この釣堀り日記は、毎月毎に1回、定期的に更新しているもので、今回はその4回目研修会です。 第4回目研修:平成19年4月12日(木) 釣掘りのラインとハリス周りについて重要な道具仕立ての中のうちの道糸(みちいと)。マダイ狙いとしてはPEの3号を巻き、ブリ用には5号を巻いている。ただ、PEラインは強度の点では申し分ないけど、糸癖がつかないのが特長で、それ故に逆に非常にからまりやすい。ちょっと油断すると、穂先のトップガイドに数回まとわり付き、うっかりリールを巻いたりすればたちまち竿先がポッキンなんてことになってしまう。これまでこうした欠点に留意しながら、1月からPEラインを使ってはきたけど、見直しをしたほうがいいような気もしないではない。ハリスはどうだろか。今までの学習では、マダイ狙いなら標準で4号を使用するということになっている。海上釣り堀ビデオや教科書でもそのような指導方針になっている。(笑) しかし、これまで現場で見てきたことは、大いに違って、どうやら2号から3号を使っている人が多いのである。教科書は、あくまで指南の方向性を示すに過ぎず、現場での戦いの舞台では人よりハリスを「より細く」して、まずは魚をかけことが最優先させているようなのである。 ・・ということであるならばと、今回は2.5号(プロ山元トーナメントラインDaiwa)を釣り開始時に使用しての釣行であります。これまでの流れと同様に100名をはるかに超えるような人波。釣り人客というよりも老練な「釣り堀師」といった面構えの面々たちばかり。そしていつもと同様に「最後の呼ばれ」で「最後の乗船」。殿八屋のページに筏の配置図が掲載されていて、それを見ると何番の筏なのかが分かるようになっているらしいが、ここが何番筏なのかよく分からない。マリンパークでは大きく現地表示がされていたり、中央には大きな時計も設置してあって親切設備って気がする。さて、とにかく独りのお客は、一番奥(7号?)に案内されるのである。どうせならもう一つ奥の部屋に案内願きたいものであるけれど・。「8号は放流の魚を調教していて、好調らしい」等との話し声も聞こえていて、さすが、殿8(八)屋ではある。構えた釣り座は、7号の海側。これが7号の山側、つまり奥側の東南釣り座であると桟橋の影地となって、いつもマダイが好調らしい。 かくして釣り開始のゴングはならされた。一番最初に竿を曲げるのは、やはりマダイ用の特等席であろうと思っていたが、今回は東北隅に陣取った席からの「アオで〜す!」であった。後々に話を伺って分かったが、ヒラマサ狙いには「シラサエビ」なのだとか。その初っ端事件が落ち着いたころ、2番目の旗手を務める役割はやはり決まっていて、マダイ用の特等席だ。研修生に与えられた残り席、北東の席は特等席ではないので、何をやっても釣れず、2月に学んだトラギスの泳がせ釣りをイメトレに準じ図って、先ずは外海にキスボート釣り2本仕掛を放り込んだ。ほどなく10〜13cmのメゴチと18cmのキスに続いて、ハゼが釣れたのでさっそく青物狙いを開始! 魚の当たり場所を自作する演出家。昨夜に用意したアマエビの剥き身も当たりエサとはなり得ず、前回釣行の残りの「ササミの黄色漬け」を手でちぎってサシエサに使う。そのササミを包み込むように「茶色のえびだんごの素」でコーテングする。狙うタナは底近くの水深8m付近。軽い錘負荷とともに沈んでいく「だんごの素」が、演出家となって、この集魚効果が出てきたのだろう。0.5号釣研棒浮き(移動式に改良)がすつ〜と海中に吸い込まれていった。あがってきたのは嬉しいシマアジだ。しばらくシマアジが乱舞した。 今回、またしても青物狙いに失敗し、前回に計画していた「延長戦」をすることにした。 にぎやかだった生簀周りが静かになり、それと比例でもするかのように青物の姿も水面から見えなくなった。なんで?どうして?団子の残りをちぎってパラパラとまいてみても、。。。? 残りもので乾燥している「えびだんごの素」に少しだけ海水を混ぜ、まいてやるとシマアジの群れが目の前で輪をかきだした。「釣れそうな雰囲気に・・。」と思ったら、船もやってきて、聞くと、掃除をするのだと言う。要は、汚れている桟橋にシャワーをかける作業の手順が、次ぎはこの桟橋なのだ。「せっかくの延長なんやから、どの筏でもええんよ。」とか言う。ということは、「作業したいので、その場所を明け渡してくれ」ということではないのだろうかな?明確にハッキリと了解をとればいいのに。独り舞台であったので、あちらこちらに分散状態にしておいた道具を掃除完了筏に移動して、驚いた。シマアジの群れとブリの群れ。そしてグレの群れ。全部が悠然とそろい踏みをしていた。えびだんごの素をほんのちょこっと蒔くと、群れは活性化して、まるで手でつかみとれそうなぐらい。 かつおの内臓に見向きもしないので、本日の自分の唯一の当たりエサ「黄色ささみ」で釣り開始! あいかわらず大群が目の前でぐるぐる状態。ところが目の前にある「黄色ささみ」を人目見るだけで、あとは一切無視を決め込む! まるで「このエサはNINGENという恐ろしい狩人が仕掛けてきたものだから、みんな、以後もよ〜く気をつけるのだよ。」とでも言っているようで、集団研修会の場のようだ。 追記1:あまりにもサシエサを拒むので、群れがかたまった時を見計らって思い切りしゃくりを入れた。すると、偶然にもブリのどこかにハリがひっかかった?かかった魚は糸を切ろうとするのか、凄い勢いで下にもぐろうともがく。群れの他の魚たちは群れを崩すこともなく、依然と悠然たる動きを続けていた。不思議だ。グーンとのされた瞬間、LB機能で負荷をフリーにしたりして自由にさせるが、2号のハリスが切られない。「何を考えている!それを持って帰ってもうまくはないぞ」と天の声で、ハッと我に帰り、竿を張ると身切れがした。が、糸は切れないことを学習できた。 追記2:ついでに言わせてもらうと、ホームページの案内では4時まで2000円となってるんだけど、どうして氷を買うときに3,300円だったのかな?氷だって少しだけでいいんだけど・・・。 追記3.これは興味深い話題提供で、今日は2号ハリスでイシダイ50cmを左横の席で釣り上げられるのを見た。こうした大釣りの釣果が本日の釣果表に掲載されていないけど・・。。 今回の研修は、ラインとハリスの実際編で、やはり感じたことは教科書と現場とでは違うんだ、ってことを学びました。4号のハリスに2号のチヌハリで、これにヒラマサの大好物だというシラサエビをさして引いて見ても無視されます。しかし、1.5号のハリスに2号のチヌ鉤で、これにヒラマサの大好物だというシラサエビをさして引いて見ると無視されるどころか、すぐに飛びついてきたのを見ました。魚との知恵比べ 川村軍蔵著という書籍を読むと、色々興味深い事項が書かれてある。一度、痛い目にあった魚は年間単位で、あるいは魚種により生涯の間、ハリを口にしないことを学習会得するのだそうである。これは有名なマーチン仮説につながり「長期間にわたっても釣られやすい魚と釣られにくい魚との比率は同様に存在し続ける。」となる。これを応用して釣り堀管理者は、養殖飼育魚であっても出荷時でのエサ止めという絶食調整法により、釘師ならぬ、さじ加減を可能にしているという。生簀に残った魚たちは賢明なものばかり。 魚の種類によって、視力の度合いは異なるそうである。魚種別に視力を測定する方法として研究者は最小分解角を測定し、視力を算出する。むずかしい内容はともかく、この魚の視細胞は明るさで変化するので8mの深さだったからこそ、2.5号のハリスでも釣れたのであろうか。対象物を餌として認識するかどうかの判断力、動き方とか形状の詳細とかを瞬間的に捉える能力は我々、NINGENの持つ能力とは桁外れに猛烈であるらしいことも学問的に書かれてある。他に「魚が好む色」「魚が好む音」「魚が好む味と匂い」などについても書かれているので、これらに関しては図書館にて研修を進められたい。 参考1.魚との知恵比べ(魚の感覚と行動の科学) 川村軍蔵著 成山堂書店 参考2.魚になめられてたまるか!(海の中からのサイエンスフィッシング) 豊田直之著 広済堂出版 それで、先のハリスについてですが「フロロカーボンとはフッ素(フロロ)と炭素(カーボン)との化合物の総称のようであって云々とかの学習を以前にしましたが、要するところ、他人より少しでも「より細い」仕掛でいち早く魚をかけることが魚の争奪戦に勝つコツなのだとか。実際、海上釣り堀業界においては、このような風潮を認めている感じさえしてきます。もしそうであるなら、このことは海上釣り堀界にとって、とても悲しい残念なことなのですが・・。「あおでええ〜っす」という発声の内容には、どういう権利が与えられてあるのでしょう? お祭りは、生産性のない行為で、竿をあげることにはみんなで協力し合わないといけません。問題は「1.5号なんじゃから竿、あげて。」についてなのです。細ハリスで青物狙いをしている人がいるそうですが、時間さえかければ魚は弱ってきて、獲れるというのも海上釣り堀の大きな特長であって、やはりそこにはきちっとしたルールが設定されるべきでしょう。これは経営者ももちろんそうですし、海上釣り堀愛好会という大きな団体が先導役を果たすというのも今、最も望まれていることなのだと思うのです。竿を出せずに、ただ時間だけが経過していくこの貴重な浪費は非生産性において問題がある、ということです。殿八屋さんのホームページで、貸し出しの道具を見ると、ハリスは4号とされていて、これであると竿も4号標準に相応した硬めの仕様竿だと見当がつけられます。釣り座に始まる場所決めの問題、道具類や仕掛けの使い方やマナーの問題をどうするのか。異なった技量を持っている遊魚者たちが異なった楽しみ方をどのように扱うのか。初心者や中級者向きの筏の提供とか、青物専用筏の設定があれば顧客満足度はとても満たされそうです。さらには竿の長さやハリスの号数の時間的な制限など考えられる「紳士協定」は無限に考えられそうです。例えばこういったルール案内はいかがでしょう。 ・正午までは竿の長さを3.5mまで、ハリスの号数は4号以上としてください。 ・正午からは席替制となります。一番釣果のあった遊釣者は、釣果が得られていない方に席をお譲りください。 皆さまのご意見を頂戴できれば幸いです。研修の身の思いつきですが、これらのことを含めてさらに技量を会得しようと考え、次回5月研修ではこれまで封印していた「さぐり釣り」について考えてみたいと思います。
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