サラウンド 「うざったいから」という棘が刺さった そこを通るとどこかに刺さっている 痛みではなくて目にみえないほどの 触手だろうと近頃思えてきた 理解と慈愛では癒せぬ棘の痕 人を拒む棘ではないのだが どうやらそれが自らを引き離す 愛のささやきであることを 気付いていないように思えた それもまた深く気付かずに 刺さった未明の棘かもしれぬ 凛々しさからすべてが始まる 光明を携えて照らしつつ コントラストを削りゆき 中間色を淡くまた淡くして 影が姿を顕わにしていく 僕の透明さはこのやり方 昔から教わることなく いつも変らぬこのやり方 きゆるもあり自ずから 存在が去り行くこともある 追うも惜しくもなくて ただ光明の先見る為に 自己を棄て光求め続ける 殺伐としたところを どこまで相手に示すかが 難しいですね 隠して結ばれ隠し通せるものではない。 そりゃあ愛にすがることも可能でしょうが どうでしょうね。 いつしか埋められない溝ができてしまう気になる。 相手の一言をいつまでも覚えている人もいる。 なかなかこれが消えないもの 後から思うのは何故その時 相手にすぐに確認しなかったのか それもなかなかできないことだ。 優しさは別のところにあると思います。 繋がりがあるとしたら、 そういう自分を知るが為に 相手に優しさが示せるということではないか 本当の優しさです。 苦労した人という優しく見える人です。 慈愛というものですかね。 尾根を歩くと様々な風に出遭う ささやきざわめきつぶやき 無意味な音ども 人であるから風の声になる 己ってなんだろう 汗掻いて働く自分だろうか 寝転んで本と旅してる自分なのか 恋心踊らせて 恋人に寄り添う自分だろうか 見知らぬ己も居ることだろう 出逢いのない己の話はもういいんだ 汗掻く己で話をしようよ 虚無な世界に論理も理屈も要らぬ 汗掻く己が吐き出す言葉が欲しい 土にまみれたことばに渇くのだ 逢ったとしても、 共に過ごしたとしても・・ その目で表現を補ったとしても 果たして意に添うように 伝わるものだろうか 別に言葉のやりとりでの 相似形で判断はしていませんが まるっきりの出鱈目でもない 補足はあくまで補足で 肝心なところは言葉でも分かる 言葉を軽んずる相手ならべつですが 自虐ー虚無ー猜疑ー このサイクルが続きます。 そしてからりとした晴れ間に 瞬間移動している自分がいるのです。 逢えればなんとでもつたえられますよね。 逢えないからなおこまるのです。 言葉だけの世界でのこと。 あなたなら諦らめますか? 所詮無理なことだと近寄りませんか 君の言葉を待っていた いつもどんなときも 言葉からエクスタシーを覚え 言葉に涙したこともあった 罵りを愛の証しと受け入れたり 言葉からの怒りを噛み締めた終日 送りし言葉の虚しさに耐えたことも 捧げた言葉の見返りに心踊らし 眠れぬ日々もありました ただひたすらに言葉を待ちわび 見返りの重さを背にしたくて 終着駅のプライドは揺るがない不動明だ ベクトルの向きさえ転ずれば進めるのだ ふたつのプライドぶつかりしとき あれば惑わず向きを選びたいと思う プライド重なりしときがあるならば 向きを合すに懸命でありたいものだ いつもそうしてきたがこれからも エントロピーを信じておきたいものだ タイムカプセルなんて絶対イヤ! それは初めての自己主張でした 誰だって嫌なことではあります 降明さんが円満夫婦なんて 刹那の存在と明言していた だからこそ嫌なことなのだろう 悔いが余りに多くて強くて 彼等のような関係が育めないから 本音で向き合うことができないから そうしないと生活できないから でも生活を苦しんだ人には穏やかな 別れを持てることを称えてあげましょう そして心から認めてあげましょう タイムカプセルは彼等だけの 逢瀬の館なんでしょう 深夜の道をひとりゆく 明かり求めて見上げれば 夜空に毅然と三日月あり 歩を止め誘われし鋭さに心預けし冬のひととき 若き日の危うき言葉に 惹き寄せられて 問えば今はなきものと つれなきおことば断たれし提示に罪なしか いまか今かと待つひとありて 整え襟正して待ちわびる 山肌に萌黄色の化粧をし 存在を告げるごとく 息吹きのあることを 待ち人に告げ置く 幾度も言い聞かせるも 踊らされ好い気になって 寒空に置いてきぼり 怖さとはそういうものだ 狂いの中に一点の瞬く星を添えおいて 兆しひそかに望むれど甲斐なし 捻じれし人の絡み解けず いらちの渦に為すすべもなし なんとなくそう思う 詩人はそれを言葉で表現する グサリと突き刺さる ああこういうこともあるのか もうこれ以上は露わにしたくない これもそうだそしてあれも ことばから言葉へ イメージが広がりそして 生まれる言葉の塊が作られそこに 幾重にもイメージが濃厚になり 無数の尾ひれを靡かせ触れ合う ある人は作られた詩を捨て去り 過去としまた作ろうとする ある人は大事に遺しその上に 塗りかさねようと傷をなめ さらに傷つきつつ 痛みを確かなものとして享受する そして飛翔ができるのだと 独りなんども暗誦している 山に登ると逢う人が挨拶交わす こんにちはコンニチハー 名も知らぬ素性も知らぬでも 山に登る行為が同じ旅人どうし 憩い小屋で交わす二言三言 名も知らぬ素性も知らぬ でもその横顔が物語る 人となりが受け止められる そこは誰のものでもなくて やまびとの憩いの地 孤独のほこりを残す処 形のない心のほこり 誰にも及ばぬ散りぼこり