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標準和名とサヨウナラするとメキメキ簡単になる
たったの7種類しか居ない本土産のヌマエビ類。
しかし、そのうちの3種類が「どろっどろ」なのが、この国の淡水エビ情報の現状。
淡水エビの世界を今後も数十年〜半永久的に汚染し続けるものと予想されます。
標準和名を使うと「どろっどろ」に巻き込まれてしまうので、「使わない」という選択をすると楽です。
以下のような種名のつもりで見分けて、あとで、仕方なく標準和名と付き合うくらいが妥当な感じです。
※大きな改名のチャンスを逸したのは、今後の混乱の継続を意味しますからエビ入門者にはたいへんです。
「沼に居ないヌマエビ」は、あまりに使いたくない名前です(T.T)。名に似合わず容姿も綺麗ですし。
※この3種類の標準和名は、「使いたくないよーっ」と、おなかを掻き毟りながら使う物です(笑)。
気安く使える人はドロドロの知識のままか、ドロドロ解消後で、且つ観賞魚情報に縁がない人かも。
[A]
ミノジ・カワクダリ・コケツミエビ



ミの字川下り苔摘み蝦
1.胸の横に“ミ”のような斜め線が目立つ。(雄は「UFO墜落模様」)
2.小卵型・両側回遊種で、孵化した幼生は川を下って海で育つ。沼や湖には居ない、川のエビ。
3.四六時中、小さな四本のハサミでコケを摘んで食べ続けるエビである事


・“ミゾレヌマエビ”と呼ばれて売られるほど、白点や金点の目立つ姿。
※淡水エビの白点は混乱源となっている率が高いので、種名には不適当。
・眼は真横が基本。あまり離れた印象にはならない。
・このエビが観賞用の商品となった場合、学名にまでCaridina
leucostictaが使われる。
外肢や眼上棘が簡単に確認出来るので、誤まりの確認は簡単です。
学名を使っても混同されてしまう現在のエビ情報では、入門と共に混乱が植え込まれるのが普通。
[B] デメ・ナミウラフジ・マミズ・コケツミエビ



出眼波裏富士真水苔摘み蝦
1.「スジエビの子供」と誤解されるほどに真横の出眼。ヌマエビ類の中で際立つ離れ眼。
2.胸の横には単純な波裏富士に似た模様が目立つ。
3.中卵〜大卵で、淡水繁殖。沼でも湖でも殖える。海には降らない。もちろん川にも居る。
4.水草や石の表面のコケを忙しく摘んで食べ続ける行動から。


・額角上の鋸歯が多い個体・少ない個体が居る。
頭にまで棘が多い個体や個体群(主に西日本)が、上記[A]の種類と混同される例が多い。
これは、額角のギザギザが眼よりも前までか、超えて後ろまでかで分けていた頃の名残。
http://www.muian.com/muian08/08fugaku.html
富嶽三十六景 『神奈川沖波裏』
[C] ナミダハネ・カワシモ・コケツミエビ



涙撥ね川下苔摘み蝦
1.眼球から涙が流れたような模様が再び撥ね上がる模様を持つ。
2.小卵型で川にしか居ない種類。下流に多い種類なので長旅はしないよう。
3.コケ状の付着生物類をツマツマと食べ続ける行動は共通。


・色彩の変化が多彩。ただ、主要な斑紋には変化は生じない。色合いに惑わされないことが大切。
・採集時には細かい白点や金点に覆われて居る事が多いですが、水槽内だと数日で消失する。
・成熟した雌の抱卵部分の甲羅に「〜〜〜〜」のような独特の模様が目立つ。
・上記2種に比べ、眼が斜め前に出る傾向があり、外肢も無い。
・Caridina leucostictaは、このエビの学名ですが、前述[A]のエビに付けられた誤情報が多いので注意。
こんな名前をヒントに、「一番近いのはどれかな?」
と思うだけでも全然違うはずです。(混乱の余地は特に無いように思います)
こういった標準和名であったなら、誤認もなく、各種の理解は、全然違っていただろうと思います。
※各種の標準和名は蕁麻疹が出るので省略。
日本の本土のヌマエビ類は在来種7種類。
残りは、
・ヤマトヌマエビ
・ヒメヌマエビ
・トゲナシヌマエビ
・ミナミヌマエビ+近似の中国原産亜種群ミックス
といった、個性の強いメンバー、あるいは御なじみのメンバーです。
しかし、もう一度考えていただければ解かるとおりで、
上の3種類も個性的なのです。
人間が勝手に、頭の中で“とっちらかってる”だけ。
ヌマエビ科ヌマエビ属
1.ミノジカワクダリコケツミエビ----------
Paratya compressa (De Haan, 1844)
2.デメナミウラフジマミズコケツミエビ-----
Paratya improvisa (Kemp, 1917)
ヌマエビ科ヒメヌマエビ属
3.ヤマトヌマエビ---------------------- Caridina
multidentata (Stimpson,1860)
4.ヒメヌマエビ------------------------ Caridina
serratirostris (De Man, 1892)
5.トゲナシヌマエビ-------------------- Caridina typus
(H.Milne Edwards, 1837)
6.ナミダハネカワシモコケツミエビ--------
Caridina leucosticta (Stimpson, 1860)
ヌマエビ科カワリヌマエビ属
7.ミナミヌマエビ+近似の中国原産亜種群ミックス---
Neocaridina spp.
たったこれだけの事なので、特に難しく考える必要のない、直感的に分かるレベルです。
真っ白な標本や、縁取り線のみの検索表に縁がなく、生きた現物を見ていれば簡単と思います。
※あまり「簡単」を強調しても、世の中が異常に難しがっているので、
「そんなはずはない!」なんていう風潮は消えないでしょうけれども(^^;。
※ここまで深く破壊されていると、修復という発想は捨てたほうが早いです。
様々な要素が絡み過ぎて、どろっどろのぐっちゃぐちゃ。
3種の新種に新称を付けるつもりで見るほうが、より新鮮に見られて、しかも簡単です。
(本物の)とか、(商品名の)とか、(種名の)、(旧)なんていう混乱回避に気を使う必要も無し。
参照⇒おすすめ淡水エビサイト
2011/04/28 岩
2011/05/21 更新
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