ゼミ紹介


ゼミ アピール文 「地質時代の環境変動」

坂本 亨 教授

坂本亨先生 最終講義

「地球の環境条件が、地球生成の初めから現在まで、いつも一様であった」とは誰も考えていないでしょう。

そこで、「地球は今までどのような環境変動を経験してきたのか」

そして、「地球の環境変動史を解読するには、どのような点に着眼して、どのような手段を適用すればよいのか」

というようなことを考えてみようというのが、このゼミの立場です。過去の変動パターンを理解することは、将来の環境変化を予測する上での重要な手掛かりとなります。

“過去に対して目を閉ざすものは、未来についても盲目になるでありましょう”

 

地球の長い歴史のうちでも、最近の百数十万年間−地質学的に第四紀と呼ばれる時代−は、気候がきわめて寒冷な氷期と現在程度に温暖な間氷期とが10万年ほどの周期で繰り返し、それにともなって、全世界の自然環境が激しく変動した時代でした。この時代の環境変動を扱う「第四紀学」は、もともとは地質学(層序学)を中心として成立したものですが、1960年代以降、関連分野のさまざまな新手法の開発に促されて、諸科学の境界領域として急速に進展してきた学問分野です。

本ゼミでは、第四紀学についてのテキストの購読を中心として、気候変動、海水準変化、生物群の変遷、それに地殻の変動など、第四紀における地球環境の変動のさまざまな側面を理解すること、また、過去の環境変動が現在の自然環境の成立に、したがって、現在の人間の生活環境に、いかに深く係わっているかを理解することを目標とします。

ここでは、「どのような対象をどのような手段で研究するか」、「どのような根拠にもとづいて、どのような過去を復元するか」、を理解することが中心的課題となります。このために、野外での地形や地質の観察や、調査方法の習得も重視したいと考えています。山河のたたずまいも路傍の石も、すべて地球の歴史の一コマを示す証拠として、そこに存在するのです。問題は、われわれが地球の歴史を解読しようという意志と手段を持つか否かにかかっています。


Copyrights (C) 1999 Sakamoto
The Faculty of Environmentalal and Information Sciences
Yokkaichi University, All rights reserved