中国の都市公園というと北京の故宮に隣接する、景山公園や北海公園などが有名ですが、 ここでは敢えて北京から列車で2時間ほど離れた処にある天津市の水上公園を御紹介します。 それは、公園とは一般の人々が自由に集い憩える場所のことですが、中国のみならず世界の都市公園の多くは、 皇帝や金持ちなど一部の特権階級の憩いの場として、権力や財力にものをいわせて造られたものであるのに対し、 天津水上公園は、革命による人民解放後、初めから一般大衆の憩いの場として造られた、本格的都市公園であると聞いたからです。
 天津市はもともと、海河という川が渤海湾に注ぐほとりに、外国との交易のための港町として発展したところなので、低湿地帯で 、南部に大きな池がおおく存在していた。そこを市民の憩いの場とすべく、多くの市民の勤労奉仕により3つの湖と9つの島に整備して、 本格的都市公園として開園したのが、中華人民共和国建国の2年後のことです。 その後文化大革命のころ、さらに人民の義務労働で整備が進み、13の島からなる、広さ167万u(上野公園の約3倍)、 の今の姿になり、中国何千年の歴史の中でも多分市民が一番幸せな今の時代を、日本と同様の明るい身なりの若者や家族連れが、 良く手入れされ、(東京のようにホームレスが居たり、青いビニールテントなどが無い)清潔な園内で、湖水にボートを浮かべたり、 緑陰で遊んでいます。
 1991年には高さ415mの天塔と呼ばれるテレビ塔が公園の東側に建てられ、 その最上部には回転展望レストランが設けられました。近くに山がない、広大な平野にある北京・天津の人々は、 高い所から市街を見下ろす機会がなかったので、その昔、明の永楽帝が紫禁城の裏に、濠を掘った土を盛り上げて、 高さ92mの築山を造らせて北京市街を一望して満悦したという、その気分を、ほぼ600年後の今、 天津市民や観光客がその回転展望台から、アメリカ
ブランドの可口可楽(コカコーラ)を飲みながら、眼下の水上公園の湖水や島の配置の妙のみならず、 天津市街や、その向こうに遙かに続く平原と地平線を眺めながら、楽しんでいます。
 尚、水上公園内には動物園があり天津でもパンダが人気をよんでいます。ちょうど訪れた時に、 幼稚園児の遠足に出会い、その身なりの良さと、嬉々として歓声をあげながら走り回っている姿に、 豊かな中国の未来を見たような気がしました。

 また敷地内には天津出身の偉人、周恩来とその夫人を顕彰して様々なゆかりの品が展示してある周恩来ケ頴超記念館があります。
 また天津と姉妹都市となっている神戸市から送られた桜園があり、春には美しい花を開き、人々を楽しませています。

 (本文作成者:島村亮三)
 (八王子市狭間町1994−273, TEL0426−62−6282)