横峰へんろみち  (強い雨の日は避けよ 滑りに気をつけよう)

 05.8.27.栄家旅館宿泊。翌28日、横峰寺経由香園寺へ向う。
結論を先に言えば、この山越えの道は【安全なみち】であり【危険なみち】である。
ここを歩くへんろの判断と勇気が両者を分ける。つまりは貴方の心掛け次第、ということである。

 宿を出て石鎚丹原線を横峰寺へと歩き出す。松山自動車道の下をくぐり、馬返しを過ぎた辺りか
ら道路は妙之谷川と並行するようになる。川は道路の右側を走る。川向こうの杉山の崩壊が目につ
くようになる。

道路も何ヵ所か水に抉られ大型車の通行は不能、崩落箇所にって斑な紐が危険を指示している。
で山側を歩くのも、縁まで寄って下を覗き込むのも、それ貴方の心掛け次第である。
縁が崩れて川底に落ち込めば、大怪我をするのに充分な高さがあるからだ。 

 標高300にある【四国の道休息所】までは台風災害の爪あとを遠くから眺めている感じである。
ここで一服、愈々細い谷川に沿った小径に入る。
根元を綺麗に洗い流した杉の大木が、何本も倒壊している。径に架かるものは切断されているの
歩くに不便はない。しかし歩きなれたコンクリートの小橋は全て流れてしまっている。
恐らく土石流によるものだろう。へんろ道を知らせる石柱も頭を川底に突き立てもがいている。

流れた橋の上流へ俄か造りの急斜面を登り、倒木に板を打ちつけ、これまた俄か造りの橋で3m
先の岩場に渡る。 
橋も無く、流れの中に頭を出す石を渡らねばならぬ場所もある。
時間はかかるが、気をつければ横峰寺まで歩けぬ道ではない。但し雨が降り水かさが増えたら
【歩けるみち】ではなくなるだろう。それはお天気次第になる。

 横峰寺から香園寺までの下り、充分に歩けるみち。

 以前は【絨毯のみち】と密かに名付けていたのだが、その面影はない。小枝や落ち葉の堆積物
は雨に流され、川のように窪んだ堅い地表には、流れに負けなかった小石だけが蹲っている。
斜面では、彼等に足を掬われる。

ここにも倒木はあるが、邪魔にならぬように片付けられてある。だが親指大の枝はそのまま、
右足で踏んで左足を引っ掛け、転ぶことのないように……

 谷の深い何箇所かに、みちの中ほど1p〜1.5p幅の亀裂がずっと続いていた。
やがて落葉に隠れて見えなくなるだろう。崩落は大雨と地震。雨は予知できるが、地震は不可。
諦めるしかない。
谷の深い場所は山側を早足で通り過ぎる。対応策はこれ位しかない。

 標高745から略285m下った地点、採石場を経て宝寿寺に至る分れみち。
宿で得た情報の通り、通行止めの表示があった。

 香園寺奥の院。舗装道路に出る直前の谷は、崩落した岩が重なり合っていた。以前の風景は
思い出すことが出来ないほど、石で埋め尽くされていた。振り返ると山肌がざっくりと抉り取ら
れ、崩れ落ちた岩石が谷を埋め尽くしている。一筋汚れた石肌がうねって、それとなくへんろの
通るべき道筋を指し示している。

 その石の頭を踏みつけながら緊張の連続。随分と長い石との格闘のみちであったような気もし
たが、その距離は思い出せない。

 コンクリートの車道に立って、ホッとしたのは確かである。

 横峰寺を越えるへんろみち、少し時間はかかるが【安全なみち】と言っても間違いはない。
横峰寺を越えるへんろみちは、細心の注意を必要とする【危険なみち】と言っても嘘ではない。

(写真は掲載いたしません。近くに崩落現場はありましたが、直接遍路道寸断するものではな
かったからです。70歳を越した老人が13kgの荷物を背負い、舗装道路ではアキカンを拾いながら
無事香園寺までたどり着きました。ご参考まで……)


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