嬉野自然観察会    第11回行動記録    平成12年 6月 11日

昨日から小雨が降り続き、日本列島は梅雨の季節に入った模様です。

さあ、雨の自然観察会はどのような展開になるのでしょう。

下見の段階で、先月のアワムシさんは泡の量を増やしていました。
その様子もよ〜く、観察すると面白いよ。

定点観察地の雑木林で
アワムシさんの正式な名前はシロオビアワフキ(白帯泡吹虫)で、アワフキムシ科に属する昆虫です。体長は11〜12mmほどのちょうどセミのような姿をしています。

先月のように赤い色を呈している時期には、よくホタルの幼虫に間違われるのですが、今月の姿を見た人は、むしろセミの赤ちゃんだと思われるかも知れませんよ。


あわむし
クモ類(4種類確認)の姿もあちらこちらで見かけるのですが、営巣はなぜかズタズタになっていて、雨の中で復旧に大忙しのように見えました。
10時前になったので図書館の待合室に入ります。
が、しかし今日の参加者はいないようです。

観察会を始めて最初のことですが、元々から「自分一人での観察よりも、より多くのメンバーで観察したほうが、より面白くなるだろう!」との発想ですから「一人観察会」であっても成立するわけなのです。

待合室でしばらくの間、外の様子を見ているうちに一つの発見がありました。
おそらく誰もが気づいていないことなのでしょう。
それはツバメの営巣活動でした。そこで、今日のテーマは「ツバメは雨の日に何を食べているのか」と決定します。

待合室から外を見ている時間は半時間ほどでしたが、この間に5回ほど帰巣活動のような行動があったようです。
果たして本当にツバメは巣を作っているのかどうか、外に出て入り口側を見てみることにします。
すると案の定、やはり営巣を確認することが出来ました。

エサをせっせと運んでいるように思えるのですが・・・。
がしかし、下には何も落ちてはいません。
親がなかなか戻ってきません。

分ほど経ってから親が一羽やってきて巣に止まりました。

うまく写真が撮れません。近づくとかなり警戒している様子です。

もう10分経ちましたが親はどちらも戻ってこないのです。雛(ひな)はまだ生まれてはいないのでしょうか。先ほどは何度も帰巣活動をしていたのですが、エサを咥えてきているようには見えません。半時間程度で5回も帰巣活動があったことは直接に、雛への食餌へと結びつかないのでしょうか。
12分を経過したころ、一羽がもどかしそうに巣に入りました。飛翔の姿を撮ろうとするのですが、シロウトにはチト、無理です。


100メートルの大自然シリーズ
(その2)
三重嬉野駅(中川駅)へ通じる100メートル区間には、これだけの営巣をしていました。

今まで私がツバメの巣立ちまでを観てきた経験から判断すると、ツバメは清潔好きなのです。
雛のフンを咥えて外への飛行時に処分したりしているのを見ています。
孵卵の殻も持ち去っていきます。

ですからツバメの赤ちゃんがいても不思議ではないと思うのです。
実際に半時間の間に何度も帰巣をしているのですから。
そうした疑問の中、小雨の降る中で、「ツバメは何を食べ、あるいは何も食べずに(何も捕食することが出来ずに)、あるいは雛に何を与えているのか?」をしばらく観察することにしましょう。

観察結果から考えると、抱卵のようにも見えます。
ということは一部分が孵化したということなのでしょうか。

ツバメはスズメ目の中のツバメ科の野鳥で、極地方面を除く世界中に約80種類が住んでいます。
このうち日本に渡ってくるのが、ツバメ、ミナミツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、イワツバメの種類です。
4月になると、この嬉野にも渡ってきて、毎年、同じ所に営巣すると言われています。
営巣の向きは南東の方角のように西日が当たらない方向に作るようです。
ツバメさんは、その育った場所からオーストラリア近辺までの旅をして、同じ場所へのご帰還なのです。
不思議なことにツバメはつがう相手も毎年、同じ相手だと本に書いてあります。

私の見てきたツバメたちは1年の渡りで2回、子供つくりをしていますが、そうするとかなりの数のツバメが営巣活動をしているはずです。

最近では巣を作っている家をあまり見かけなくなっているのですが、これは色々な要因が影響しているようで、たとえば人間の核家族の崩壊とか自然環境の変化でエサが少なくなったこと、道路の土が少なくなったことも影響しているようです。

さて、ツバメさんは何を食べているのでしょうか。

そのことを調べるために外に出てみましょう。しばらく図書館の周囲を観ていましたが、帰巣回数が少なく、この場所から見る限りでは空中飛行による食餌は見られません。別の場所でエサを捕っているのでしょうか。
そこで移動をします。

ツバメは1羽の雛にエサを与える回数は1日におよそ200回、5羽の雛なら1,000回という計算になります。「今日は雨なので田んぼなどの低空飛行で食餌しているのかな」と考え、田園に移動しました。が、少し待っても表れないのです。意外なことに人家の周りに多く、また木々の周辺にも見られるのでした。いわゆる「ツバメ返し」の飛行です。

くちばしを大きく開けて飛び回りながら、空中で浮遊している昆虫類を捕食しているはずなのですが、何を食しているのかが全く分からないのです。「ツバメ返し」の動作は確実に捕食の姿だとは見当をつけるのですが、食餌の特定はあきらめざるをえないようです。

舗装道路で意外な発見がありました。
トラクターの残した路面の泥を咥える姿を見たのです。
藁屑のようなものも一緒に咥えています。
写真を撮ろうと近づいたら、警戒されて「万事休す」、それで写真はお見せ出来なくなりました。
畑には泥が一面にあるというのにどうして道路面に特定するのでしょう。

ツバメはドロを口の中で枯草と混ぜ合わせ、唾液でこねまわし、丈夫な巣を固めるのですよ。

幼きころに「すずめさんらはうまいもの、わたしゃ、土くって、虫くって口しぶ〜い!」って鳴いているのだと教わったことを思い出しました。
今日のテーマが絞りにくいので、清水ガソリン店に移動することにします。

この店では数年間、ツバメの営巣が続いているからです。
ある調査によると人通りが多いほどツバメの営巣数も多いという結果になったそうです。
急行が停車する乗客数の多い駅の方が、各駅停車の駅と比べて2倍以上もの営巣が見られたのです。
ツバメさんは天敵のヘビなどからヒトが守ってくれることを信じているのですね。

                                          ひとことメモ
スカンジナビアの伝説によれば、ツバメはキリスト臨終の際に、〈
Svala Svala!〉
(慰めよ!慰めよ!)と叫びながら十字架の周りを飛び回ったところからSvalow(慰めの鳥の意)の名称が付いたのだそうです。

ツバメは年に
2回も長距離の渡りをするので、途中の事故死も多く、いくつかの足輪調査法によると翌年の生還はわずかに2パーセントであり、
年間の死亡率は
73パーセントという高率だったということです。

日本人とツバメの関係の環境改善が一時も早く来ることを願っています。


ひとくちテスト
ツバメが大好きなものは何だと思いましたか?

答え
「つばめさんは、たくさんの人がいるところがだいすきなんだとおもいました。」

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