環境破壊の恐ろしさについて
☆環境問題についての無知こそが最大の問題である。
導入・・・食物連鎖により自然のバランスが保たれているとすれば、生き物は、個体数が増加すれば食物連鎖の定めによりいずれは減少する。
○人間は果たしてそうであろうか?
↓(以下のような内容に導きたい)
・自然のバランスからはみ出しているのではないか。(人間は増えすぎている)
○人間の文明は、自然に悪影響をもたらしてはいないか?
↓ (以下のような内容に導きたい)
・自然界にほとんど存在しなかった物質を発生させた。
・化石燃料(石油、石炭)を過剰に使いすぎている。
・個体数の増加
・文明が発達する
・化石燃料の過剰使用
・自然界にほとんど存在しなかった物質を発生させる
の4つをキーワードとして板書し、これを始まりとして以下に示す概念地図のような形で、様々な問題をつなげていく。(板書の時間が短縮できるように、あらかじめ用語を紙に書いておき、後は、順々に黒板に張っていくという方法が望ましい。)
○個体数が増加しすぎるとどうなるか?→森林破壊、温暖化、砂漠化
─ 例 森林破壊
・西洋文明が入る前、途上国では自分達が食べる分だけの作物を共有地で育て、自給自足していた。
・先進国から大規模な農場経営手法が入り、共有地は政府や先進国の農場になってしまったため、人々は、自分用の作物を育てる変わりに、農場で働き、その賃金で生計を立てるようになった。
・農場の低賃金では生活が苦しいため、働き手を増やすため子供をたくさん産む。
・更に、進んだ医療技術が西洋から流入し死亡率が下がり、人口が爆発的に増える。
・人が増えた分の食べ物を調達するために、未開発の熱帯林を焼いて畑を作り、作物を育てるようになる。
・熱帯林の土は、日光・風・水の浸食に弱いため(熱帯林の土壌で栄養分を含んでいるのは、表面のわずか数cmに過ぎないため。)切り開かれた土地は、すぐに痩せてしまい、人々は、新たな土地を求めて奥へ奥へと熱帯林を切り開く。
人口が増える→ 人口を養うために森林を切り開く→ 森林破壊→ 温暖化
↓
人口を養うのに必要な家畜が増える→ 家畜が牧草を食べ尽くす→ 砂漠化
○自然界にほとんど存在しなかった物質は、環境にどのような影響を与えるか?
硫黄酸化物・窒素酸化物・・・酸性雨の原因
・硫黄酸化物は、石油や石炭を燃やしたときなどに、窒素酸化物は、自動車のエンジンで燃料を燃やしたときなどに発生する。
・大気中に放出された二酸化硫黄SO2や窒素酸化物NOxがO3など酸化力の強い物質と反応し、りゅうさんH2SO4や硝酸HNO3に姿を変える。そして、これらが雲を構成する水滴の核として取り込まれたり、降下する雨滴に溶解して強い酸性度を示す雨水として地上に落下する。
・建造物や金属の表面を腐食させる。
・森林に大きな被害をもたらす。(例 ドイツ南部のシュバルツバルトという広大な森林地帯では、酸性雨の影響で75%が枯れた。)土は、多少の酸性雨なら中和させる事ができるが、酸性雨が降り続くと土は死ぬ。土が死んでしまうと、次の酸性雨に耐える力はなくなり、森は一気に枯れてしまう。
フロン(スプレーや冷却剤に使用)・・・オゾン層の破壊、温暖化の原因
・フロンガスは、科学的に非常に安定した気体である。(燃えないので引火したり爆発したりする危険性が無い。さらに毒性がほとんど無く安全。)
・人体には害をもたらさないフロンが、オゾン層を破壊する。
@フロン→塩素原子
ACl+O3→ClO+O2
BClO+O→Cl+O2
@ではフロンが上空で強い紫外線を浴びて塩素原子が分離する。
Aではその塩素原子がオゾンを攻撃し、一酸化塩素と酸素に分解する。
BではAで生まれた一酸化塩素が再び酸素原子と結合して塩素原子と酸素に変わる。この時にまた塩素原子が@に戻って、次々とオゾンを破壊するこのようにして塩素原子一個で数万個のオゾンを破壊してしまう連鎖反応が起こる。
・オゾン層が薄くなれば、地上に届く紫外線が増え、体に悪影響が出てくる事は避けられない。オゾンが10%減少すると皮膚癌にかかる人が20から30%増えるといわれる。もしオゾン層が完全に破壊されてしまえば、皮膚癌や白内障の発生率が高まり、人間の免疫力が下がると予想される。また、農作物の収穫が減少したり、浅海のプランクトンが絶滅したりという動植物への被害も予想される。
ダイオキシン・・・ガンの発生、奇形児が生まれる
・ダイオキシンの8から9割は、ごみ焼却施設から大気中に排出されている。(全国3800ヶ所で年間約15s)除草剤の製造のときの副産物としても出る。
@ゴミ焼却により発生
A化学薬品製造工場での関連薬剤の製造とその使用に関して発生
B有機塩素化合物である各種塩化フェノール類や塩化ベンゼン類などの製造や使用により発生
C塩素漂白剤の使用により発生
D製鉄用電気炉からの発生
・人口化学物質を300~600℃で燃やしたとき、特に不完全燃焼させたときに多く発生、850℃以上で燃焼すればほとんど発生しない。
・ダイオキシンは微量でも毒性が強いので、50sの大人が一日あたり250pg(ピコグラム:一兆分の1g)以上摂取するとガンの発生や奇形児が生まれる可能性が高くなる。(例えば、ゴミ焼却施設から大気中に排出されている年間約15kgのダイオキシンでは、何人の人がガンになるのだろうか)
15kg=15000g 年間15000g=1日当たり15000÷365
=41.1g
41.1g=41100000000000pg
ダイオキシンは、ゴミ焼却施設からの1日あたりの排出だけでも
41100000000000pgにいたるのである。
一日あたり250pgのダイオキシンでガンの発生率が高まるとすると
41100000000000pgという数は大変なものである。(実際は、大気中に放出されているので、直接人間にこれほどの影響を与えることはないが、41100000000000pgというダイオキシンは確実に環境に蓄積しているのである。)
・国の対策では、将来的にダイオキシンの量を今の数%におさえる。人体にとって一日あたりの許容量としては体重1sあたり4pgとする。
PCB(電気製品に使用されていた)・DDT(殺虫剤に使用されていた)・ダイオキシン
・・・環境ホルモン(外因性内分泌撹乱人口化学物質)
・ホルモンは通常情報伝達物質で生体の状態を一定のバランスに保つはたらきをしている。このホルモンが目的とする器官の細胞の核の仲のレセプター(受容体)と結合して、初めてホルモンの効果を発揮する。環境ホルモンは、体内で分泌されるホルモンと大変似通った形をしていて、レセプターが誤認して結合してしまい、意図しないのにホルモンの効果を発揮してしまう。(ここで深入りしてしまうと、高校生物の内容になってしまう。そうなると指導要領より外れてしまうことになるので、それぞれの名称などにはふれずに、図解で環境ホルモンが、悪影響を与えるしくみを示す程度にする。)
・生殖機能・免疫異常・アトピー性皮膚炎への影響が大きい。
・PCB・DDT・ダイオキシンは、女性ホルモンとして誤認される。
・生殖器の発育不全、精子数の減少等
・ワニのペニスが極端に小さくなる。カモの同性愛
また、PCBやDDTは、川や湖を汚染する物質でもある。
(ここでは、植物連鎖によって、有害物質が人間に吸収されるころには、かなり濃縮された状態になっていることにもふれておくべきである。)
○化石燃料の過剰使用が環境に与える影響とは?
・化石燃料を燃やすと、温室効果ガス(二酸化炭素が発生する)→温暖化
(ここでは、図解によって温室効果のしくみを理解させる。温室効果ガスは、可視光線は通すが、赤外線は吸収するということは難しいので極力ふれない)
温暖化による被害
・森林の生態系破壊。
・水量の変化・水質の悪化
。
・海水面の上昇により、ゼロメートル地帯が広がる。
・光化学スモッグの増加
などがあげられるが、これも一例に過ぎない。温暖化によって様々な影響が考えられるが、実際に、具体的に解明されていることは少ないのである。ゆえに、ここでは温暖化によって予想される影響を、子供たちに科学的に考えさせる。
○概念地図法により、個々の環境問題をつなげて考えさせる。
○環境問題改善のためにはどうするべきなのか。
エネルギー問題について
○昔に比べて格段に便利な世の中になっている。そのように感じる事は、何だろう。産業革命以前に比べてはどうだろうか。
(電気製品や、燃料を必要とするものが増えているということに気づかせる。)
○電気はどのようにして作られているのか
発電のしくみ
・火力発電
・原子力発電
・水力発電 }・・・模型 (後ページに示す)
・風力発電
・太陽光発電
(ここでは、簡単な模型を使って、発電の仕組みは基本的には、電磁誘導であるということを目で見せたい。発電のしくみをイメージできるようにする。)
○発電には、化石燃料(石炭・石油など)を使用するものと、クリーンエネルギー(風力・水力)を使用するものとがある。化石燃料は無限に存在するわけではないので、いずれは枯渇する。(後のペ−ジに示すエネルギー資源の確認埋蔵量の資料を使って確認させる。)
石油を例にあげて、資料から確認埋蔵量と、年間使われる石油の量を引き出し、簡単な計算によって可採年数を求めさせる。(厳密にすると計算が非常にややこしくなるので、おおよその値にする)
↓
化石燃料がなくなれば、世界経済の成長はストップし今までのような生活は送れなくなる。
○このような状況を改善するためにはどのようにすればよいだろうか
(1)再生可能エネルギーに切り替える。
(2)エネルギーを節約する。 (この2つに沿って考えさせる)
再生可能エネルギーに切り替える
再生可能エネルギーとは、水力や風力のように使ってもなくならないエネルギーのことである。他にどのようなエネルギーが考えられるだろうか。
(ここでは、発電方法を創造させることで、科学的な考え方を養わせる。)
たくさんの発電方法があるが現在では、水力発電を除いて、必要量の100分の1程度にしか再生可能エネルギーは利用できていない。しかし、近い将来石油や石炭が枯渇してしまうことは確実なので、われわれ人間は、このような発電方法をより発展させ、エネルギーが賄えるようにしなければならない。また、一人一人が省エネを心がけ、少しでも長く今ある資源が使えるように努めねばならない。
(エネルギー問題を、科学的、数量的に扱うことによって、具体的な危機を感じ、その危機に対する前向きな姿勢と上記の文章の本質的な理解を促すことがここの内容でのポイントである。)
発電のしくみの模型


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