辻ヶ堂部長(水生生物)のページ
| 身近に見る水生生物の環境について 1.ふわふわ〜む農場のため池 ふわふわ〜む農場には近くの小川に生息している水生動物を飼育するために池を作りました。大きさは10m×5mで、深さは一番深いところで2mくらいあり、浅いところは田んぼになっています。 池は出来るだけ手を加えずに作ったので、巣掘り池であり、池の周りは雑草だらけです。春にホテイアオイの株を2〜3株入れたら、夏になると池全体を覆いつくすほど増えてしまい、秋にそれらを処理するのは大変でした。 この池では出来るだけ多くの水生生物をにぎやかに飼おうということで、近くの小川や用水路で魚やエビ、水生昆虫、おたまじゃくしなどを捕ってきて放しましたがどうもうまく育たないようである。水は植物プランクトンが繁殖して生物が棲みやすい環境になってはいるが、清流を好むアユやオイカワなどは棲めないだろうし、ホタルも棲めそうにない。 この池で、大きな顔をして生息しているのはコイ、フナ、カワムツなどで、これらはどんどんと大きくなっていて、その数も増えているようです。 メダカは棲めるには良い環境のはずだが、稚魚が他の魚に食べられているのか、ほとんど見当たらない。 棲みよい平和な世界に見えるこの池は、実は生存競争の激しい世界で弱肉強食の世界なのかも知れません。いろいろな生物を一つの小さな環境の中で生息させることの難しさを改めて知り、生物の多様性を保つためには広い自然が必要なのだということがわかりました。 2.田んぼの悲劇 私が子供の頃の田んぼは、多くの生物が繁殖する場所でした。ナマズやドジョウは春に田んぼに入り、卵を産みます。孵化した稚魚は田んぼで少し大きくなって夏の終わりに小川に帰っていき、小川で暮らすようになります。田んぼで卵を産むのは水深が浅く、餌のプランクトンなどが豊富で、酸素も多く、稚魚にとっても棲みやすい環境にあるからです。 ところが最近の田んぼは、どこを見てもナマズやドジョウがいない。どうしてなのでしょう? まず、水に何か溶け込んでいるため棲みにくくなっている。これは人間が作り出した農薬が悪さをしているようだ。そして、田んぼに親魚が入りたくても小川から田んぼに水を引き込むのにポンプを使ったり配管を配置したりして親魚が入れないようになり、田んぼで稚魚が育たなくなっている。仕方がないのでナマズやドジョウは小川で産卵して稚魚が生まれてくる。そしてその稚魚の一部は田んぼに入ってきて生活が始まる。しかし今の田んぼでは苗を植えてからしばらくすると一度、田んぼの水を干し上げてしまう。その時に逃げ遅れた稚魚たちは鳥などの餌か、ミイラになってしまうしかない。これは毎年、この時期になると見られる光景です。 何とかならないものかなあ! 3.地獄の用水路 田んぼに水を供給する用水路は、田んぼの周りに縦横に作ってあり、稲つくりが始まる季節になって初めて、水が満々と流れるようになる。 けっこう大きなコイやナマズ、ウナギなども見られ、その他の小魚やヤゴたちもいて、にぎやかな風景が見られますが、だんだんと田んぼから流れてきた泥や雑草が堆積するようになる。秋になり、稲刈りの始まるシーズンになると用水路の水を止めてしまうため、用水路にあった水は干上がってしまう。 一部に泥や雑草が溜まり、水溜りが出来て、そこには水生動物が取り残されて右往左往している。サギがやってきてついばんでいるが、食べきれないのか、完全に干上がった用水路には水生動物の屍が多く残されるのを見る。 用水路が完全に排水できれば水生動物たちも逃げられる環境にあると思うのですが、今の状態では彼らにとって地獄の環境です。 何とかこの生物の救出作戦ができないものでしょうか! 4.子供たちのいない川 このごろ、暇を見つけては川に遊びに行くのだが、ほとんど子どもの姿が見られない。どうしてなのだろう? そういえば、川のあちこちで「良い子はここであそばない」なんていう看板がやたら目に付く。これが子どもたちを川から遠ざけている原因なのか? 学校でも、子どもだけで川に行かないように教えているのだろうか? それとも今の子どもたちは忙しくて余裕がないのだろうか? 子どもの頃、川遊びでおぼれそうになったこともあったが、最高に面白い場所であった。いま、川は水をすみやかに海に流すことを目的にして河川工事が進み、途中ではダムができたり、堰を作ったりしてそこに生活している生物のことはほとんど考えていないため、河川に生息する生物は激減してしまい、河川水も汚れてしまったので魅力のない川になってしまったのが残念です。 これから以前のような河川を再生するにはどうしたらよいかを考えていくことが、私たちの使命かも知れません。 子どもたちが再び川で遊べるようになることを夢見て! |