「心の処方箋」(1998)河合隼雄 新潮文庫
読了 2003.11.22
※まず、下の画像がなんなのかを想像してからお読みください。


はじめはぬるい本だと思って読んでいたが、適度なぬるさで身体の芯が温まるという半身浴効果、
もしくは身体より心が温まるという温泉効果を持った本だった。
ただ、長くは浸かっていたくないな。
何となく、三島由紀夫の「不道徳教育講座」に似ている。
一般常識とは真逆のことから話題をはじめて意表をつくが、読んでいくとなるほど一理あると思わせられる。
河合氏本人も、「この本は今や常識が希薄だから常識を書いた」と述べている。
話の内容等が抽象的で一般論すぎてオブラートで包んだような感は否めないが、心の解明に対するベクトルの方向は正しいと思う。
画像的に表すと、

である。これは冒頭の2枚の画像のうちの上の画像である。
いまいちはっきり「心」とは読めないが、「心」に興味があり、漢字が読める人がよく見るとそう読める。
心について書いた本では、中には一見「心」ではあるがよく見ると違うものもある。
画像的に表すと、

である。これは冒頭の2枚の画像のうちの下の画像である。「必」と書いてある。
まがい物の心についての本では、著者本人はわざと「必」と書いてぼかしていたり、
または純粋に「心」と書いているつもりで間違っていたりもするので注意が必要である。
そしてそれが達筆だったりすると、ころっとだまされかねない。
権威のある偉いセンセだと、多くの人がそれは正しいんだろうと勝手に思いこんでしまいかねない。