12月2日(月曜日)
寒さが深まるにつれ年末が近付いてくる。紅白の出場歌手が発表されたり、歳末大売り出しが始まったり、最近ではプリンタの宣伝合戦もこの時期の風物として定着した感がある。
診療をしていても何となく年末を一段落として考えている。「年末に一度状態を見ておいて、安心して年を越しましょう。」というわけで、年末に向けて加速度的に忙しくなっていくのが昨年迄の生活。でも、結局病気には年末なんて関係なくって、歳末努力の甲斐なく病院で新年の生活のほとんどを過ごしたのは去年のこと。
心不全、不整脈、高血糖不確定要素いっぱい。今年はゆっくりと実家で新年を迎えることができるのか?
12月6日(金曜日)
最近久しぶりに出会う人に必ず言われる一言が「痩せた?」。
もともと痩せ体質なので、痩せていることを指摘されるのは常である。ところが、以前3ヶ月ぶりに会った人に少し肥えたのではないかと言われた経過があったので、周囲の言葉と差引して、元に戻ったぐらいに思っていたのだけれど、先日6ヶ月ぶりに会う人にやっぱり「痩せた?」と言われてしまった。結局、昨年よりも痩せてきているのかもしれない。かといって、食べていないかというとそうでもなく、昨年と比較するとよく食べている方であると思う。
食欲があるのに体重減少中。あまり診たくない動物の禀告。
12月18日(火曜日)
前回、書いたからというわけではないが、”食べてるけど何となく元気のない”猫がやってきた。ってことで、昨日手術。
洗濯すると雨が降る。ではないが、術後の管理は後手後手に回らないようにするのが基本と思っている。”ころばぬ先の杖”用意しておいて無駄になるのは、間に合わないよりましってこと。で、猫の体調に合わせて色々処置を行っていくわけだが、気持ちも重要。
でも、心のどこかで年末までに退院してって思っている。気持ちも洗濯すると雨が降る?
12月19日(水曜日)
いつの頃からかは定かではないが、比較的初期の頃から飼い主さんとのコミュニケーションは大切にするように心掛けている。この世界に入って3日目にこっぴどく飼い主さんに叱られたことも大いに関係しているところもあるとは思うが、とりわけそのようにしている。
一重にコミュニケーションとは言っても色々で、相手があることなので当然といえば当然なのだが、奥が深いと思っている。
そこで、最初に相対したときから何気なく観察するのが思考法。発想の起点が大まかに分けて理系か文系かといった感じ。基本的に二次診療なので、一次診療の段階で上手くいかなかった経緯があるために話は自然と長くなる。情報を得るのには事欠かないのが普通。話を聞きながら検査項目をイメージし、同時に対応の仕方もイメージする。ここで選択を失敗すると、検査はスムーズに終わっても説明の段階で会話が延々とメビウスの輪を描くことになって、莫大な時間が費やされてしまう。
で、様々な情報を得て、それなりに時間を費やして、紆余曲折を経た結果、飼い主さんの理解を得た手応えを感じつつ、飼い主さんの病気に対する理解度も十分と思いつつ、順調に維持していたリンパ腫の化学療法中に、
「で、いつになったら治るんですか?」と聞かれた時には自分の力の無さを思い知らされたりする。
12月25日(水曜日)
本当は今日がクリスマスなのに、世間ではもう終わったものとされている。
糖尿病の犬の血糖のコントロールをしている。決まった食事を決まった時間に与え、そして決まったように注射をする。そんな日常を構築する。
そんな規則正しい生活を少し寂しいなと思ったのは束の間で、自分の生活も限り無く似ていることに気付く。不規則なところといえば、昼御飯の無い日があることぐらいで、おおよそ毎日の起床から就寝までの時間帯は同じになっている。何ごともなければである。この時間割りを崩す何ごとかは、大抵の場合宿直という突発イベントぐらいで、どちらかと言えば避けたいところである。それを考えると、規則正しい生活を自ずから望んでいるということになる。
12月28日(土曜日)
本年度病院仕事納め。されど診察納まらず。
病気に年末がないようにやっぱり病院にも年末はない。わかっていはいても一抹の寂しさのようなものが感じられる。気を使って「先生もお休みでしょうに、すみません」などと言われると、諦めていた感覚が呼び戻されてかえって辛かったりする。
年末ということもあって、施設の人員が激減中。人陰を見ないという具体的な現象はなくとも、施設内の温度の低さでそれを感じる。どこに行っても寒い。基本的に電源が付いていないので、一つ検査するに際しての待ち時間が通常より長くなるのだが、暖房をつけるまでもないのと思い我慢する。結果的に検査を進めるにつれどんどん体温は低下していく。そして最後に一番人気のない薬局で調剤するのだが、手がかじかんで薬が上手く割れない。年末を寒さという形で一身に感じながら、もう終わりと思いつつ頑張る。
何とか診察を終わらせて、教室に帰るとやっぱり電気も暖房器具も付いていなくて、当然のように寒い。人気のない部屋に入って心も完全に寒くなる。お正月まであと4回の睡眠が必要だが、この寒い診療はもう嫌。