嬉野自然観察会    第10回行動記録    平成12年 5月 14日
『先生、花粉の受精のところがよく分からないのですが・・。』

このような質問に「それじゃ、今から外に出て、それを調べてみよう」と行動する先生が「求められている熱血先生」だそうです。

4月の定点観察地の様子を思い出してみてください。右隅には山桜が咲いています。いつものように近くによって、よく見てみましょう。 
  あかめがしわ はこべ

  
上の観察図は今から1ヶ月前の姿でしたよね。

上にはサクラの花が、目線の高さにはアカメガシワの新芽が、そして地表にはハコベラの小さな花が・・・。

それでは現在(5月)の観察で気がつくことは、どんなことでしょうか?

その答えを、今から探しに出かけましょう。私の今日の役割は進行役だけとします。

今回は3つのグループに分かれて、それぞれのグループが見たこと、感じたことを発表してくれましたよ。さて、どんな発見があったのでしょうね。

第一グループの発表

「私たちのグループは、それぞれの人が別々に調べました。
私は土をショベルでめくり、土の中の生き物を調べましたが、うまく見つからなかったです。
でも、こんな丸いものが土の中にありました。」『キャッ、こわい。』

⇒「別に恐ろしいものでもないようですから安心。これは、シランの球根だな。誰かが庭の土と一緒に捨てたようですよ。植えておけば立派なキレイな花が咲くでしょう。赤色と白い花を咲かせるのもあります。」

『僕はアオスジアゲハが見たかったけど』

⇒「今度は見られるかも。幼虫はクスノキ、ヤブニッケイ、タブノキなどクスノキ科の植物で育つからね。詳しい事は《昆虫と自然:ニュー・サイエンス社19999月号》をみてよね。

おいしかったイチゴ
「とってもおいしい」と好評のイチゴ。

その他にガマズミの花、カタツムリ、赤いキイチゴを見つけたようです。

第二グループの発表

「林の中にも入って調べました。ヤツデの葉っぱにキレイなルビー色をしたテントウムシを見つけました。ヤツデの葉の切れ込みは9枚に分かれていました。」

⇒「どれどれ、どこにキレイな虫がいましたか?あららら、ホントだ。これはキレイな虫!誰ですか、エポキシ樹脂で固めて、ペンダントを作ろうなんて言ってる人は。ダメダメ。」

「僕は、こんな変な虫を見つけたので袋にいれてきました。」

⇒『どれどれ、あっ、面白い虫がいましたよねえ。大発見だあ。コメツキムシって、昔から呼ばれている虫だね。ちょっとかわいそうだけど、平らなところに裏返しにしてみよう。

どうするかなあ。』

()しばらく様子を見ていましたが、手足をバタバタ。そこで無罪放免に!

  実は、この虫はアゴの下にバネを持っていて、これを【てこの原理】のようにしてパッチンと跳ね上がり、敵から逃れるのです。名は「ウバタマコメツキ」のようです。

第三グループの発表

「は〜い、第三グループの発表をします。
林の入り口でアマガエルを見つけました。

イチゴも真っ赤な実がなっていました。」『真っ赤なイチゴは第一グループでも食べたよ。

とっても甘くて美味しかったあ。』

⇒「けっこう、あちらこちらにイチゴがなっていましたね。」

「木イチゴの仲間で、食べても美味しいはずですよ。土手には黄色の花から実のなるイチゴが見られますが、それはヘビイチゴ。食べてもまずいよ。」

「それから枝の分かれたところにアワムシ?を見つけました。あちらこちらで見つかりましたが、その一つの泡を吹き飛ばして、中を見たら赤い小さな虫が動いていました。」

『そのアワムシは、他にもたくさんいたよ。』

⇒「そうでしたか。アワムシさんがたくさん見つかったそうです。みんな、見ましたか?この泡の中にはホタルが入っているって、誰かが言ってましたが、残念ながらホタルはいません。この中から出てくるのはセミのような格好をした小さな昆虫です。昆虫ですからもちろん、羽根もあって飛ぶことだってできます。この次からは注意して観察してみてくださいよ。そういえば、確かにホタルにも似ているような・・・。

上の方はどうでしたか?杉の木の一番上にカラスが二羽とまってるって言ってましたが。上を向いて観察すると、自然がもっとよく見えると思いますよ。白い花が見えます。

その木の間にクモさんが巣を一生懸命に作っていましたが、気がつきましたか?

4種類のクモが巣を張っていました。今度は、そんなところも気を付けて観察してくださいね。例のハラビロカマキリの卵塊はまだ何も変化がなかったようです。」

はい、それでは他にも色々と見つかったようですが、頭の中にスケッチをしておいてください。

それじゃ、少し休憩してから車で移動することにしましょう。

子供たちにとって「自己教育能力」というのはどのようなものなのでしょう。

それが自主的、主体的な「学び」へと昇華していくための方法論とはどのようなものなのでしょうか?

驚いた! ワクワクしてくる・・・、そして喜びがあふれてくる、・・・ 感動が・・・。

この感動は決してバーチャルな環境からは生まれるものではないのです。

そうした「生きた体験」が出来るだけ多くできるようにと願っています。

一つの例として「飼育栽培」が考えられます。
朽木から取り出したカブトの幼虫は、今、空き瓶の中で成長し、オタマジャクシは例の有機農園の溜池で育っています。

このオタマジャクシがカエルに変身するとき、みんなはトノサマガエルのそれとは明らかに違った点を見つけ、そしてどのように反応するのでしょうか。

それがトロ箱だっていいのです。
中に植え込んだ土手のタンポポなどが良く育つのは雑木林から持ってきた土だってことに何れは気づいてくれることでしょう。

先月にジャガイモを植え込んだことに興味があるようで、どうやら、その後が気になる様子。
うむうむ。いい感じ。ねらいは次の四点ですよ。

  • 作物をつくり、育てることで自然の営みや植物に対する興味・関心を促す。
  • 本を読んでからではなく、実際に体験することが最初。土いじりから収穫の喜びへ!
  • 命の大切さ、生命の連続性、自然の変化を体で感じ取る感性を!
  • 育てるという一連の継続的な活動を通じて、総合的・体系的な学習の方法が身につく。

そんなに簡単にいきますかね。17歳は一つの分岐点であることは確かなような・・・。

今日の進め!「うれっぴー観察隊」(仮称)への参加者は


以上の皆さんでした。輝く未来へレッツゴー「嬉ぴい自然観察隊」。

ということで、後半の内容は省略しますが、カキの木の下で「摘みたてで、煎れたての、ホヤホヤの新茶の香り」は最高でしたよ!

参考:今回の小道具あれこれ
手袋・ルーペ・ネイチャースコープファーブルミニ・ショベル・スコップ・ハネキリ(タケノコ掘り用)・

十得ナイフ・ベースキャンプストーブ(X−U、パワーマックスカートリッジ300g缶使用)・

充填式ガスライター・チタンシェラカップ類・腸詰ウインナ・茶の新芽・採りたてのアスパラガス・

各種図鑑・救急薬品類・NACS-Jピクチャーカードその他


ひとくちテスト
生きた体験学習と本などで知ったこととは、どこが違うのですか?

答え
「自分で感じて、自分で見つけることができた。」

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