「月例自然観察会」行動記録    第107回   2008.05.25
昨日の雨が残り、地域行事の「ゴミゼロ運動」が延期されました。
それで昼からの参加を予定していた子どもたちも急遽、「ふわふわ池」に集合!

ところが、観察会が始まる9時ごろになると雨があがりました。
さあ、どのような観察会になりますか、それではさっそく始めましょう。

1.がえろっぱ(オオバコ)の種子は全部で何個?
トノサマガエルにそっくりなオオバコ。一株から何本も種子のなっている軸をのばしています。下側から順々に種の袋を充実させていって、雨で水分を含むと粘液に包まれます。このネバネバ液のお陰で遠くの場所へ運んでもらっているという生き残り作戦。
う〜ん、実にすばらしい。

 オオバコの葉と似ているトノサマガエル    種子たちの全員集合帯  湿る状態が大好き   ゼリーみたいで美味しそう。 

答え:一株あたりに何本の種軸があるかを数え(A本)、一本あたりに着いている種袋の数を数える(B)。続いて種袋の蓋を外して、中の種子の数を数えて(C)、これらを掛け算する。
よって一株のオオバコから美味しいゼリーお菓子が食べられる数は
  A×B×C=一株のオオバコからできる種。


2.ザリガニを捕獲してみよう。

ザリガニを捕えるには、ザリガニのいそうな場所を見当つけます。流れがゆるくて草が茂っている水路辺りに目をつけます。捕獲網は丸いタモより角ばった魚捕り用のものを使いましょう。
採集した魚たち:ヨシノボリの仲間、ホタル幼虫、アメリカザリガニ、ヒル、トビムシ類

3.オオムラサキの幼虫にさわってみよう!!

ミカン博士が飼育中の巨大なオオムラサキの幼虫にさわらせてもらいました。指先でそっと背中をソフトタッチすると、フニュフニュって感じ。いやされ効果絶大。
農園内で見られたチョウの幼虫:
セリの葉にキアゲハの幼虫多数。レモンの葉にナミアゲハの幼虫5匹。カラムシの葉にアカタテハの幼虫1匹。

月桂樹(会長宅の庭木)にたくさんいたという謎のサナギ事件:
軒先にぶら下がったサナギ月桂樹の大木に黒紫色の幼虫がたくさんいました(5/15)。それらのムシは数日のうちに薄紫色をしたサナギに変わり、ゲッケイジュの木や、家の戸口などにぶら下がりました。
それから数日のこと、庭隅に置いてあったペットの移動箱に、このサナギをたくさん発見。ペット箱の天井にぶら下がっていたサナギは、さて何というチョウになるでしょうか?
← これが謎のチョウの蛹




4.植物たちの生き残り戦略を探る。

エビヅル、ブドウ、ツルウメモドキ、サルナシ、イバラ、キブシなどの共通点はどれも「よく伸び出す」ってことが分かります。地面にはいつくばっているハコベでも、よく見てみると枯れ枝などを利用しながら、人の背丈ほども伸び上がっているのに気づきます。
日照権問題は植物界でも同様に・・・:
雑木林はニンゲンが長い歴史の中で作り上げてきた林だと言えます。ニンゲンが生活様式の変化(
焚き木が要らない。家畜飼育草が要らないなど)で放置した林はこれからどうなっていくでしょう。この項、続く。

今日のテスト
ペット箱の天井にぶら下がっていたサナギは、何というチョウになるのでしょうか?

答え
この薄紫色のサナギがゲッケイジュで育っていた??

ゲッケイジュの樹はチョウ類の「食樹」とは考えにくいので観点を変えてみましょう。
まず、問題を解くカギになるのは、サナギの特長から「〇〇チョウ」のものだということができるようです。
そして庭に育っている木や草をもう一度調べて見るということも大切です。チョウの幼虫が好んで食べる「食草」の存在がチョウの同定の決め手になりそうです。アカタテハの幼虫はイラクサ科のヤブマオとかカラムシとかコアカソなどの草を食べて育ちます。つまりアカタテハの食草はイラクサ科の植物で,また、ヒオドシチョウの幼虫はエノキが食樹です。


そこで、蛹の特長から「第4腹節背面の突起が目だって長い」。このことからヒオドシチョウではないかと推察できると教えてもらいました。







そうするとゲッケイジュにたくさん見られたのはなぜなのかという疑問ですが、ゲッケイジュの木は葉っぱがよく茂っていて羽化するのに条件が良かったのでしょう。そしてペット箱にたくさん入っていた訳は、サナギとなって暮らすためには素晴らしく快適な住まいが欲しかったからで、レンガやコンクリート造りの家は好まれています。既載。



ミカン博士から、「このサナギは、もうすぐ羽化する」と聞き、さっそく自宅の蛹を一つだけ部屋に持ち込み、確認をすることにしました。
 

         

すると観察会の翌日、5月26日06時半にはもう羽化して、枝にぶら下がっているのが確認できました。すごい。やはり、教えてもらっていたヒオドシチョウでした。


いやがっているヒオドシチョウさんを宥めながら撮らせてもらった写真は3枚。この際に、おしっこを引っかけられてしまいました。(笑)



そして我が家の庭にはヒオドシチョウの食樹である「ケヤキ」や「エノキ」が存在していますし、アカタテハの食草である「カラクサ」も土手に生えています。





答えはヒオドシチョウに確定です。


今回、行動記録集に掲載の「ヒオドシチョウのサナギ」のその後ですが
我が家にはずいぶん以前から「雑木」が居座っていて、今ではあらためて見てみると胸高直径が30cm近くありました。
 
この雑木、(勝手に居座ってきて)名前を確認するのに無頓着でいたところ、今回のサナギで一躍、我が家の宝となった感じがしています。
なぜかと言いますと
まず、名前は「エノキ」であることが判明、そしていくつものチョウ類の大切な食樹なのだとか・・・。
この樹に厳しい冬を越した成蝶が卵を産み、幼虫が葉っぱを食べ、十分に成長した幼虫たちは集団で木を下ってきて、そしてサナギへと変態したということのようです。
 
無頓着がゆえに、庭の掃除もしないからこそチョウの赤ちゃんも生きながらえて、そして「今日」があるのでしょう。(笑)
 
5月27日。今日(昨日も)、素晴らしい光景をみることができました。
このヒオドシチョウ、とっても素早い飛び方で、ツバメのような身軽さで空高くスイスイ、ス〜イイ、ってな感じ。
早朝の水やりの際に、盆栽のタナでいくつか見かけ、しばらく様子を眺めたり、そおうっと近づき写真を撮ったり・・・
 
よくよく周辺を見ていると、たくさんのヒオドシを見ることができました。
 
エノキの横にゲッケイジュが、これも大きく成長していて、その東側の上の辺りで、北風をさけるように日向ぼっこをしています。
 
数えていくと、むうっつ、ななつ、・・・、20匹ぐらいは見つかります。すごい!  感動!! 
よかった、無頓着で、掃除嫌いで。
こうしてチョウさんと遊べるのも無頓着のお陰。
 
  「陽や風と 終日あそぶ 緋縅蝶
 



参考:アカタテハの場合は       

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