ジェンガ

「別れましょう、私たち・・・」 いつも食事の後に歩く高瀬川の歩道の中ほどで、理沙は静かに言い切った。 「なんだよ、急に、何を言っているんだ」 「急じぁない、付き合い出してから、ここにあったの、ずっと」 右手を胸の下にあてがいつつ、理沙はここを示した。 「知り合ってからずっと、そんなこと、余計解からない」 由は何かを堪えつつ俯き加減のままに呟いた。 二人の関係は、由の中では健やかな成長を画いていた。確かによく喧嘩もし 不具合を耐えあったこともしばしばあったが、結婚に向けての階段は一つ一つ クリアーしてきたはずだった。 沈黙は暫くつづいた。二人にとってはそう長くなかったが、いつもの別れ道は すぐ目の前にあった。 「メールで送るから。ご免ね。」 「今度いつ会える、まさかこれっきりなんて言わないよね」 「うん。でも暫く考えたいの。だからそれまで、会いたい気持ち抑えてほしい お願い・・・」 理沙の瞳は潤んでいた。 二週間が過ぎた頃、理沙からメールで会いたいという伝言が届いた。