酸性雨の研究


 東部町内の酸性雨調査 
              東部中学校科学部自然課
               2年 長岡宏樹、深井香奈恵、柳橋佳奈、堀 茜、清水愛子
                  五十嵐克之 荻原稔
              1年  田畑美咲、小林美智代
               3年 西川博文、高見沢義彦
1、研究テーマ 東部町内の酸性雨調査

2、動機
 近年、酸性雨による問題が多発し ています。雨の水はもともと、空気中の二酸化炭素が含まれているため弱い酸性です。しかし最近、自動車の排出ガスや工場からの煙によって、強い酸性の雨が降るようになりました。 この酸性雨による被害が世界中で重大な環境問題として取り上げられているのです。私たちが住む東部町にはいったいどのくらいの酸性雨が降っているのでしょうか。東部町の環境を守るために、できることから始めてみようと思いました。{酸性雨とは}何も含んでいない純粋な水は中性です。自然の雨は空気中の二酸化炭素が溶けているため約PH5.6を示します。しかし、おもに石炭や石油が燃える事により出来る「硫黄酸化物」や、「窒素酸化物」という物が雨に溶けることによって強い酸性の雨が降ります。このような自然の雨の約PH5.1より強い雨を酸性雨と呼びます。{基準}中性は、PH7でそれより小さい数字の場合が酸性です。この数字を酸性度と言い、0に近づくほど強い酸となります。{影響}
(1)外国の代表的な現象や被害酸性雨による被害が世界的に有名になったのは、ドイツの黒い森といわれるシュバルツバルトの被害です。そこでは、モミやトウヒなどの針葉樹が黄色に変わり枯れてしまう木が相次ぎました。その原因が酸性雨であり、工場や自動車から出される「硫黄酸化物」や「窒素酸化物」だったのです。このほかにも湖や沼が酸性となり、魚が死滅するなどの被害が報告されています。これらの地域は、PH4.0〜4.5の酸性の雨が降ったと記録されています。
(2)日本の酸性雨が原因と思われる現象や被害@関東一円の杉が枯れる現象Aコンクリートが酸性雨によって溶け、つららのように垂れ下がる現象Bあさがおの花などに斑点が見られる現象(あさがおの花がリトマス紙と同じ働きをしているのです。)

3、研究問題
@東部町では、どのくらいの濃度の酸性雨が降っているのか。(単位PH)
Aどこから来た雲の時に、強い酸性雨が降りやすいか。(天気図使用)
B久しぶりに降った雨と、2、3日降り続いた雨で酸性雨の濃度(PH)はどうちがうか。
C降り始めと、降り終わる前とで、酸性雨の濃度(PH)はどうちがうか。
D強い酸性雨が降ったときは、どのような被害をうけるか。
E酸性雨を減らすには、どうしたらよいか。
F冬と夏とのPH値のちがい。
4、研究に対する予想
@酸性雨は工場の煙や、排気ガスが多いほど強い酸性になります。東部町の6割が森林のため酸性雨は平均PH5くらいではないかと予想されます。
A東南アジアの方から来た雲より、中国の香港の方から来た雲の方が、工場の煙などをたくさんふくんでいると思われるので、酸性雨の濃度が高いと思われます
B雨が降り続くと、酸性雨の濃度が分散されると予想されます。したがって2、3日降り続いた雨より、久しぶりにふった雨のほうがPH値が高いと思われます
C降り終わる時の雨より、降り始めの雨のほうに酸性濃度が集中すると予想されます。
D強い酸になると、髪の毛や皮膚、鉄や、銅などをとかしてしまう力を持っていますが、酸性雨には、そのような強い酸は含まれていないと思われるので、酸性雨の被害は、東部町内ではあまり、ないのではないかと予想されます。
E工場からの煙を少なくする。排気ガスをあまり出さないなど、一人一人の努力が必要であると思います。F夏は冬と違い交通量が多いため酸性雨の原因となる排気ガスがたくさん出ますそのため夏と冬では、夏の方がPH値があるのではないかと思われます。

5、実験方法
@レインゴーランドに雨をためて、PH値を調べる。(図1)


このような装置を使って雨を集めてPH値を調べます。これにはカップが8つあり1カップは1ミリの雨がふると、たまります。(8カップなら8ミリの雨) (降雨量)
A雨が降った日より3日前の天気図を集め、どこから来た雨か、調べます。
B今までのPH値をグラフに表して考察します。
CカップごとにPH値をはかり、考察します。
D酸性雨な関する本を使い酸性雨の影響について調べます。
E酸性雨の原因を調べます。
F今までの結果をグラフにし、考察します。



6、結果
@東部町ではどのくらいの濃度の酸性雨が降っているのか。

注1、すべて平成10年に行ったものです。 ※掲載以外の図略注2、グラフの横軸は、ml 縦軸は、phを表します。
A3日前の天気図からどこからきた低気圧(前線)の雨が酸性度が高いか調べるa.中国大陸からきた雲の雨 b太平洋に停滞した前線の雨のph のph(4例) (4例)c.シベリア日本海からきた雲の雨のph (4例)
青〜3日前 緑〜2日前 水色〜あめの降った日 ※図略

Bひさしぶりに降った雨と2、3日降り続いた雨で酸性雨の濃度はどうちがうか

C降り始めと降り終わる前とで、酸性雨の濃度はどうちがうか。

D冬と夏とのPH度のちがい ※図略

7、考察
@東部に降る雨のPH値の平均は4月6日〜7月10日に降った雨〔5、0〕です。PH5、1以下の雨を酸性雨というので、東部町に降る雨は、酸性雨と言えます。
A大気汚染が進んでいる慶州などからの雲の時にPH値が高いということがわかりました。
B雨が降り続いた日と、ひさしぶりに降った雨とでは、あまりちがいがみられないので、この2つは関係ないと思われます。
C4月6日〜7月10日まで15日の降雨があり、そのPHを測定することができた。予想では降り始めのほうが空気中の物質を多くふくみこむので酸性度が高いと思ったが実際こうなったのは、15例中4例であった。この事より酸性雨は雨となって降る途中、空中で酸性にする物質をとりこむのではなくすでに雲の水てきになるときにその土地の大気から酸性になる物質をとりこみ15例中3例※は、積乱雲による夕立ちの雨であるが、いずれも酸性雨ではないし、これは夕立ちを降らせる積乱雲がここ東部町で発生したためだと思われる。東部町にはばい煙を出すような工場がほとんど無いので空中の汚染物質がそれほど多くないのではないかとおもわれる。
D500グラムの水に濃塩酸、約1、5滴をたらすとPH4の塩酸水溶液になるこの液にマグネシウムリボンを入れると、非常に細かいあわを出して溶けた。PH4の塩酸液にメダカを入れると動きがはげしくなった。アジサイの葉とオオバコの葉に雨のような水滴にしてかけて1週間様子を見たが目でわかる変化はしなかった。したがって、東部町に降る酸性度の雨では、植物に、短期的に目に見えるような影響はないものと思われる。
E酸性雨をへらすには酸性雨の原因となる工場や自動車から出される「硫黄酸化物」や「窒素酸化物」を減らせれば良いと思います。そのためには、自動車を必要なとき以外乗るのはさける、アイドリングはしないなど出きる事からはじめられます。また、工場の煙はキレイにしてから大気にもどすという、業者の協力も必要です。またAからわかるように、中国大陸から雲がきたときの雨の酸性度が高い。これは、中国の工業地帯での大気汚染防止や日本からの防止対策の輸出などが必要だと思う。
F夏と冬では予想とはちがい冬の方がPH値が高かった。それは、冬は中国大陸からの季節風のため、中国の工場地帯の大気汚染物質を多く含んだ大気がやってくるためだと思われる。

8、まとめ・反省
 私たちがこの研究をやってみて、ここ東部町でも酸性雨が降っていることがわかりました。東部町に降る酸性雨と同じくらいの酸性水を作って植物にかけたり、メダカをいれたりしてみました。いずれもすぐに影響はでませんでしたが長い間にはおそらく悪い影響が出ると思います。また酸性雨の原因は複雑で、この研究では中国の方からくる雲がとくに酸性度の高い雨を降らせる傾向があります。雲は、国境をこえてくるので酸性雨を防ぐには国際的な協力が必要なことが分かりました。当然、東部町に降る雨は東部町の大気をとかしてくれるので、東部町に住む私たちもアイドリングをやめたり有毒物質を発生するものを燃やさないなどの心がけが必要だとおもいます。ひとりひとりの心がけが大切ということがわかりました。私たちひとりひとりの小さな心がけで酸性雨が防げるのです。今、できることからはじめましょう。 私たちがこの研究をやっての反省は、酸性雨を集めて、試験薬を使って調べたときに、結果がバラバラだったり、色が変色してしまったりと、ハプニングもあり大変でした。まとめをするときは考察を考えるのも大変で、ペンでなぞる時もみんなで交代しながらやったりと、協 力しあいながらできてよかったです。私たちは、この研究に全力をつくし楽しくできたと思います。つづけて東部町の酸性雨の状況を見守って行きたいと思います。

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