郵政省「国際ボランティア貯金」
平成10年度「国際協力に関する作文」コンクール
中学・高校生部門
入賞(貯金局長賞)作品

地球環境再生植林フォーラム'98タイ国チャンタブリ県(山梨県)班 参加者


山梨県立石和高等学校 2年
山下 菜見子

笑顔のふれあいから

 私は、ボランティア活動に積極的に参加したいと思い、タイの植林フォーラムに参加しました。そして多くのことを学びました。

 何も分からなかった私は、マングローブというものも知りませんでした。マングローブというのは、海岸沿いに植えると、勇ましい根がはり、その根のおかげで、貝や海老が住むようになります。そのマングローブをタイのチャンタブリという所へ植えに行きました。

 日本からのボランティア三十七人と、現地の人四百人もの人達と三日間、植えました。
大勢の人達との交流がありました。最初は、言葉も何も分からなかったので、とまどうこともありましたが、その場で教えてもらったあいさつの言葉をかけると、笑顔で答えてくれました。

 私は、一人の女の子と二日間、一緒にいました。お互いの言葉が分からないので、話をすることは、ありませんでしたが、女の子は、笑顔で、私と接してくれました。二人仲良く手をつなぐと、気持ちがやさしくなり、一緒にコトコトと歩いていると、まるでその足音で話をしているかのようでした。そして休憩になると、私に水を持って来てくれたりして二人は姉妹のように一日中一緒にいました。

 別れの日、女の子はずっと笑顔でした。私も笑顔でさよならを言おうと思っていましたが、最後、二人だけで写真を撮った瞬間、お互いに涙を流し、抱き合っていました。何もせず、ただ一緒にいただけだったのに−−。
私は思いました。言葉じゃない心だと・・・。

 今年の夏、私はタイへ行っていたとき、誕生日を迎えました。たった一人、七月に誕生日を迎える私を、タイの人達は、ケーキやプレゼントを用意してくれて祝ってくれたのです。私は胸がいっぱいになり、うれしさのあまり泣き出しそうでした。まったく知らない日本人、ましてや、ボランティアとしてタイへ行ったのに、いいのだろうか。私は胸が痛みましたが、タイの人達は笑顔で祝ってくれたのを覚えています。

 私にとって大変だったのは、食事でした。臭いが強くてあまり食べていませんでした。

 こんな辛いこともありましたが、一週間という長いようで短い間、言葉では表すことができないほど、すばらしい体験をしました。そしてタイの人達は、誰もが幸せという感じでした。しかし日本人と違うのは、お互いに食べ物をわけるということでした。だから、一人ずつに同じだけの数のものをあげる必要がありました。でも心はキレイでした。

 私は、一歩大人になった気がします。そして今の地球環境について考えさせられました。破壊するのは数分だけども、もとに戻すのは何千年もかかるのです。自分達の生活のために、自分達の未来を捨てているのではないでしょうか。自分にできることをやっていくようにしたいです。
また、タイへ再び行って大きくなったマングローブを見に行きたいです。
女の子にも会いたいです。


 この作文は、全国の各郵便局に配布されている「国際協力に関する作文集」(平成10年度)に掲載されています。
 郵便局に行ったとき、ちょっと探して読んでみて下さい。(83ページ目に掲載)

 このコンクールの中学・高校生部門には全国から14,870点の応募がありました。
その中から、43点が入賞しました。その1作品(作文)です。