第44回ふわふわ〜む記録集

今の季節に「なたねつゆ」というのがある。
大辞林によると菜種梅雨(なたねづゆ):菜の花の盛りのころに降る春の長雨と書かれている。
昨夜の天気予報によると「午前中は風もなく、気温も上がり、穏やかで過ごしやすいでしょう。午後からは再び大陸からの雨雲が本州をおおい、夜半にかけて雨となるでしょう」との予報であったが、まさにその通りとなった。
今日の観察会の予定は「凧揚げ」から始め、「私はだれ?」「ガリガリプロペラ」「観察具一式の紹介」「うそ・ほんと!?」であったが、菜種梅雨が始まる無風により最初のプログラムから予定変更を余儀なくされる始末である。
さてさて、その中から嬉しい予想外のお話をひとつだけ・・・

自然観察指導員:「ここに四つの絵が書いてあります。@からCまでのスケッチ絵はこの体験農場でよく見かけられる野草を書いたものですが、同じ野草を書いたつもりでも正しく書かれていないものが三つあります。この根っこの部分から軸が伸びて・・」とスケッチ絵を見せながら二つのグループに解説します。

Aグループ:「どこにあるのかな?」

自然観察指導員:「それはみなさんで探し出してください。このスケッチにはオオイヌノフグリと書いてありますね。だから先ずオオイヌノフグリを見つけてくださいね。そしてそれを根っこの形が分かるように掘り出してください。それからその野草を正確にスケッチしていけば正解の番号は分かるはずです。

Bグループ:「その絵のところにヒント:オオイヌノフグリは対生ですって書いてありますが、対生ってどんなのですか?」

自然観察指導員:「輪生、互生、対生など植物の葉のつきかたには色んなタイプがあります。対生というのは軸の同じところから左右に葉が出ている仲間を言います。各グループのメンバーなら答を導き出す時に相談してもいいんですよ。そして正解だなと自信が持てるようになったら、代表者は解説をしてもらいますから発表する人も決めておくといいかな。」

(しばらくの間、時間経過・・・・ここの経過がホントの自然観察かな?)

Aグループ:「・・だから・・これこれで、・・・。     ・・・こうだから、・・こうです。」

Bグループ:「私たちの考えも・・・だから ・・これこれで、こうだから、・・こうです。」

自然観察指導員:「どちらのグループも正解です。Aグループは植物を花が咲いているほうから観察していました。Bグループの発表は根部の下側から観察をしていましたが、たどり着いた結論は同じですね。」

Bグループ:「観察中にへんてこなものを見つけたのですが、この丸い玉は何ですか?」

自然観察指導員:「あれれれ、こんなのがついてましたか?根際の部分についてますねえ。アブラムシなどが寄生している虫こぶかどうかナイフで輪切りにしてみましょう。他のイヌノフグリにも同じものが見られるのでしょうかね。」

さて本日の観察会の宿題ですが、オオイヌノフグリの株元に種子以外の丸い玉があり、他の株にも見られました。
さて、この丸い玉は一体何でしょう? ただし、虫こぶではありませんよ。
 


     総合学習に組み入れる際のポイント                    

● 「フグリ」「対生」の説明
● 植物の名称には大型を表わす「オオ・・・」とか、「カラスやスズメ」、「イヌやネコ」のように身近な動物をかりた表現
  が数多くあることを説明(人と自然との関わり方)
● 拡大鏡や図鑑などの小道具を準備する
● 個人あるいはグループにて観察し、説明だけで終わらないこと。(観察の時間として1時間は必要)
● 自分の力で考察させることがポイント
● 対象年齢により植物の特長を具体的に解説する(花の色は青空色など)  
● 学習の効果
  適応性・選択性・柔軟性・判断力・繊細な感性・自発性・自尊自敬・情操・潤い・発見・協調性・親和性・追従性・
  指導性・思いやり・いたわり・世話好き・慈しみ・野性味・生きる活力・思索・尊厳・・

                          オオイヌノフグリとは? 

○ 早春に開花するオオイヌノフグリは受粉のための驚くべき仕掛けを持っています。接触の刺激で、青色の花びらを
  落とす時に、おしべとめしべが接触して受粉するのです。晴天時に見る花は大きくて、とても鮮やかな空色です。
  また、日がかげりだすとゆるやかな運動で、おしべとめしべが近づき、これもまた自動的に受粉します。
○ この雑草は明治20年ごろにヨーロッパから渡来した2年生の雑草です。
○ 茎をよく見ると、葉が対生するところと、互生するところがありますが、互生しているものは真正の葉ではなく、「ほう」
  と呼ばれているものなのです。よく見ると互生したころから花がつきだしたことがわかります。
  茎の基部の葉だけが対生であるものの仲間には、ゴマノハグサ科やキキョウ科などがあります。
○ 花は一見しただけでは離弁花のように見えますが、れっきとした合弁花で、これは花びらが深く裂けていて、合弁
  部分が短いことによるのです。また、花びらの大きさも上下で差があり、左右は対象で同じ大きさになっています。
  この青い花だけを観察するだけでも30分程度の時間がほしいです。めしべを中心にして左右から2本のおしべが
  囲んでいますが、これは横方向の角度から観察してほしいです。また花を裏側から見てみると新しい発見に気づくこ
  とでしょう。
○ 和名のイヌノフグリは、右絵のように実の形が犬の睾丸に似ていることから名付けられましたが、もう少し上品な
  名前をということでルリカラクサとかハタケクワガタというような呼び名もできましたが一般には広がっていませんね。
花は晴天の気候で鮮やかなブルー  フグリとは雄犬の陰嚢のこと

  

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