大阪連絡会情報誌・じねんじょレターズ(49号)

行事参加レポート
二月の中辺路いろいろ
川西市 畚野 剛
 大阪人でありながら、今まで、和歌山県へは海岸沿いに日の岬や南部梅林までしか行ったことが無かった。今回、はじめて内陸部へ入ることが出来ただけでも嬉しいことであった。

中辺路町までのコース(注1)
 2月23日、大阪府から高速道路を南下した車は、有田川を渡ってすぐの吉備インターから一般道に入り、有用川沿いに花園村への道筋を辿る。途中から峠を越えて日高川の流域に入った。美山村の椿山ダム湖畔で小休止。今度は日高川沿いを遡上し、柳瀬から3kmほどの立派なトンネルを通過すると、そこは富田川の流域の中辺路町の西北端であった。出発点の堺市から2時間半ほど、まったく便利になったものだ。カーブの多い山道を下って、栗栖川集落で富田川本流に出会った。

 途中気が付いたのだが、ここまでに「熊野川」という集落が二箇所もあった。熊野川流域でもないのに不思議なことに思えた。

 ここから予定外のコースとなり車は右析した。一つ下流側の峰集落で今回の案内人伊藤幸子会員と落ち合うためであった。伊藤さんは今朝から田辺市まで車を飛ばして新鮮な魚を仕入れに行ってくださったとのこと。ここには熊野古道中辺路〈なかへち)沿いに点在する王子社でも五指に入る滝尻王子がある。熊野の霊域の入り口に当たる重要な地であった。

ツルコウジ
 駐車場から渓流沿いの小道を通り、滝尻王子社殿の裏までたどっただけでも、林床で目を留めるに足る草木に出会った。

 伊藤「皆さん、ここで何か面白そうなものが目に付きませんか?」一同、林床をきょろきょろ、がさがさと探す。伊藤「この辺というか。熊野の面白いところは、見ての通り、いろんなものが入り混じっていることで、たとえばここではヤブコウジとツルコウジがありますネ。ツルコウジの方は葉に毛があるのを確かめてネ。ここから奥にはいるとツルコウジのほうは見られなくなるんです」と自然観察が始まった。

 両種はいずれもヤブコウジ科の常緑低木であるが、ヤブコウジの分布は本州全土:四国、九州など、ツルコウジのそれは本州の千葉以南の外帯、四国、九州などとされている(注2)。ツルコウジの方が暖かいところが好きと言えよう。

ハナミョウガ
 もうひとつ目に付いたのはハナミョウガ。所々で大粒の赤い実を付けていた。これも本州(千葉県以西)、四国、九州などとツルコウジに似た分布をしている(注3)。

 余談であるが同書のミョウガの項で実の説明がまったく無い。どう言う訳か?おわかりの方は教えて下されたし!

   ちなみに桑島(注4)によるとツルコウジは大阪府内では【南部山地 稀】とされ、岸和田以南の地名が7箇所あげられている。またハナミョウガは【南部山麓・丘陵地の樹陰 やや稀】で、堺市鉢が峰など12筒所が示されている。

 話を戻そう。30年ほど前に熊野古道の王子社の森を調査された水野康郎さんは


次のページへ


じねんじょレターズ・トップ
大阪連絡会・ホームへ