定林山 能成寺
JR身延線・金手駅から旧甲州街道に出て、城東一丁目の信号を左折、誓願寺踏切で身延線を渡る。
さらに進んでクランクを抜け、しばらく行くと左手に大きな石の門柱がある。能成寺の入口だ。
 門を入ると右手には、ここにかって大池があったことをしのばせる「宿竜の碑」、左手には天保11年
に建てられた「名月や池をめぐりて夜もすがら」と刻んだ芭蕉の句碑がある。このあたりから緩やかな
勾配になり、右に曲がったところで左手に城壁を思わせるような石垣が現れる。本堂はこの石垣の上にある。
坂を上りきった一番手前が平成9年に完成した庫裏、
 隣に平成3年完成の書院、そして昭和61年に再建
された本堂と並ぶ。背後には愛宕山の斜面を利用した
ブドー畑が広がり、秋には一段と風情を添える。
 同寺は江戸末期の火災と昭和20年の戦災で宝物や文書類
を焼失してしまったが、現在、天文11年(1542)の「信玄の制
札」、天文19年(1591)の「加藤光泰禁制」八代に寺領があった
ことを伝える「四奉行判物御寺領覚」の文書がある。
 この寺は、貞和年間に天目山栖雲寺開山の業海本浄によって
小石和筋の八代郷に開かれた。後に甲府市西青沼に移され、
文禄年間に現在の地に移転した。