、着色する路面の範囲や色彩の彩度、明度等に留意すること。

・案内や注意喚起のための法定外看板や表示については、地域住民等と連携して表示内容等の点検を行い、より分かりやすくなるよう常に改善すること。

2法定外看板、表示の統一

・道路利用者の混乱を避けるために、少なくとも自転車ネットワークを計画する同一地域内において、法定外看板や表示のデザインや設置する位置の考え方を統一し、路面に着色する場合には同系統の色彩(例えば、青色系)を使用するとともに、近隣地域との整合性に配慮すること。

・新たに法定の道路標識や法定外看板を設置する場合、標識、看板の統合や既存の標識柱を活用するなど利用者に分かりやすい形で集約化に努めること。

3自転車ネットワーク路線への案内

・自転車利用者に対して、選定した自転車ネットワーク路線の利用を促すため、自転車ネットワーク路線や目的地を図示した法定外看板や表示等、分かりやすい案内に努めること。

3.計画検討体制の構築と維持活用

○地域のニーズに合致した自転車ネットワーク計画を策定するためには、関係する行政機関や地元関係者等とコミュニケーションを取り合意形成を図るよう努めることが望ましい。そのため、国、都道府県、市町村の道路管理者や都道府県警察に加え、自転車利用環境整備に関係する河川管理者、港湾管理者等の行政機関や地元住民、道路利用者等の幅広い関係者が計画策定に参画できる体制を構築すること。

○自転車通行空間の整備のみならず、利用ルールの徹底、自転車利用の総合的な取組を実施するため、幅広い関係者が連携できる体制として、計画検討時の体制を維持活用すること。

○計画策定段階に構築した検討体制を継続し、計画策定後に発生する課題への対応、整備後の利用状況や事故の発生状況等、計画の目標達成状況の評価と見直しを実施すること。なお、計画の達成状況の評価については、必要に応じて、広く市民や第三者機関が評価できる仕組みを取り入れることを検討すること。

○計画検討及びその後の取組の体制として、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」に基づく法定の協議会を活用することも検討すること。

II-2.自転車通行空間の設計

II-2-1.一般部

安全で快適な自転車通行空間の設計について、基本的な考え方を提言する。

1.自転車通行空間の設計の基本的な考え方

1)分離工作物

○自転車と自動車を構造的に分離する場合は、互いに存在を認識できるよう、分離工作物として縁石を設置することを基本とし、柵等の分離工作物をできる限り設置しないこと。

○それ以外の場合は、自転車の安全性を向上させるため、縁石、柵等の分離工作物をできる限り設置しないこと。

2)路面等の構造

○自転車の通行空間となる車道端部の路面については、自転車の安全性を向上させるため、平坦性の確保や段差の解消に努め、滑りにくい構造とすること。なお、必要に応じて、側溝、街渠、集水ますについて、平坦性の高いものへの置き換えや滑り止め加工等を行うこと。

○電柱等の占用物で、自転車、歩行者の通行に支障となる場合は、原則として民地等への移設もしくは無電柱化等を行うこと。さらに、不法占用物件についても、通行に支障がある場合は、撤去指導または除却を強化すること。

○自転車の安全性、快適性を向上させるため、自転車道の起終点部にぼラーど等の工作物はできる限り設置しないこと。やむを得ず工作物を設置する場合には、弾力性のある素材を用いるとともに夜間でも視認できるものとすること。

3)幅員

○自転車通行空間の幅員は、隣接する歩行空間の幅員とのばランスが重要であり、歩行者、自転車がそれぞれの空間を通行しやすく、また自然に通行位置が守られるよう、歩行者、自転車の交通量を考慮して決定すること。

○自転車道において、やむを得ず高さのある分離工作物を設置する場合は、利用者に圧迫感を与えることがあることから、必要に応じて幅員に余裕を持たせること。

4)通行方法

○自転車道について、一方通行の場合は、沿道施設への出入りが不便となり得るという課題があること、双方向通行の場合は、自動車と逆方向に通行する自転車の出会い頭事故の危険性、交差点内での自転車同士の交錯の危険性などの課題があることから、これらを踏まえて通行方法を検討すること。

○一方通行規制を実施しても自転車相互の追い越しが発生するため、自転車の通行状況を勘案した上で、幅員を検討すること。

○双方向で通行する自転車道においては、自転車の交錯を防ぐため中央線を設置すること。

2.特殊部における自転車通行空間の設計の配慮事項

1)バス停部の設計

○バス交通が多くない路線では、注意喚起を行い、前後の区間と同様に自転車通行空間を直線的に連続させること。自転車道の場合、自転車とバス乗降客の交錯を防止するために法定外表示等により自転車にバス乗降客の横断について注意喚起を行うこと。自転車専用通行帯の場合、自転車、バスの交錯の防止や駐停車禁止の徹底を図るためにバス停を示す法定外表示等により注意喚起を行うこと。

(自転車道の場合)

※バス乗降客が自転車道を横断しやすくし、その際の自転車の停止を促すため、横断部のみ歩道と同じ高さとすることも考えられる。

(自転車専用通行帯の場合)

○バス交通が多く、かつ道路空間に余裕がないために自転車通行空間の確保が困難な路線では、自転車交通とバス交通を分離させるため、代替路を検討すること。

○バス交通が多く、道路空間に余裕がある路線では、自転車とバス乗降客の交錯を減らし、双方の安全性を向上させるため、自転車通行空間を連続させること。自転車道の場合、交通島(乗降場)を設置すること。自転車専用通行帯で、バス停車時も自転車の通行を可能とする場合には、バスベイ型としてバス停を整備すること。

(自転車道の場合)

※交通島を車道に張り出すテラス型も考えられる。バス乗降客が自転車道を横断しやすくし、その際の自転車の停止を促すため、横断部のみ歩道と同じ高さとすることも考えられる。

(自転車専用通行帯の場合)

○バリアフリー法に基づく重点整備地区等においては、バスを利用するために自転車通行空間を横断する視覚障がい者等を安全に誘導するため、エスコートゾーンを設置すること。

2)立体横断施設部の設計

○立体横断施設部において、道路空間に余裕がある場合には、自転車と立体横断施設を利用する歩行者との交錯を減らし、双方の安全性を向上させるため、自転車通行空間を連続させること。自転車通行空間を立体横断施設出入口より車道側に設置することを基本とし、車道側に設置することができない場合は、立体横断施設出入口を島状の施設として歩道側に設置すること。

(自転車道の場合)

※立体横断施設等出入口部で歩行者が自転車道を横断しやすくし、その際の自転車の停止を促すため、横断部のみ歩道と同じ高さとすることも考えられる。

(自転車専用通行帯の場合)

○道路空間に余裕がなく連続的な自転車通行空間の確保が困難な立体横断施設部において、自転車専用通行帯では、自転車通行位置を示す路面表示を設置するなどの安全対策を実施した上で、自転車と自動車を車道で混在させることを検討すること。また、自転車道では、歩行者の安全が確保される場合には、当該部分を自転車歩行者道とすること。併せて、自転車の徐行義務について注意喚起するとともに、立体横断施設の出入口部に低木の植栽等を設置すること。なお、歩行者の安全の確保が困難となる場合は、歩道上で自転車を押して歩くことを徹底させるか、代替路を検討すること。

(自転車専用通行帯の場合)

※自転車専用通行帯の終点部の手前に、この先で自転車と自動車が混在することを両者に注意喚起する法定外看板や表示を設置することも考えられる。

(自転車道の場合)

歩行者の安全の確保が困難となる場合は、法定外表示等により、歩道上において自転車を押して歩くことを徹底させる

※自転車道の終点部に、この先自転車を押し歩きする必要があることを注意喚起するため、緩やかな段差の設置なども考えられる。

○周辺の交通状況や沿道状況の変化により、必要性の低くなった立体横断施設については、撤去も含めて検討すること。

○バリアフリー法に基づく重点整備地区等においては、自転車通行空間を横断する視覚障がい者等の立体横断施設利用者を安全に誘導するため、エスコートゾーンを設置すること。

3)パーキング・メーター設置区間部の設計

○パーキング・メーター等について、利用率が低い場合は、撤去すること。

○パーキング・メーター等が必要な区間の自転車道は、歩道側に設置すること。

(自転車道の場合)

○パーキング・メーター等が必要な区間の自転車専用通行帯は、自転車と自動車の双方の安全性を向上させるため、車道側に設置すること。

(自転車専用通行帯の場合)

II-2-2.交差点部

歩行者、自転車、自動車が集中し、交錯が生じうる交差点部の設計について、基本的な考え方を提言する。

1.交差点部における自転車通行空間設計の基本的な考え方

1)分離形態の連続性

○交差点部において歩行者、自転車、自動車の適切な分離、共存を図るため、交差点部の分離形態について、前後の自転車通行空間と同様の形態をできる限り連続的に確保すベきであり、安易に自転車通行空間を自転車歩行者道へ接続しないことを基本とすること。

○双方向通行の自転車道が規模の大きい交差点に接続する場合においては、交差点内で自転車同士が交錯すること、自転車が自動車と逆方向に通行することを避けることを基本とすること。

2)通行空間の直線的な接続

○自転車の安全性、快適性を向上させるため、自転車動線の直進性を重視し、自転車道、自転車専用通行帯のいずれの場合も、自動車と同じ方向に通行する自転車の交差点部における自転車通行空間は、直線的に接続することを基本とすること。

3)交差点内の通行方向の明確化

○交差点における自転車の安全な通行を促すとともに、自動車利用者等に自転車動線を知らせるため、自転車の通行位置及び通行方向を明確化する法定外表示を設置すること。

○信号のない交差点のように規模の小さな交差点においては、自転車通行空間に応じた通行方向とすることを基本とし、双方向通行の自転車道では法定の自転車横断帯を設置し、一方向通行の自転車道や自転車専用通行帯では通行方向を明確化する法定外表示を設置すること。

4)左折巻き込みに対する安全対策

○自動車から自転車を確認しやすくし、左折巻き込み事故を防止するため、交差点流入部において、自転車専用信号の設置により自動車とは別の信号制御を行うことを検討すること。なお、自転車専用通行帯の場合には、自動車の進路変更禁止規制を実施して自転車と自動車を分離すること。また、自転車の停止位置を自動車よりも前出しすることを検討すること。

○左折巻き込み事故の防止対策として、交差点流入部において、自転車専用通行帯の交通規制を解除した車道左側部の車線内に自転車の通行位置を明確化した路面表示等を設置した上で、自転車と左折する自動車を混在させて一列で通行させることも検討すること。

5)二段階右折時の滞留スペースの確保

○交差点内の通行方法の明確化のために設置した法定外表示と歩車道境界の縁石で囲まれた範囲は、自転車が二段階右折する際の交差点内での滞留スペースとなることを周知すること。また、必要に応じて、歩道を切り込むことにより、交差点内に二段階右折時の自転車の滞留スペースを確保すること。

2.交差点部において空間確保に制約がある場合の考え方

交差点部において自動車用の右折レーンや左折レーンが設置されており自転車通行空間を確保することに制約がある場合の対応について、その考え方を提言する。

○右折レーン等により自転車通行空間の確保に困難が生じる場合は、下記の順序に従い、空間確保することを検討すること。

1右折レーン等の必要性について再検討を行い、右折レーンの廃止もしくは右折車線相当のふくらみを持たせた右折ポケットへの変更等を行うことにより、自転車通行空間の幅員を確保すること。

2歩道幅員を縮小しても歩行者の交通への影響が小さい場合には、歩道幅員を縮減して自転車通行空間の幅員を確保すること。

3右折レーンや歩道の幅員を変更することができない場合は、用地買収等により自転車通行空間の幅員を連続的に確保することに努めるとともに、当面の措置として、車道上に通行位置及び通行方向を明確化する法定外表示を設置し、車道上で自転車と自動車を混在させて一列で通行させることを検討すること。

○常時左折可や分離帯による左折導流路のある交差点では、直進する自転車と左折する自動車の交錯を防ぐため、道路や交通の状況に応じて、常時左折可規制や信号制御の見直し、道路の幅員構成の見直し等による車道左側部への自転車通行空間の確保、交差点内における自転車通行位置の明示等の安全対策を検討すること。安全対策が困難な場合は、当該交差点の前後については自転車ネットワーク路線とせず、代替路を検討すること。

II-3.利用ルールの徹底

自転車は「車両」であり、車道を通行することが大原則であり、自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ない場合等に、例外として、歩道を徐行して通行することができる。

しかしながら、多くの歩道で自転車の歩道通行を認めてきたこともあり、自転車は車両であるという意識の希薄化により、歩道上等で通行ルールを守らず歩行者にとって危険な自転車利用が増加するとともに、自動車に対しては弱者となる自転車を車道上で利用すること自体の新たな危険性も生じることになった。

自転車が安全で快適に通行できる利用環境を創出するためには、自転車通行空間の整備と併せて、自転車利用者のみならず、歩行者、自動車など全ての道路利用者に自転車は車両であるという意識を徹底するとともに、自転車の通行ルール、駐輪ルール、自動車の駐車ルール等、利用ルールの徹底を図る必要がある。

このため、道路利用者に対する利用ルールの徹底が効果的に行われるよう、利用ルールの周知、インセンティブの付与、指導取締りの3つの観点から提言する。

1.利用ルールの周知

○逆走となる右側通行禁止や例外的に歩道通行する場合は歩行者優先で徐行するという大原則について、「自転車安全利用五則」の活用等により徹底を図ること。

○自転車利用者のみならず、歩行者、自動車など全ての道路利用者に、地域住民、学校等の関係者と連携し、利用ルールを周知すること。その際には、利用者の年齢層等の属性を考慮し、学校での安全教育や自動車の運転免許の更新時等の場面を活用するほか、楽しみながら利用ルールを学ベるイベントを開催するなど、関係者自身の利用ルールの遵守意識を高めつつ、各種の機会を捉えて継続的な取組を実施すること。特に、取組初期においては、国として積極的に自転車の利用ルール等を周知するキャンペーンを実施すること。

例えば、

・自転車に配慮して、安全な間隔を保持するなどの自動車の通行ルールについて、運転免許の取得時や更新時を活用してドライバーに周知するほか、運送会社等を通じてトラック等のドライバーに周知すること

・非運転免許保有者のうち、児童、学生に対して総合学習の一環として自転車安全教育を実施すること(特に、高学年からは生活道路を想定した車道での自転車の通行ルールの周知)

・交通ボランティア、地域住民、学校、生徒会、自転車関係団体等と連携し、自転車の通行ルールを周知するため、自転車安全教室や街頭交通安全指導を実施するとともに、交通安全指導を行う指導者を育成すること

・地域全体で重点的に利用ルールを周知するための地域独自の「自転車の日」を制定すること

・地域のイベント開催時に、主婦や高齢者等を対象に自転車の利用ルールの認知度テストを実施すること

・自転車を業務利用する宅配業者等に自転車利用ルールを周知することが考えられる。

○自転車利用に対する興味を起こさせ、利用ルールの遵守につなげるため、利用ルールのみならず、自転車の効用や自転車の快適な乗り方のコツなど利用促進につながる内容も周知すること。

○自転車関係団体や自転車販売店等と連携して、民間機関の定めた安全基準の活用により、安全な自転車の普及を図りつつ、自転車のブレーキ、空気圧等の点検や整備の必要性、ヘルメット着用や尾灯装備の重要性、自転車保険加入の重要性等を含む自転車の利用ルールについて周知を行うこと。

○現場において、自転車の通行方向や通行位置等の自転車の通行ルールを分かりやすく伝えられるよう、自転車通行空間の整備において連続性や直進性を確保するとともに、路面表示・着色や法定外看板について、視覚的に工夫されたデザインや色彩の統一的な運用に努めること。また、自転車利用者に対する標識、路面表示等の案内について、自動車利用者も認識できるよう、大きさ、設置位置等を工夫すること。

2.利用ルール遵守に関するインセンティブの付与

○自転車の利用ルールの周知を実施するだけではなく、自発的に利用ルールが遵守されるように、自転車利用に関するインセンティブを付与することが有効であり、自転車利用者の年齢等に応じた自転車運転免許証の交付や、模範的な自転車利用者に対する優良運転者証の交付等、遵守効果がより高まるような工夫をすること。

○利用者の自発的な自転車の利用ルール遵守の意識を高めるため、利用ルールの周知に加えて、利用ルールを守らない場合の罰則や事故発生の危険性についても周知を行うこと。

3.交通違反に対する指導取締り

○自転車の通行ルールを周知し、インセンティブの付与を行ったとしても、通行ルールを守らない利用者が存在することも考えられるため、街頭活動における指導警告を一層積極的に推進し、いわゆる「ピスト」等に係る制動装置不良自転車のほか、無灯火、信号無視、一時不停止等の違反行為により通行車両や歩行者等に具体的危険を生じさせたり、指導警告に従わず違反行為を繰り返したりするなどの悪質、危険な交通違反に対しては交通切符を適用した検挙措置を講ずること。

○実施した指導取締りの活動状況については周知を行い、利用者の自発的な通行ルール遵守の意識を高めること。

II-4.自転車利用の総合的な取組

安全で快適な自転車の利用環境を創出するためのソフト対策としては、利用ルールの徹底に加え、自転車通行空間が効果的に利用されるような取組や、自転車利用促進に向けた取組等、自転車利用の総合的な取組を行う必要があり、この2つの観点から提言する。

1.自転車通行空間の効果的利用

1)駐停車・荷捌き車両対策

○駐停車需要の多い路線においては、自転車通行空間の整備により不便を生じることから、沿道の理解、協力のもと、当該路線や並行または交差する別路線に、沿道利用の車両や荷捌き車両、タクシー等に対応した路外または路上の駐停車空間を確保すること。

○荷捌き車両の駐車場利用を促進するため、民間駐車場と連携して荷捌き車両に対する短時間利用の無料化や専用スペースの確保などを検討すること。

○自転車通行の安全性を向上させるため、自転車専用通行帯の設置区間、自転車と自動車を混在させる区間では、沿道状況に応じて、駐車禁止もしくは駐停車禁止の規制を実施すること。なお、必要に応じて、通勤通学の時間帯を指定して駐停車禁止規制を実施することも検討すること。また、駐車監視員活動ガイドラインにおける重点路線、重点地域に指定し、取締りを強化することにより、違法駐停車の排除を積極的に進めること。特に自転車専用通行帯をふさぐ違法駐停車については、取締りを積極的に実施すること。

2)放置自転車対策

○駅周辺等の自転車の駐車需要の多い場所では、駐輪場の整備を行うとともに、放置禁止区域の指定や放置自転車の集中的な撤去を行うこと。駐輪場の整備にあたっては、公共駐車場の空間の活用、鉄道事業者等、自転車が利用する施設の管理者との連携を検討すること。

○自転車を放置する利用者は、買い物等の短時間利用や従業員等の通勤利用が多い傾向にあることから、放置自転車の実態を調査、把握した上で、買い物等の短時間の放置自転車に対しては目的地に近接する路上等を活用した駐輪場の整備を、従業員等の通勤利用に対しては附置義務条例による事務所、商業施設への駐輪場の整備を行うこと。

○地下駐輪場システムやICタグを活用し自動化を図った駐輪場等、新技術の活用による駐輪場の整備により、限られた空間を有効に活用すること。

○整備した駐輪場が適切に利用されるよう駐輪場の分かりやすい案内方法を検討し、自転車が利用する施設の管理者等と協力しつつ駐輪場の場所を周知すること。

2.自転車の利用促進

○健康、環境、観光振興等、地域の課題やニーズに応じ、自転車の利用促進を進めること。

例えば、

・住民との協働により、走りやすい(走ってほしい)路線、通行要注意箇所、駐輪場等を地図上に示した自転車マップを作成すること

・駅や主要なバス停付近に自転車駐車場を整備するなどサイクルアンドライドの推進や鉄道、バス車内に自転車を持ち込むことが可能なサイクルトレイン、バスを運行するなど公共交通機関と連携すること

・自転車利用による健康増進や環境意識の啓発を目的とした市民参加型のスポーツイベントの開催や自転車以外の市民イベントと連携すること

通勤手当の改正等により自転車通勤を奨励している企業を顕彰するなど、エコ通勤を推進すること

・自転車利用の拠点となるサイクルステーションの設置、公共施設での簡易シャワールームの設置、公共交通施設や観光拠点等へのレンタサイクルの導入、民間事業者との連携による自転車ガイドツアーを実施することが考えられる。

III.今後の検討課題について

自転車施策を進めていく上では、議論を進めていかなければならない課題が多々あり、これらには、検討に長期間を要するもの、現行の法制度で対応できないものも含まれることから、国として検討すベき今後の課題として提言する。

1.自転車施策の推進について

○高齢化等の社会状況の変化に対応した歩行者、自転車、自動車、公共交通等の交通体系のあり方を検討するとともに、その中で、クリーンかつエネルギー効率の高い自転車の位置づけを明確にし、今後の国としての自転車施策の目標の設定を検討すること。

○ガイドラインの策定などの技術的支援だけでなく、地方公共団体が予算を確保するための方策を検討すること。

○今回検討しているガイドラインの対象とする自転車ネットワークに含まれない多数の路線における自転車利用環境の整備のあり方について検討すること。

○子供を乗せた母親等車道通行に不安のある自転車利用者について、例外的に歩道通行を認めることの是非を含め、例外として認めている自転車の歩道通行の今後のあり方を検討すること。

○自転車施策の企画立案、自転車ネットワーク計画の作成、危険な自転車走行に対する周知、教育活動等に活用するため、自転車の利用状況や事故等のデータ収集及び分析の体制の充実等を検討すること。

○地方公共団体や都道府県警察の実務者を対象として、自転車ネットワーク計画の作成等に関する研修等を実施するなど、人材の育成・強化を検討すること。

○自転車ネットワーク計画を策定する検討体制について、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」に基づく法定の協議会を活用することも含め、体制の強化を検討すること。

2.自転車通行空間の計画について

○地域において自転車専用通行帯の選定、設計が適切に行われるよう、設計の考え方等をガイドラインとして発出するだけでなく、道路設計の基本となる道路構造令において自転車専用通行帯を位置づけることを検討すること。

○自転車の通行位置・進行方向を示す路面表示やピクトグラムのように多くの地区で設置され、効果が高いと考えられる法定外看板や表示については、全ての道路利用者への分かりやすさの観点から、統一的な運用を検討すること。

3.自転車通行空間の設計について

○自転車道における自転車交通の整序化や交差点での円滑な交通処理を図るため、一方通行規制を原則とすることについて検討すること。沿道施設の状況に合わせて、逆方向の短距離利用等のサービスを確保するため、必要に応じ、自転車の歩道(自転車歩行者道)通行を可能にする等、自転車道の通行義務について柔軟に運用できるよう法令の見直しを検討すること。

○自転車専用信号について、外国人を含め道路利用者が一目で自転車用であると理解できるよう、視覚的に工夫されたデザイン、仕様を検討するとともに、導入に向けた法令の見直し等について検討すること。

4.利用ルールの徹底について

○複雑な自転車の通行ルールを、全ての道路利用者が容易に理解できるものとなるよう、簡素化について検討するとともに、それに対応した標識等の変更を検討すること。併せて、右左折時の合図などのあり方について検討すること。

5.その他

○高齢者・障がい者用自転車等の多様な自転車や新たな中速・小型モビリティのための走行空間確保を踏まえた自転車通行空間のあり方について検討すること。

参考資料-1

自転車利用環境に関する背景

図1自転車及び自動車保有台数の推移(千台)

図2移動距離帯別の交通手段別利用割合

図3自動車の代替手段としての交通手段

図4エネルギー効率の比較

図5CO2排出量の比較

図6自転車を利用する理由(通勤や買い物などで主に自転車利用している人を対象にアンケート調査)

図7東日本大震災後に利用機会が増えた交通手段

図8自転車の楽しみ方を紹介する市民向けパンフレット

図9国内における自転車の車種別販売台数の伸び率(年間1店あたり)

図10自転車乗車中死者数・自転車分担率の推移と自転車通行空間に関する制度の変遷

図11自転車関連事故の推移

図12自転車対歩行者事故に関する近年の傾向

図13歩行者として自転車を迷惑・危険と感じた状況

図14自転車の通行ルールに関する遵守状況

図15自転車乗用中の交通事故で死傷した人に関する法令違反の状況

図16良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進

図17自転車通行空間の整備状況

図18自転車専用通行帯設置区間における利用者アンケート

図19自転車利用に関して困っていること

参考資料-2

自転車ネットワーク計画の作成手順

参考資料-3

交差点部の設計

トップページへ