嬉野自然観察会    第8回行動記録    平成12年 3月 12日
季節の移り変わりは、早いものでもう3月も半ばになりました。
植物も昆虫たちも、日によっては温かい日差しに誘われるように動き出しています。
いえいえ、植物たちの根っこは、もう1ヶ月も前から動き出しています、というのが本当の姿なのでしょう。それが私たちには見えなかっただけのことです。
今日の観察会には大勢の子どもたちが参加をしてくれました。中原小学校の草分先生が子どもたちに働きかけてくれたようです。中にはスポーツ少年団の活動を休んで、こちらに参加した子もいます。鈴鹿市や遠方の愛知県からの参加者もいます。津市から参加された親子もいます。
総参加者数は最高の20名となりました。昨夜からの雨も朝方にはあがり、
弱い冬型の気圧配置へと移っているようです。さて、どのような観察会になるのでしょう。それでは読者の皆さんも、どうぞ、ご一緒に参加してみてください。
はい、ポーズ!パチリ
『こんにちは、私は自然観察が大好きな脇葉です。今日はみんな、どのようなことをしてみたいかなあ。』「虫を見つけたい」「ミミズをみつけたい」「・・・」
『はい、それじゃ、ショベルを持ってきている子もいるし、今日は雑木林の中に入ってミミズ発見隊として出発します。これからの予定は図書館西の雑木林をまず、見てみましょう。そこで初めての人も多いですから、観察会はどんなことなのか、を説明します。
10分ほどでみんな、今度は自分だけでも観察会が出来るようになるはずです。
そして、もう1度、この図書室に戻ってきます。そのとき、館長さんから自然観察の学習をする友として、どのようにして本を探し出したらいいのかを教えてもらいましょう。
少し休憩を取ってからミミズ調査に行くことにします。さあ、出発!』
定点観測の場所にて
『・…このように最初は大きな観点から物事のつながり方を観察し、だんだんと近づいていって小さなものを大きな目で見ていくとどうですか。見るということは観る、看る、診るといった五感などを働かすようにしましょう。そして目には見えないものについても考えてみましょう』
「林の中は暗かった」「中に入っていったら大きな穴が掘ってあって、そのままになっていたよ」「あれがカマキリの卵なの?」
「木の芽もふくらんできている」
「ふーん、おもしろいね!!」「なるほど、なるほど。そういうように自然をみていくのか、大体、わかった」
雑木林の中にて
「ここを掘ってみようか」「この辺りは少し暗くなっていて、これってミツバの葉っぱじゃない?」「ほんと、ミツバがいっぱい!」「湿っぽい感じの土だわ」「この道の横をスコップで掘ってみようか」「あっ、ミミズ!」「第1発目からミミズが出てきたぞ」
「林の中は、歩いてみてフワフワとした感じやな」「じゃ、この赤土の部分を掘ってみたら」
「ちょっと!ねえ、こっちにスコップ持ってきてよ」「私も掘ってみたい」

「あ、いるいる。こんな赤土の粘土の中でもミミズ発見!」「今までのところでは、全部の場所でミミズが見つかっている」「大きなのは少ないみたいだけど」
「この道の真中はかたいけど、こんなかたいところでもいるかなあ」「どれどれ、堅くって掘りにくいなあ」「あ、いたいた、おどろき!」「ちょっと、この木に変な虫を発見したわ。これって何。トゲトゲの黒い針がいっぱいついてる」「毒虫みたい。このルーペで大きく見えるわよ」「ムカデも発見、このムカデはまだ大人じゃないんだって」「刺されると痛いかなあ」
「さっき、図集で見たような一番危険な生物のオオスズメバチの女王バチが、腐りかけの木の中にいるんだって」「よ〜し、朽ち木の中のを見つけよっと」「前回の2月にはコクワガタが見られましたよ」「ハサミムシやミールワームってのが多いなあ」「それって、ヘコキムシ!」

いつの間にか、みんなは夢中になってバラバラになってきています。

『お〜い、こんなのじゃ、時間が足りないな。次のところへ行けないよ』

『君、悪いけどちょっと、中に入っている人を呼んできてくれないかなあ』
畑(慣行農法)にて
「畑の中では耕運機でかき回したりするから、ミミズが見つからないんだって」
「畑の隅っこにはいたけどなあ」「あら、石灰を普通はまいて、土を中和してるけど、あれってだめなんですか」『校庭での雑草という本を参考にして、この畑(坪井先生所有)でみられる草をいろいろ見つけてください』「オランダミミナグサ・カラスノエンドウ・イヌノフグリ・ホトケノザ・イヌガラシ・ハハコグサ・ナズナ・ヒメジョオン・オニノゲシ・・・・ 」
『はい、このクリ林がモグラの住みかになっている場所なんです。モグラは清潔好きで、いくつもの部屋を持っています。地下4階建てのマンション暮らしです。一つの部屋にたくさんのミミズを貯えておいたりしてるんです。ミミズを半かじりにして仮死状態のまま冬の保存食にしてるようですよ。トイレだって別に用意しています。そして今から有機農法の畑まで歩きますが、この先、途中でモグラトンネルがどのような方角に向かっているかを観察してください。住みかから距離にして300メートルほどのところまでをエサを求めて毎日のように、動き回っていますから』
「お〜い、モグラトンネルを見つけたぞ」「ほんとの通路はもっと下のほうにしっかりしたのがあるんだって」「やはり、有機農法の畑に向かっているなあ」「周りの畑ではエサがないんでしょ」「ミミズとモグラとの関係はどんなになっているんだろう?」
『はい、着いたところが有機農法の畑です』「わあ、野菜のお花がいっぱい咲いてる。黄色い花ばかりだね。この紫色の野菜は何かしら」「このダイコン、スイカみたいに甘い」
「ほんとだ。あまいね」「ぼくも食べてみる」「甘い!」「ああ、やっぱり、モグラ塚がいっぱいあるう!」
ここで、一番新しいモグラ塚を選んで、そっと掘り返してみました。タケノコがニョコっと出てきたようなふっくらした盛り上がり状態になっています。この塚を掘り、モグラの穴を確認すれば、何かまた新しい発見があるかもしれないと思ったからですが、穴がどうしても見つからないのです。これは以外でした。どうしてなのでしょう。いつもは、すぐにモグラが通っている横穴を発見できるのですが。
考えられることは昨夜の雨が関係しているのかどうか、あるいは三寒四温の時期で、気温の低下です。山は白くなっています。そこで寒さや雨水の侵入を防ごうとして、穴をふさいだのじゃないでしょうか。
この仮説が、その通りかどうかは今度、降雨のあった後の同様の条件下にて調べてみたいと思います。そしてミミズ調査も行いました。がしかし、見つかるところは少なかったのも意外な結果となりました。むしろ、雑木林でのミミズ調査のほうが確立ははるかに高かったのです。
大きさの点では、この有機実顕畑のほうが大きいのが見つかったのですが。
今回の調査は、簡易調査でしたから、この結果が一般的なミミズの生息状況を表しているということにはならないという点にだけ、注意しておいていただきたいと思います。
そして
キャノワームのミミズで環境学習をしました。
         
この時期には、花蜜を求めてハチさんやチョウが飛んできます。しかし、今日は見られません。
ジグモの仲間やテントウムシなどは、あちらこちらで見ることが出来ました。
オオイヌノフグリは、午前中では、少しだけしか花を開いてなかったのですが昼前には綺麗な青色の絨毯を見せてくれました。
ミミズは恐竜全盛期よりも、まだ二億年前の、今から四億年前、古生代のオルドビス紀層に、その化石が見つかっています。この時代には皆さんもよく知っているオームガイがいました。

文献によれば
アランダスピス:
体長15p。無顎類の中では最古の異甲類で、オタマジャクシのような姿。不器用な泳ぎで、オウムガイなどを捕食していたと考えられている。

カンブリア紀のオットイア:
体長2〜16cm。現在のミミズと同じ種に属する生物で、海底の砂礫層に生息する肉食性の生物・・・・と記述されています。
このようにミミズは「生きた化石」的存在であり、このミミズを媒体としての「環境教育プログラム」が、もうすぐ始まろうとしているのです。

ひとくちテスト
寒い冬にクワガタムシはどこにいるのでしたか?

答え
「クワガタムシの成虫は朽ちたクヌギの中に、幼虫はそのクヌギを食べ
シマミミズも朽ちたクヌギの中にいましたね。」
それでは次回にお会いすることにしましょう。

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