all about natriuretic peptide of CHF

atrium natriuretic peptide

1984に心房の筋肉が分泌顆粒を含有しており、食塩摂取の増加や細胞外液の増加の際に増量し、この心房の抽出物を投与することで、ナトリウム排泄が促進することから発見された心房由来利尿蛋白である。
心不全(主に僧帽弁閉鎖不全症)において、収縮期における左心室から左心房への逆流量と血液濃度が正の相関をしめすことから、病態評価における指標の一つとされている。そもそも、細胞外液(体循環血液量)の増加あるいは心房筋の伸展圧の増加が刺激となり、心房において産生・分泌されるとされている。
主な作用はナトリウム排泄と利尿である。

brain natriuretic peptide

1988に豚の脳細胞より分離される。後に、人では脳内に存在しないことが明らかにされるが、名称は変わらずBNPのまま。しかしながら、人においては、主に心室おいて産生されることが示されている。ANPが心房において産生される一方で、BNPが心室で産生されることには、何らかの相関があるのかもしれないが、今のところこの局在にたいして目立った解釈はない。
BNPもANPと同様に、心不全における病態の進行と正の相関を示すことが示唆されている。最近獣医学領域でも、心不全時のANPとBNPについての比較研究が行われたものの、ANPとの感度に際だった違いはないため病態指標としての利用価値に有意差はなさそう。
作用に関しても、ANPと同じとされている。
際だった違いとしては、BNPについては利尿効果をもたらす薬剤としての利用が可能なこと。これに関しては現在臨床試験段階まで進行中。

c-type natriuretic peptide

1994血管に存在する利尿蛋白として発見される。後に、脳における存在も確認されるが、詳細は不明。

all about ANP

1984にANPが副腎皮質におけるアルドステロンの分泌を抑制することが明らかにされた。心不全時に心房から分泌される蛋白が副腎皮質においてナトリウム保持に作用するアルドステロンの抑制に作用することは生理的な恒常性を維持する上で有用なフィードバック機構であるとされた。また、アルドステロンが正のフィードバックをもって、アンギオテンシン変換酵素のアップレギュレートを果たすことからも、心不全時に生じるrenin-angiotensin-aldosteron system(以下RAAs)の活性化による病態の増悪に対して負のフィードバックを掛けるように作用するとされる。
最近の報告では、副腎皮質で産生されるとされていたアルドステロンが心筋細胞においてもその分泌細胞の存在が発見されている。それを受けるかたちで、心筋より分離した細胞にANPおよびBNPを暴露すると有意にアルドステロン産生が抑制を受けることが明らかにされた。このため、心臓局所でのフィードバック機構の存在が示唆されている。