・古紙再生紙を活用した石膏ボード複合板の開発
○古紙再生紙100%を原料に創った制振材料と石膏ボードを複合化した石膏ボード複合板を製品化
○GL工法用の、厚さ13mmのサンドイッチタイプの複合板についても製品化(2003.10.17)
○この制振建材の特徴は、大きな制振性能と共に、大きな剛性をもつこと
○したがって、コインシデンス現象による遮音性能の低下がなく、
質量則で予測される遮音性能が確保できるとともに、
GL工法や乾式間仕切り壁の遮音欠損を完全に解消できる材料となっている
建築材料として多用されている石膏ボードは、耐火性等において大変優れた特性を有している建材ですが、
遮音性能という面から見ると、大きな欠点を有しております。
それは、コインシデンス効果による遮音性能の低下です。
通常の現場で良く使用されている厚さ12mmの石膏ボードでは、2500Hz程度の周波数域において、
遮音性能が質量法則から予測される性能より10dB程度低下します。
※コインシデンス効果とは、材料に音波が入射したことによって生じる曲げ波(屈曲波)の波長と音波の波長が
合致したときに音波が透過し易くなる現象で、この影響は材料の制振性能に大きく関係してくると言われており、
材料の制振性能が小さいほどこの現象時に音波が透過しやすく(遮音性能の落ち込みが大きく)なります。
制振性能を大きくした材料では、この現象による遮音性能の落ち込みはなくなります。
また、石膏ボードは、耐衝撃性が低く、体育館の天井に貼っていたボードが地震の衝撃で割れて
落ちてしまったという報道も過去にはあったように記憶しております。
そこで、私達は、建築の分野で多用されていて性能の改善の余地の大きい石膏ボードに着目し、
制振マットを石膏ボードと貼り合わせるタイプのもの(制振ボード)と、2枚の石膏ボードの間に
挟み込むタイプのもの(制振サンド)の2種類の制振建材の開発を試みました。
図1には石膏ボード複合板(制振ボード、制振サンド)の断面構造を、図2には損失係数の測定結果を、
図3には音響透過損失の測定結果を示しました。これらの結果から、石膏ボード複合板は制振性能(損失係数)が
石膏ボードに比べて10倍から20倍大きいことがわかるかと思います。
また、音響透過損失においては、コインシデンス現象による遮音性能の低下が生じず、
高周波数域においても質量法則にしたがって音響透過損失の値が大きくなっているのが
おわかりかと思います。
※材料の音響透過損失は、コインシデンス効果による遮音性能の低下がなければ、周波数が高いほど、
単位面積あたりの質量が大きいほど大きくなります。これを質量法則といいます。
図3を用いて説明します。石膏ボード12mmの音響透過損失は、周波数が大きくなるにつれて大きな値となりますが、
1kHzより上の周波数ではコインシデンス効果による遮音性能の低下が見られます。
遮音性能を大きくしようと板の厚さを21mmにすると、周波数の低い領域では質量法則にしたがって遮音性能は大きくなりますが、
逆に、コインシデンス周波数が低くなり、500Hzを越えたあたりからコインシデンス効果の影響が現れてしまい、
遮音性能は大きく低下してしまいます。その結果として、単位面積あたりの質量の増大が遮音性能の大幅な向上に結びつきません。
一方、制振ボード、制振サンドは損失係数が大きいのでコインシデンス効果による遮音性能の低下が現れず、
ほぼ質量法則で予測される遮音性能が確保できるとともに、遮音性能の大幅な増大が期待できます。
私たちは、制振性能の大きな、このような建材を開発することが出来ました。
住宅で音の問題が気になるところは、プライバシーの確保という点からは寝室であり、
また、三世代同居の住宅では、生活スタイルの著しく異なる老人夫婦と孫世代の間の遮音性能ではないでしょうか。
さらに、トイレ等の給排水の音も気になる部分です。これらの対策に特殊な技法を用いずに決定的に効果を
発揮するのは制振建材です。
住宅に使用しているすべての石膏ボードをこの制振建材に代替することはコストの面で今すぐには
難しいかも知れませんが、とりあえず遮音性能を今以上に良くしたい部分からでも使って頂きたいと
願っております。
私達は、住宅メーカーさんが他社との「製品の差別化」を計っていく中で、
我が社の住宅は「制振建材を活用し音環境の改善を図っております」というキャッチコピーは、
多少コストが上がっても、決して消費者の意向に背くものではなく、
住宅の性能表示制度が創設された現在においては、むしろ今後進まなければならない方向だと考えております。
現在、この制振建材は、チヨダウーテ(株)が、今後展開していくと思われる「住宅の質の向上(音環境の改善)」
という大きなニーズに対して、「今までにない付加価値の高い製品を新たに生み出すことが出来る」という認識のもと、
軽量で、しかも剛性が大きく、かつ制振性能の大きな「制振ファイボード」、「制振ファイサンド」という名称で、
同業他社の追随をまったく許さない極めて優れた製品として、商品化しております。
また、2003年10月には、永年の懸案であったGL工法壁の遮音欠損改善に極めて有用な、厚さ13mmの「制振ファイサンド」も
新たに製品ラインナップに加え、様々な用途に活用いただけるようになってきております。
石膏ボードの音響的な性能に起因する固体音対策でお困りの方にとっては、極めて有効な材料となりますので、
是非、採用をご検討してみて下さるようお願い申し上げます。
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