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学名を使っても混同される世界
商品名「ミゾレヌマエビ」

眼上棘も外肢もあるので、ヌマエビ属。
小卵型である事も有名ですから旧ヌマエビ小卵型。
旧ヌマエビ大卵型は、額角上の頭にも棘があるヌカエビと判明。
このエビは、ただのヌマエビParatya compressaで終了。
※金点白点が多く、綺麗なので、観賞用に流通し、古くから“ミゾレヌマエビ”と呼ばれる。
ミゾレヌマエビCaridina leucostictaとは属から違う別種。
たったこれだけの事なのですが、相当に破壊力が高い現象のようで、
ヌマエビ類の理解を大きく壊されている例が多いです。
「ヌマエビ」「ヌカエビ」「ミゾレヌマエビ」。
この3つの種名が、取り違えなく第三者に伝わるなんていう事は、期待しないほうが無難な程です。
では、学名を使えば良いではないかというと、そうも行きません。
例えば、Caridina leucostictaを使っても、この写真のエビを思い出されてしまう状況です。
商品カタログ的な書物や、商品の取扱説明書的な本では、
商品名「ミゾレヌマエビ」にCaridina leucostictaと記されているという念の入れようですから、
学名ですら混乱源なのです。
×標準和名
×学名
ですから、個人的には、各々が好き勝手に伝わりそうな名前で、
呼んだほうが良いであろうと思っています。



「“UFO墜落”川登り苔食いエビ」



「離れ眼“波裏富士”真水苔食いエビ」



「“涙撥ね”川下苔食いエビ」
一般的な流通名と標準和名が異なるという事は、
魚介類の中では当たり前の事で、日常にある話です。
商品名「ボタンエビ」
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/toyamaebi.html
正体はトヤマエビだそうです
本当のボタンエビ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/botanebi.html
ボタンエビは少ないので「ボタンエビ」と呼ばれなくなって来ているそうです。
毎回説明が要るというのは、似たような現象です。
商品名「甘えび」
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/tarabaebi.html
標準和名はホッコクアカエビ
本当のシシャモ
http://www.zukan-bouz.com/kyuriuo/sishamo.html
スーパーで安価に売っているのはカペリンだそうです。
このあたりは、食と直結しますから、情報番組でもよく取り上げられるので、
知っている人も多いと思います。
学名までも取り換えて紹介するという事は普通は無いはずで、
正しい情報も併記されるのが良識です。
食品ではないからか、観賞用の魚介類には、それがないのは普通です。
『なんでも鑑定団』のような感覚で付き合うのが普通で、騙し騙されのような関係。
“スルメの革靴”が売られていたような世界の延長にある感じです。
それはおかしいとか間違っているという訳ではなくて、
そんなだから、むしろ面白い世界。
“ミゾレヌマエビ”と値札に書いてあってスジエビが入っていたりするから楽しいですし、
逆に、高級珍魚が普及種の値段で入っていれば、それで買えます。
あくまで、値札に便宜上に書かれた商品名であるから、そんなあれこれがあって面白いのですが、
最近は、商品名に間違った学名まで書いてあります。
学問的な要素が強くなって、商品カタログや取扱説明書が、“図鑑”になってしまいます。
そんな“図鑑”で勉強した人に、Caridina
leucostictaと伝えたら、

このエビになってしまい、
Paratya compressaと書いても、

このエビや、

このエビを思い描かれてしまうわけです。
一般の混乱ぶりを考えたら、もう日本産淡水エビを語る上で、
この3種類の学名は使えません。
学名だけでなく、語られるあらゆる情報が混乱源と考えて良いくらいです。
一度、白紙に戻してから、独自に実物を検証して、再構築するのが確実で理解も早いです。
自分なりの種名を付けられるくらいになってから、
既存の標準和名や学名と「ほどほどに付き合う」くらいがベストな感じです。
2011/05/18 岩
2011/05/18 更新