下水道について
1)動機
今の私たちの生活に無くてはならぬ下水道。でも、下水道と聞くと、汚い・臭い、というイメージがあります。その下水道について、私は考え直してみようと、『下水道』について調べてみることにしました。
2)下水道について
広義には家庭下水、工業下水、雨水及び地下水など、不要な水を排除し処分する方法並びに設備のいっさいをさす。しかしこれには種種の段階があり、単に雨水を排除するだけの設備は特に<略式下水道>といい、これにくわえて家庭下水を排除処分する設備がくわわると<改良下水>といわれる。なお、各戸にすべて水洗便所があり、これが下水道に直結されて排除処分されるときにはこれを<完全下水道>と名ずけている。以上を、総括して近代式下水道と言うが、そのうちでも改良下水道はだいたい、つぎの3部分からなっている。(1)私設下水道(または小下水道) 各建物からでる家庭下水と敷地内の雨水とを排除する施設を言う。(2)下水排除 私設下水道で導かれた下水と道路上の雨水とを速やかに排除することを言う。(3)下水処分 下水を集めてある程度これを安定無害化することを言う。
【沿革】 最古の記録としては、紀元前7世紀頃バビロニアで小規模の下水管が用いられたが、各戸との連絡も一部にはあったらしい。最も有名なローマの下水道は紀元前615年日に造られたが、これは7個の丘に囲まれたフォーラム谷の排水のためであった。しだいに各戸とも連絡し便所は水洗装置を備えるようになった。この下水道は19世紀の終わりまで用いられたが、全下水はテレヴェ川に導かれた。ローマ帝国滅亡後数百年は暗黒時代で雨水は侵透蒸発にまかせて、家庭下水は街路中央の開きょに導かれたので、その結果は疫病に好適の状態となり一再ならずペストにおそわれ、恐るべき犠牲を生じた。近代式下水道の興起促したものに工業の発達と、それに伴う都市の膨張とがある。最初に国土の工業化したイギリスが組織的に下水道を整備した最初の国であった。1831年のコレラ流行はロンドンに隠きょ式下水道の発達を促進し、かくしてロンドンは水性便所の普及とともに住宅から完全に大小便を除き、他の下水道とともに下水道きょに導き川に放流したが、河川汚染のために河水を他の目的に使用しえなくなってきた(完成は1852年)。パリの下水道もロンドンと同じくコレラの流行の結果つくられた。ハンブルクは1842年の大火後焼失区域に対して下水道をつくったが、その後遂次拡張していった。アメリカの最初の下水道についてはあまり知られてはいないが、ニューヨークのブルックリンでは1857年に下水道がつくられている。下水道処分でも下水による土地の灌漑は、すでにアテネにおいて行わられていたらしい。イギリスでは河川が小なるために汚染問題が起こったのは上記の通りであるが、なお健康に対する脅威よりは農工業用水に対する支障のほうが注目を集めたかさえ思われる。最初の人工を加えた下水処分では1762年にイギリスで行われた薬品沈殿に始まる。1880年にドイツのエーベルト
Karl Joseh Eberth(1835〜1926)により腸チフス菌が発見されて衛生学にも新世紀を画するようになり、細菌学を河川浄化と下水処分とに応用するようになった。アメリカは河川の大なるためと土地の広大なるために、下水処分は顧みられなかった。しかしマサチューセッツ州の数河川が全く汚染されるに及び、最初に同州ウースターに大処理場が設けられ薬品沈殿を用いた。1887年にはロレンス実験所が作られその研究は大いなるものだった。
【下水の種類】 下水は通俗的にはよごれた不用になった水と考えて良いが、家庭下水、工業下水、雨水、地下水の四種類。
【下水排除】 汚水は私設下水道を経て、また雨水のうち敷地に降ったものは私設下水道を、道路上に降ったものは道路両側にある雨水ますを経ていずれも取付管により道路下に敷設された下水管に入る。この場合汚水と雨水とを同じ下水管で導くのを合流式下水道といい、別々の管で導くのを分流式下水道という。都市の道路で車道歩道の区別ある所ではその境に、区別ない所では各戸の先に側溝(街きょともいう)を設け、そこを雨水が流れて所々に設けられた雨水ますに流れ込む。雨水ますには格子形の鉄やコンクリートのふたがしてある。雨水ますからは上記のように取付管を通って下水管に入る(第1図)。下水管の道路下における位置は合流式においては第2図に示すように原則として道路の中央に埋設する。それは両側の私設下水道連絡に距離、こう配等の関係が好都合だからである。しかし道幅が広い場合には、こう配が不十分になりやすいから、両側に1本ずつ設けることもある(第2図下図)。この場合には両側の建物に近い所を掘るから、その基礎を危なくしないように注意しなければならない。分流式では第3図に示すようにいろいろの場合があるが、普通雨水管が上方に汚水管が下方にくる理由は、汚水管に連絡する私設下水管はとにかく深くなりがちで、とくに地下室から汚水を集めるときにそうだからである。 下水管として現在おもに使われるのは陶管と鉄筋コンクリート管である。そのほか、れんがや石材等で特殊の形に仕上げることもある。材料の備うべき条件としては、(1)じょうぶで、(2)下水に腐食されず、(3)内面がやわらかで、(4)水を通さず、(5)価格が安いなどいろいろある。陶管は直径90p位までの小管に用い、(2)(3)の条件にすぎぐれているが、(1)に欠ける。大管はおもに鉄筋コンクリート管を用いるが、これには手詰と遠心力を利用してつくったヒューム管とがある。いずれも(1)においてまさるが、(2)はとくに酸に弱い欠点がある。鉄筋コンクリートを使えば断面形状は色々に仕上げられる。レンガと石材は耐酸、耐アルカリ性で摩擦の少ない所は長所である。しかし現在では付属工作物に、また特に石材は底部の張石に用いる程度である。断面形状は、現在下水管の名が示すように円形が多い。しかし半円形、卵形、馬てい形、長方形等それぞれの目的に応じて使われる。これらを総称するとき下水きょといわれる。付属設備には、マンホール(第4図)がある。これは下水管の起点、会合点、交差点、分岐点、またこう配・方向・断面の変わる所等に設置するもので、検査、掃除、修繕等のための人の出入口である。ふたは密閉したものが多い。その他灯孔、雪孔等の付属設備がある。
下水管が全区域に分布されたようすはちょうど木の枝がみきに集まるように、支線から幹線へとしだいに合して太くなっていく。すなわち家庭や工場から出た汚水や雨水は私設下水道を経て公設下水管にはいり、流れていくうちに集まって量を増し、ついに太い幹線下水管で下水処理場に達する。なおこの際工場下水があまりに悪質である場合には、いったん工場側で処理した後に初めて都市下水道で受け入れる場合とがある。下水きょ内の流れはすべて開水路すなわち水圧の働かない流れである。したがって、こう配には細心の注意を払うが、その際下水管の摩減や周囲のあふれを起こすような急流を避けるとともに、内部に沈殿を生ずるような緩流を避けなければならない。適当なこう配は管の直径により異なる。
【下水道の利用】 下水のような危険な廃棄物でもある程度利用できるもので、現在の所は汚泥の肥料化、燃料化のほかに魚池法がある。下水中には肥料成分が含まれ、しかもこれがおもに糞尿からくる。肥料化には下水処分のかんがいと汚泥処分の地上廃棄とがあるが、汚泥乾燥後に粉末として売り出すものもある。この肥料は窒素とリン酸とに富んでいるが、カリは比較的少量である。燃料化も泥汚消化のさい発生するメタンガスを利用する。しかし多くは泥汚消化そう自身を熱して、消化を促す燃料として使われる。魚池法というのはもっぱらドイツで行われる方法で、原理は水の自浄化中の生存競争を巧みに利用したものである。すなわち好気性細菌やその他微生物の力でタンパク質や炭水化物が分解されると、これらが植物の栄養となり、さらにこれが動物の食物となってついに魚についに食われるというものである。条件としては一定度以上の酸素が溶けていることが必要であるが、そのためには下水を普通の水で3〜5倍くらいに薄めて、溶存酸素を追加する。その上に下水としても新鮮で汚泥が除かれている方がよいから沈殿後の下水が適している。
【下水道の必要と効果】 下水道がいかなる必要から発明・敷設せられるようになったか、その由来とともに敷設によって、生ずる効果について述べる。人類生活の結果は必ず固体または液体の廃物を生ずるが、そのうち液体が家庭下水である。人口が希薄な時代には家庭下水を溝に流してもすむが、人口が濃密になり都市に集中してくるとさらに工場の発展に伴って工場下水もでてくる。都市に下水道が無ければこれらの液体廃物は長い間そのままとどまることになり糞尿等病原菌を含む恐れのあるものも含まれているために、住民の健康が危険にさらされていることになる。そこでこれらの下水を速やかに運び去るために下水道が必要となってきたのである。下水道敷設の効果は完全下水道において初めて顕著に現れる。いわゆる水による伝染病はほとんど姿を消す。その種類は消化器系統の伝染病で、腸チフス、赤痢、疫痢、コレラその他下痢腸炎等である。下水道が完成し各戸ごとに水洗便所が設けられ、これを下水道に連結すれば水による伝染病の減退に伴って、一般死亡率もまたしだいに減少する。排水を良くし雨水をも速やかに運び去るので、下水道はなお次のような利益がある。(1)常時停滞しがちな水を速やかに運び去り、低湿地を乾燥地とする。(2)雨水を速やかに導くから豪雨の際も氾濫の恐れが無くなる。
3)感想
今回のレポート作成で、「汚い・臭い」としか思えなかった下水道の大切さと、下水道の意外な歴史、その他色々と面白いことを知ることができ、下水道に対する考えを思い直す事が出来たとともに、私自身、良い勉強をする事が出来たと嬉しく思います。