フクロウの秘密兵器

2000.12月号

 フクロウの仲間は、フクロウ科とメンフクロウ科に分かれています。日本にはフクロウ科に属するシマフクロウ、トラフズク、フクロウなど十種と迷鳥でメンフクロウ科に属するミナミメンフクロウがいます。
 フクロウ類の中には耳のように見える羽角をもったワシミミズクやコノハズクがいるのですが、よく、羽角をもったものを「ズク」といい、羽角のないものを「フクロウ」と思っている人がいるようですが誤りです。
 例えば、立派な羽角をもつシマフクロウでさえ、ズクとは呼びませんし、これとは逆に羽角がまったくなくてもアオバズクと呼びます。

【秘密兵器T】
 フクロウの仲間が夜間、真っ暗な森の中で活躍出来るのは、目の網膜に薄暗いところでもよく見える棒状の桿体細胞が多く分布しているからなのですが、実はこの細胞は色を見分けることが出来ないようです。そのため夜行性のフクロウのほとんどが色盲という訳です。
 これに対して昼間活動するスズメやカラスには桿体細胞が少ない代わりに色を識別出来る長楕円形の錘体細胞がたくさん分布しています。 このため、これらの鳥たちは、暗くなってくると目が見えない状態になってくるわけです。

【秘密兵器U】
 ところが、いくら夜目が利くフクロウとはいえ、闇夜の森の奥で、全く光がないところでは、桿体細胞に集める光がないので何も見えません。 こんな時フクロウは耳だけで餌となる動物を捕らえる事が出来るのです。フクロウの仲間が他の鳥たちと大いに違う点は、人間と同じように目が前に付いていることと、目の周りがハート型をした平板になっていることです。この事を顔盤と呼んでいますが、暗闇でノネズミが発する足音などをこの顔盤で受け止め、それを顔の両端に位置し、上下に微妙にずれて付いている左右の耳口に送る事によって、両方から入る音の時間差を利用して餌動物の位置を知る事ができるという訳です。
 フクロウが自然条件下で餌を捕るときは、大きな目を見開いて餌動物を追っているので、目と耳の両方を使っているようです。

【秘密兵器V】
 さて、フクロウがいかに性能の良い目や耳をもっていても、警戒心の強い餌となる小動物に向かって飛んでいる時に、大きな羽音を立てたのでは、音による位置測定が出来ないばかりか逃げられてしまいます。
 ところが、フクロウの風切羽(かざきり)は細かい綿毛で覆われていて、あたかも消音装置付きの翼になっているので、まったく羽音もたてずに獲物に近づき餌を捕らえる事が出来るのです。

 こうやって調べてみると、フクロウの秘密兵器のすごさがわかりますよね。そうなんです、これらの仕組みはすべて軍事技術に使われているわけですが、出来れば平和のための利用に限って欲しいですよね。

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