いままでの個人の交通システムは、長い間デトロイトから始まった主として
化石燃料を動力源とした自動車が中心であった。
しかし、技術の進展をもってしても、化石燃料を使用するこれらのシステム
を、今後さらに継続することは、化石燃料が直ちに枯渇するということではな
いが、産出量の減少に伴う燃料コスト上昇による経済効率の低下を招くこと
と、地球環境を破壊し尽くすという面は拭い切れないものがある。また、運用
面についても、利用者個々の運転操作を、将来の技術革新をもってしても、完
全なる自動化によって補完できるものではないし、地表面を利用している限
り、災害への対応をはじめとして道路の構造・築造等に関わる問題は永久に付
きまとうものと思われる。
本交通システムはこれらの問題点を補完し、新世紀にふさわしい平等の交通
環境を構築できるものと考える。
つまり、道路上を人間が個々に運転するという現在の形態を、高架軌道と全
自動車両による運行に置き換えるものである。軌道は全線鉄骨構造の高架式
で、現在の道路のように地表面を直接、連続的に利用しないので、地震等の災
害時にもその影響は極めて小さく、極端な破壊が無い限り運行停止などは
ありえないものとなる。また、この新交通システムは、老若男女や子供た
ち、さらには身障者などを問わず全て公平にかつ安価に利用でき、特に高
齢者や幼児など、現在の自動車運転に全く縁のない人々にも差別無く利用
される意義はまことに大きいものがある。
さらに、都市部においては交通渋滞や排気ガス等による恒常的な環境の悪化
や、災害発生時の自動車の存在による二次災害の拡大が大いに懸念されるとこ
ろであるが、この新交通システムでは構造上これらを絶無に出来ることであ
る。
この新交通システムによる、より大きな見地で国土全般を見た場合にも、現
在のような道路等の構築に際して生ずる大掛かりな地表面の掘削等が無くなる
ので、人工的な地形歪による土砂崩れなどの発生を防ぐことが出来、より大き
な連鎖災害をもたらすようなことも少なくなる。これは究極的に地球環境の保
全に大きく貢献するのである。