春峡

 【春峡】
 春の気配を感じて,木々の梢にも華やかさが次第に増してくる頃です。
 林縁にいち早くたくさんの白い花をつけ,光沢のある濃い緑色の葉を日に照らされているのは,アセビ(馬酔木,ツツジ科)です。花は壺状に垂れ下がり,目を凝らしてみるとなかなか味のある花です。葉が有毒のため,馬が食べると酔ったように苦しむので,馬酔木とつけられたそうです。
 ダンコウバイ(壇香梅,クスノキ科)は,黄色い花を開いています。葉に先立って,よい香りを漂わせています。
花の後は,先が浅く3裂した特徴のある葉をつけますが,人の目を惹くのは,秋の透き通るような黄葉まで待たなければなりません。  アブラチャン(油瀝青,クスノキ科)も淡い黄色の花を開いています。チャン(瀝青)とは,果実を灯用にしたところからきているそうです。
 ヤマトレンギョウ(大和連翹,モクセイ科)は石灰岩地を好む落葉低木で,日本特産のレンギョウです。3月下旬頃から黄色い花が咲き始めました。うっかりすると見落としてしまうかもしれませんが,とても清楚な印象を受ける花です。
 草本ではショウジョウバカマ(猩々袴,ユリ科)が,色鮮やかに匂っています。薄暗い林縁で,紫がかった桃色の鮮やかさに一瞬,息を飲む思いがします。
 他にスミレ類,カテンソウ(加天草,イラクサ科),ホタルカズラ(蛍葛,ムラサキ科),ナツトウダイ(夏燈台,トウダイグサ科),トリガタハンショウズル(鳥形半鐘蔓,キンポウゲ科),オオバイカイカリソウ(大梅花錨草,メギ科)など。

 

撮影日1997年3月23日

ヤマトレンギョウ

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