| フィリピン・ネグロス島農村視察団 '99 参加報告書 |
報告:中野與
1、期 間: 平成11年8月3日(火)〜7日(土)4泊5日
2、主な目的地 : フィリピン・ネグロス島
1,オイスカ バゴ研修センター
2,オイスカ カンラオン研修センター
3、視察目標
オイスカの代表的な二つの海外研修センターを訪問して、オイスカ活動とその理念について研修する。
5、日 程
| 月日 | 時間 | 内 容 | |
| 8/3(火) |
01:00〜 08:30〜 10:45 13:55 16:30 17:20 |
集合(バス乗車) オイスカ高校(4名)→掛川農協(3名) →袋井I・C(8名) 関西空港到着(3名合流)、結団式 関西空港発 マニラ着(到着時、雨) マニラ発 バコロード着、ホテルへ移動 夕食会 バコロードシュガーランドホテル泊 |
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| 8/4(水) |
午前 午後 |
バコロード慰霊塔参拝 バコロード市博物館見学 西ネグロス州知事表敬訪問 バゴ研修センターに移動、昼食 カンラオンへ出発 途中ポンテベドラ市ジョベン市長訪問 (市長は研修生OB) カンラオン市長表敬訪問 (市長不在、代理面会) カンラオン研修センター到着 茶の苗木植樹 歓迎夕食会 (歌・ダンス・ピアニカ演奏) カンラオン研修センター泊 |
写真報告(1) |
| 8/5(木) |
午前 午後 |
点呼、体操、研修生紹介、朝食 研修センター・モデル農場見学 慰霊碑参拝 センター出発 市内市場見学、レストランにて昼食 マスログ小学校訪問 (ピアニカ演奏) バゴ市へ出発 バゴ市長表敬訪問 バコロードシュガーランドホテル泊 |
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| 写真報告(2) | |||
| 8/6(金) |
午前 午後 |
バコーロド市内にてショッピング ビスタ アレグレ小学校訪問、同校で昼食 ホテルにて着替え バコロード市タングブ地区海岸にてマングローブ植林 前バゴ市長訪問(団長他数名) バゴ研修センター見学 お別れ夕食会 バコロードシュガーランドホテル泊 |
写真報告(3) |
| 8/7(土) |
09:30 10:30 16:30 21:20〜 |
バコロード発 マニラ着 マニラ発 関西空港着、解団式、バスにて静岡へ移動 |
6、概要及び所感
今回の視察団は奥之山団長の希望により組まれたが、その結果、奥之山団長のつてなどで地域的にまとまったオイスカへの意識が高い、農業にたいへん詳しい年配の男性が中心となった。これに、新居の母娘の方や京都の立命舘大学の女子大生3名が加わるなど、バランスの取れた構成となった。
初日順調にバコロードまで到着し、2日目は戦時中ネグロスで亡くなった日本人のバコロード慰霊塔への参拝が最初のスケジュールとなった。幸い建部先生が神社の宮司であり慰霊祭を行なっていただいたが、これが、祝詞をはじめ誠に立派な慰霊祭で、準備も相当御苦労されたであろうことと、英霊の心に想いを馳せて、参加者の多くが感動し、団長もご挨拶で感極まっていた程であった。
州知事表敬訪問を終え、次にポンテベドラ市のジョベン市長を訪問した。市長はオイスカ研修生OBで中部センターにいたおり、今回参加の西岡さん宅を訪れたことがあるそうで、その西岡さんの顔を覚えていた(西岡さんは忘れていたが途中で思い出す)。後から聞いた話によると、市長にはネグロス島最大の実力者コ・サンコ氏の後ろ盾があるそうで、今後の活躍が期待される。
約2時間半の道程を経てカンラオン研修センターの見事な大農場が視野に入ると、皆から感嘆の声が漏れた。ここは、私にとって23年ぶりの訪問だったが、当時30町歩ほどだった農場は見事に開発が進み、現在 170町歩ほどの大農場になり、溜め池や精米機など施設設備も充実し、有機農法にも取り組んでいた。そして何よりも、カドハダ所長以下現地スタッフが、古川イズムをそのまま継承して立派に農場と研修センターを運営しているのに驚きと感動を覚えた。スタッフも立派な宿舎に住み、 生活レベルの向上をうかがわせた。しかし、病害や生産している日本米に対抗するアメリカ米との競争など多くの問題を克服しながらの大規模経営なので、その苦労はカドハダ所長の表情からも読み取れた。
以上の話を交えながら参加者に古川外男氏とご家族について私からも語らせてもらった。モデル農場開発と住民の意識改革や人づくりにかけた志。情熱と苦闘の一生。その辺の苦労を参加者は農業の専門家が多いだけに、皆さん敏感に感じ取られているようだった。そして、住民の古川一家へ寄せる想いも。
研修センターの一角に古川一家手造りの慰霊碑がある。ここに古川夫妻を慕う住民が夫妻を偲んでお参りするそうだ。ここでもバコロードの慰霊塔と同じように慰霊祭を行なっていただいたが、その時物すごい強風が吹いた。建部先生によると、「よく来てくれた、有難う」という英霊の声が感じられたそうである。まさにそのような雰囲気を感じさせる風だった。
ここを単なる農場経営ではなく、オイスカの人材育成の拠点として考えた場合、まだまだ発展の余地があり、そのためにももっと日本人に来てほしいという願いがセンター側にもあるようだ。1年前に宿舎の南側の田圃(そこは私にとってカラバオの糞と土を素手で拾って畦塗りをした思い出がある)をつぶして池付きの大きな庭園を造ったのも、少しでも日本人客をもてなしたいという思いからだったという。
この造園の際、誤ってお茶の木を伐採してしまったらしい。これを聞いた建部先生が小澤さんに協力を依頼し、今回お茶の苗木を日本から持ち込み、早速庭園前に植えていただいた。真心のこもったお茶の苗である。何とか無事に育ってくれることを祈りたい。
3日目と4日目に二つの「子供の森」支援の小学校を訪問したが、いずれも全校の児童・先生総出の大歓迎で、参加者はみなびっくりである。西岡さんが10年前に訪問されたときにはこのようではなかったという。それだけ、渡辺所長はじめスタッフの方々の努力が成果と厚い信頼を得ている表れであろう。
こどもたちは表情が明るく、こちらのちょっとした仕草にも大喜びするなどたいへん純朴で可愛げがある。坂中副団長がお土産にもってきたピアニカを立命舘の学生が吹奏し、建部先生が手作りの竹とんぼを子供たちと共に飛ばしてみせた。団長も愛敬たっぷりにおどけてみせ、谷口さんも得意のバック転を披露してみせた。いづれも大受けで逆に日本人が感激していた。
バゴ市長には全員で表敬訪問し、戸塚先生の英語のスピーチに一同感心していたが、渡辺所長の案内で奥之山団長、戸塚先生、中野の4人で前市長(現市長のご主人)にも挨拶に伺った。病気のため車椅子に乗るなどやや衰弱していた。ご家族から3ヵ月ホームステイしていた沢井氏の話がなつかしそうにでていた。
4日目のマングローブ植林では、バコロード市内のタングブ地区の海岸にメヒルギ約8,000本を地元の子供たち約百人と共に植えていった。前日に、10年前に植林されて立派に成長したマングローブ林を見学していたので、初めての人でもこの苗がどのようになるのかを予想しながらできたので意識がより高まったようである。
子供たちは活発に良くやってくれた。地元の村民たちは遠巻きに眺めているだけなので余計に子供たちの頑張りが目立った。これに励まされて日本人も年配の方が多いにもかかわらず、手際良く作業が進んだ。日本語で怒鳴りながら子供たちをリードした団長もあっぱれだった。
最後はオイスカバゴ研修センターの視察である。ここは約10年前にオイスカ静岡県支部の協力で建てられたセンターで、静岡県の会員さんには縁の深いところである。ここでも渡辺所長夫妻以下、通次団員、小林団員やスタッフ、研修生の暖かい歓迎を受けた。
稲作、畑作、養豚、養鶏、デイ ケア センターなど幅広く研修や農村造りに取り組んでいるが、特に驚かされたのが製糸工場を備えた養蚕センターである。ここまでたどりつくのに、住民の意識改革とともに桑の栽培や蚕の育成に粘り強く取り組まれた渡辺所長やスタッフの苦労は相当なものであったろう。日本からの協力ももちろんあるが、それを引き出し、フィリピン政府や海外の協力団が実現できなかった住民の手による地場産業の振興を成功させつつある。これぞまさにNGOオイスカの面目躍如たるものであろう。
今回の視察は天候にも恵まれ、スケジュール、参加者の体調等ほぼ問題なく順調で、参加者の感動や喜びも大きく、所期の目標をほぼ達成できたのではないかと思う。これも日比双方のオイスカスタッフの努力と、参加者に本当に真心いっぱいに取り組んでくださった方が多くいたお陰と思う。心から感謝したい。そして今後のネグロスの両センターの益々の発展を祈念して報告を終えたい。
以上