突撃取材!いま明かされる動物王国の実態!

「岐路に立つ動物王国」

特別取材チーム補佐官 藤川ゆり(仮名)



動物王国が初めてテレビで放映されたのは、私が小学生のときである。あれから長い月日が流れ、番組はかつてとは全く異質のものになりつつある。

最近のムツゴロウ氏を見ていると、「痛々しい」としか言いようがない。それは決して、ライオンをてなずけようとして失敗し、首を噛まれるムツゴロウ氏の姿を見る「痛々しさ」だけではない。確かにそれも痛々しいが、もっと痛々しいのはムツゴロウ氏とお茶の間との乖離(ギャップ)である。お茶の間が求めるのはつねにスリルであり、冒険であり、笑いである。ムツゴロウ氏が今さらキツツキやオオアリクイを手懐けたところで、番組としては成り立たないのだ。いきおい手懐ける対象はエスカレートすることになる。そして、ある瞬間から、そこで繰り広げられるドラマは「涙と感動」を通り越して、「笑い」へと変化してしまうのだ。いまや誰一人、ムツゴロウ氏の発するメッセージをストレートに受け取っているものなどいないだろう。ムツゴロウと言えば「犬になめられる前に、犬をなめてしまう変なおじさん」に過ぎなくなったのだ。もちろん「笑い」の対象になったのは、ムツゴロウ氏にとどまらない。いまや「動物王国」そのものが危機に陥っていると言ってよい。

いまこそ動物王国は、その建国理念を見直すべきである。動物王国とはいったい何なのか。「愛情あふれる畜産農家集団」なのか「有閑ペット愛好家集団」なのか、はっきりさせるべきである。その点を疎かにしたままメディアを受け入れ、「自然回帰」「自給自足」「動物との共生」などと歯の浮くことばかり唱え続けても、もはや誰も共感しないだろう。

「番組の視聴率=醜態をさらした率」であることに、早く気づくべきである。

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