環 境 ホルモン


第一章 前兆
   
一九五二年 フロリダ海岸
    その光景は、ハクトウワシを長年見守ってきたチャールズ・ブローリーにとっても
    はじめてのものだった。

                              
テオ・コルボーン「奪われし未来」の冒頭

人体への影響
 汚染地域に棲むカモメは巣を置き去りにするという報告がある。
 また、殺虫剤を投与された親ネズミから生まれたオスは
 成長すると、正常な親から生まれたオスよりはるかに縄張り意識が強く、
 気性も荒くなるという報告もある。
 こうした事実を踏まえるなら、現代の病理と有害物質との関係について考えてみるのも
 あながち突飛な思いつきとは言えないだろう。
 今のところ、気がかりな問題は山のようにあるが、明確な答えはとなるとお寒いかぎりである。
 (以後抜粋)
 
 ヒトの精子数が減少しているという事実は・・・
 
 出生前にPCBにさらされていた個体には学習障害と多動症が・・・

 人間の知能(IQ)にも知らず知らずのうちに悪影響を及ぼしている・・・

 オンタリオ湖の汚染魚を食べていた女性から生まれた子どもたちには
 ラット同様、ストレスへの過剰反応が見られた・・・

 汚染被害にあった島で、子育てがなおざりにされていることが確認された・・・

 とは言え現時点では、ホルモン作用攪乱物質が
 人間の社会や行動に厄介な問題を引き起こしているのかどうか、
 もしそうだとすればそれはどの程度深刻なのかについてはまったくわかっていない。
 
 (中略)しかし、動物実験からは、発育期にこうむった有害化学物質の影響が、
 その後も学習能力や行動に影を落とすという事実が明らかになりつつある。
 ホルモン作用が攪乱されると、縄張り意識のようなある種の行動傾向が増すか、
 親なら当然果たすべき監督と保護といったごくふつうの社会行動がとれなくなる可能性が出てくるのだ。
 こうした動かぬ証拠がある以上、化学物質による汚染が、
 現代社会に蔓延しつつあるゆがんだ行動をもたらす要因であると考えねばならない。

                            テオ・コルボーン「奪われし未来」第13章より

ザビエル思う : この本が日本で翻訳発行されたのは1997年である。
          厚労省は真面目に取り合っていないとしか思えないが、と。

欧州大洪水と地球温暖化
 (前略)複雑系では、明確な因果関係が証明できないことと、因果関係が無いこととは、
 同値ではないのだ。
 つまり「現段階ではそれが原因であるとは科学的に証明できない」からといって、
 「従って、それは原因ではない」と断定できないのである。

 (中略)今夏、ヨーロッパで大洪水が起こっている。
 100年前にも起こったのだから、地球温暖化とは関係ない、という議論になっているようだ。
 果たしてそうだろうか。地球温暖化が大洪水を誘発しやすい状況を
 作っているのかもしれないからだ。
 それは「科学的に証明」できないが、あり得ることなのである。

 私は、地球環境問題や生態系多様性のような複雑系に対しては
 「疑わしきは罰する」を原則とすべき、と考えている。
 人間の活動によって、たった50年ばかりの間に大気中の二酸化炭素量が
 15パーセントも増えたのは事実であり、今後100年間で最低1.4度も気温が上昇するのは
 地球史において異常事態であることは事実なのだから。
           池内 了「複雑系にみる『科学的証明』」朝日新聞(2002.8.26)夕刊より

ザビエル思う : ページを間違ったわけではありません。
          環境ホルモン作用も複雑系ですよ、と。

環境ホルモンの胎児への影響 毎日新聞(1998.12.24)

ザビエル思う : 遅い!もっと重視しても良い。池田付属小の犯人宅間
          水銀の影響を受けていないとは誰も断言できない!と。

毎日新聞「幼児虐待」記事(過去2年間)検索結果の画面です 毎日新聞(2002.8.23)

ザビエル思う : なんと2年間に50件発生している。50年前なら10年間に1件起きたかどうか
          という事件だ。こういう親が増えたのは環境ホルモンの影響ではないと
          誰が断言できるだろう? テオ・コルボーンは早くからこのことを
          指摘しているではないか、と。

児童虐待防止「SOS」電話が急増
 
急増する児童虐待対策として、京都市が昨年から始めた24時間対応の
 「SOS」専用電話への相談が、2001年度の約9カ月間では、延べ195件あった。
 うち直接の相談者が特定できた約110件のうち、母親が46件で最も多く、
 近隣や知人が26件、警察13件、家族(母親以外)10件などの順だった。
 時間別では、平日の夜間が101件で大半を占めていた。

 さらに、本年度になってから月間約30件(前年約20件)とハイペースになり、
 4〜7月末ですでに相談は117件に達した。
 このうち、母親からの相談が約6割の74件、夜間が9割を占め、
 前年度を上回るペースで増えている

 市児童相談所によると、母親からの相談は、夜間に思い詰めたような口調で、
 「自分の行動が虐待だと分かっているが、どうしたらいいか分からない」
 「今にも子どもに手を出しそうで不安」などと話したり、
 育児の悩みを打ち明けたりする例が目立つという。
                           (2002/08/29)人権ふらっとHPより


ザビエル思う : 急いで、何とかしなければいけない、と。