No.3--------→ いい湯だな
その日の麦太郎は疲れていました。
「ああ、温泉にでも入りたいな・・・」
身も心も温まる温泉。
麦太郎は早速 お風呂に温泉の素を入れてみました。
しかしどうもシックリいきません。
確かに 普通のお風呂よりは温かい気もするんです。
でも ホンモノの温泉には やはりほど遠いみたいです。
麦太郎は原因を考えました。
もしかしたら “香り”に関係があるのかもしれません。
温泉の素は とてもいい香りがします。
でも ホンモノの温泉は こんないい香りなんてしませんもの。
硫黄の匂いが欲しいトコロです。
「ああ、本当の温泉に入りたい・・・」
麦太郎は考えました。
そして ある結論に到達しました。
「よし。 温泉地から温泉を引っ張ってこよう」
・・・麦太郎の家から温泉地までは ざっと46kmです。
麦太郎はさっそく小屋から
スコップやらパイプを持ち出して
穴を掘り始めました。
家の水道管とパイプを繋ぎ、
温泉地目指して掘り進めました。
掘って 掘って 掘りまくった麦太郎は
やがて疲れてしまいました。
ちょっと休憩タイムです。
麦太郎は一服してました。
そこへ一匹のモグラが 麦太郎の前に現れました。
麦太郎が食べていたおにぎりに 興味を持った様子です。
「こんにちはモグラさん。 おにぎり食べますか?」
モグラさんは喜んで
麦太郎からおにぎりを貰って食べました。
そしてお礼も言わず 去っていきました。
モグラさんがいなくなり
麦太郎もやっと重たい腰をあげる決意をしました。
「さぁ、もう一踏ん張り 頑張ろう」
すると さっきのモグラさんが
仲間を連れてやってきました。
どうやら手伝ってくれるみたいです。
麦太郎は756匹のモグラさんたちと
力を合わせて パイプを繋いでいきました。
そして見事、麦太郎の家に 温泉が引かれたのでした。
麦太郎はモグラさんたちにお礼を言い
タバコを一本ずつあげてお別れしました。
その夜の麦太郎のバスタイムは
最高のひとときだったコトは 言うまでもありません。
特に 労働の後のひとっ風呂は
とても気持ちいいものですもの。
モグラさんたち、ありがとう。
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