大阪連絡会情報誌・じねんじょレターズ(47号)

自然に近い 三つの畑の物語
畚野 剛
「自然に近い」暮らしへのあこがれ
 近頃本屋に行くと目に付くコーナーのひとつに、「田舎暮らし」というのがあります。自然と暮らしの距離関係から見ますと、戦後の日本人の多くは、それこそ宇宙の膨張の法則のように、加速度的に自然との距離を拡大し続けてきたと言えましょう。それに対して個人としてささやかに反抗し、自然に近づく手段として、「田舎暮らし」がひとつのキーワードに浮かびあがってきたのだと思います。しかし、本の売れ数に比べれば、それを実行できる人はまだ数少ないでしょう。そこで、もう少し多くの人が実行できることとして、「畑作り」が考えられます。今回は、私が見(経験し)た「畑づくり」の周り(中)の最近の自然にかかわる話題をレポートしましょう。

本職の自然農法を垣間見る
 いま兵庫県東南部で、自然保護にかかわるホットな話題の一つに、武庫川ダムの計画間題があります。おおくの市民がハイキングを楽しむ武庫川の渓谷を沈めて、治水を目的とするダムを作ろうという県の計画です。これに疑間を持ち、もっと流域全体から考えて行こうではないかという諸団体のネットワークとして「武庫川の治水を考える連絡協議会」が活動しています。

 この会の秋の野外行事で、武庫川上流の農村地帯である三田市から篠山市ヘ、JRの路線で言うと藍本駅から草野駅まで、現地の本職の百姓さんが案内してくださいました。そこで、ずいぶん色々なことを見間きしましたが、私にとっては無農薬有機農業の田畑を見たのが印象に残りました。藍本駅ちかくの武庫川沿いの田は、もう刈入れた跡で、無農薬の特徴は感じ取れませんでしたが、イノシシ除けの電線が張り巡らせてありました。「この秋、1匹のイノシシが入ってしまって、出口を見失い、この 田全体を走り回ったので逆効果になってしまった」と淡々と話されました。そのイノシシを食べたかどうかは聞き忘れました。またその隣の畑にホウレンソウ?が植わっていましたが、作物の周り一面に、それと同じくらいの丈の雑草が行儀良く生えていました。「冬の間は雑草が作物の風除けになっているのです」と説明されました。な一るほど!

 とちゆうで「ミニ動物園」があり、子供たちはロバにミカンをやりました。アヒルたちは、いっせいに鳴いた後、連れ立ってフェンスをかいくぐり、小渓流の中へ出かけてゆきました。個人経営ですが、冷泉を沸かして誰でも無料で入れるような設備も作ってあったのには、感心しました。

 もう一人の方の畑では化成肥料を使わないで糠をどっさり撤いている最中でした。また畑の一部はハキダメギクがいっぱいになってしまったのですが、ご本人は「ハキダメギクとは、かわいそうな名前で,すね。この辺では、『油井(地名)ギク』といって、私の畑がその本家のように言われています」とのことでした。

 このお二方の暮らし方に共鳴し、帰りのおみやげに「こだわり米」(丹南有機農業実践会)を5キロ買って帰りました。

栃原キヤンプ周辺では・・・
 兵庫連絡会と共催行事として、大阪連絡会会員の朝倉克浩さんが経営?してられる「とちわらこどもキャンブ場」を訪れました。兵庫県宍粟郡安富町栃原、揖保川の支流市川の、そのまた支流の栃原川のほとりにあります。この川は例によって三面張りの川ですが、朝倉さんのところからすこし上流までの間だけは、手をつけないで残すように要請された結果、昔のままの石積みになっていました。川に下りることも出来て、魚とり遊びに絶好の場となっていま
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