≪私家版世界珍獣図鑑≫
「図鑑」と銘打ちながら図はありません

第1回

イボイノシシ


偶蹄目/イノシシ科
体長145〜190cm/体高65〜85cm/
体重50〜150kg
寿命:飼育下のもので12年半の記録がある(ロンドン動物園)
特徴:ひざまずいたままの姿勢で前進しながら餌をとる/木の根、草、果実などを食べる/アフリカの草原地帯にのみ分布


イボイノシシこそは珍獣図鑑の冒頭を飾るに相応しい。
私がイメージする「珍獣」にもっとも適合するのが、このイボイノシシである。

広辞苑によると、「珍獣」=「数が少なく、外形や生態が珍しいけもの」とある。私なりの定義では、ここに「マニアうけする」という要件も追加したい。中川志郎氏は、その著「珍獣図鑑」(新潮社)の中で、コアラを珍獣の一つとしてとり上げているが、私の定義ではコアラは珍獣ではない。なぜなら、コアラは動物園で過保護なほどに珍重され、あまねくその存在が知れわたっているからである。コアラは決して「マニアうけ」していないのである。(注1)

イボイノシシはどうか。
日本でも結構いろいろな動物園で飼育されているのだが、一部のマニアをのぞいてほとんど愛されていない。しかしながら外見のインパクトはおよそ地球上の生物のものとは思えないほどである。三日月型のキバ、長さのバランスを欠いた前後の脚、そして目の横、鼻の下に突き出た4本のイボ(コブ)、これらは「進化論」をはじめ多くの科学理論の常識を越え、今なお研究の対象となっているのである。

しぐさも愛らしい。
尻尾を垂直に立て、親子一列になって、小走りで移動する姿をひとたび目にすれば、きっとあなたもイボイノシシマニアになることだろう。

(注1)「そもそもコアラはただの小型熊(正確にはクスクス科)です!あそこまでかわいがる必要などありません!動きがトロイからかわいい?馬鹿言ってはいけません。コアラは夜行性です。夜、人目につかないところで俊敏に活動する陰険なコアラをみんな知らないんです。みんなコアラに騙されているんです。餌にしても、350種類もあるユーカリのうち、わずかに12種類しか受けつけないというではありませんか!この不況下に、こんな贅沢な話が許されていいのでしょうか!『コシヒカリしか食べない』って言ってるのと同じですよ!」と言いたい。


次回の珍獣は「ホッキョクグマ」です


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