大阪連絡会情報誌・じねんじょレターズ(51号)

ほん・え・ほん(番外編)

 ミューラーという絵本作家がいます。ずいぶん以前に大阪で原画展があって、たまた ま見に行って、絵本でもここまでできる、と感心した作家でした。「うさぎの島」や 「ぼくクマのままでいたかった」「ふたつの島」などが日本では出版されています。 すごいと思ったのは、「変わりゆく田園地帯」「変わりゆく町」という二つの作品です。 バートンの「ちいさなおうち」と同じような視点ながら、田園地帯と町の急速な変化 をはっきりとした告発の姿勢を持って描いています。

 いい絵本では自然について考えたり、情報を知ることが出来るものが多いのです が、自然の変化を示したり、提案をするような絵本は多くはありません。そういう絵 本を紹介しているのがこの「絵本の中の都市と自然」です。著者の高橋理喜男さん は、ご存知の大阪府大の教授や日大教授をしながら、大阪自然環境保全協会の会長を 長く勤められた方で、現在は名誉会長です。当然ながら(というか)、ミューラーの 絵本もかなりのページをとって紹介してあります。気に入っている本が紹介されてい て、うれしくなってしまいました。

 およそ70冊の絵本を紹介してあるのですが、本人は「特別に集めようとしたのではな く、たまたま飛び込んだ本屋さんで気に入った絵本を買い集めた」と書いておられます が、海外出張が多かったためか、日本では出版されていない海外の絵本がたくさん含 まれています。そのため手に入らない本もあるのですが、お国柄もわかって、読んで いるだけでも楽しい本です。(布谷 知夫)



 「絵本の中の年と自然」
 高橋理喜男 東方出版  140pp
第I章 絵本から見えてくるもの
第II章 変わりゆく風景への想い
第III章 自然と人間の共存を目指して
第IV章 足もとから都市や農村を見直す
第V章 暮らしのユートピアを求めて



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