海洋汚染等について
1995年の環境庁の調査(BODやCODについて)では、環境基準を達成していない川は28%であり、都市部を流れる川の汚濁がひどい。湖では、霞ヶ浦、諏訪湖、琵琶湖などの代表的な湖でアオコが発生し、全国の60%もの湖が環境基準に達していない。海域については、窒素やリンなどの流入により富栄養化の状態であり、赤潮、青塩が発生し、漁業に被害がでている。全国で20%の海域が環境基準に達していない。

 BOD・・・河川などの汚れの数値を表すものであり、水中の微生物が、有機物を酸素分解するのにに使った酸素量を示す。
COD・・・水中の有機物を酸化剤である過マンガン酸カリウムが二酸化炭素と水に分解するときに必要な酸素の量を示す。有機物が多いとたくさんの酸素が必要である。

なぜ川や海が汚染されるのか
 これまで川や、湖、海は人間が捨てたものを無限に飲み込むものであると思われ、家庭のゴミや工場から出る廃棄物、などが、当たり前のように捨てられていた。
 ゴミを処理するときにはカドミウム、PCB、ダイオキシンなどの有害物質が発生し、工場の排水の中には水銀、銅、鉛が含まれる場合がある。
 川や海の汚れの7割は、家庭からの排水が原因である。公共下水道がないところでは、トイレの排水は家庭の浄化槽で処理されるか、くみ取られてし尿処理場で処理されるが、その他の家庭排水は側溝や廃水路からそのまま川に流れ込む。公共下水道のあるところでは、下水処理場に流れ込み、処理され川や海に放流されるが、現在の下水処理場の能力では元の水質にまで戻すことは不可能である。
 さらに、ゴルフ場の美しい芝を守るためにまく農薬が問題である。この殺虫剤や除草剤といった有害物質がたくさん含まれている農薬によって、ゴルフ場の土が汚染され、そしてその土の中を流れる地下水が汚染される。汚染された地下水は川や湖に流れ込み、海にまで広がっていくのである。
 本来、川や海はたくさんの微生物が汚染物質を分解してくれるため、汚染を浄化する能力を持っている。しかし、一定量を超す排水が流れ込めば浄化は間に合わないのである。こうして、世界中の多くの川や海が非常に汚れてしまっているのである。


川や湖の汚染はどのような影響を与えるか
 川や海の汚染はそこに住む生物に大きな害をもたらす。住みかの水の汚れに適応できなくなった生物は死滅してしまうのである。また、排水に含まれる栄養分によって藻などが異常に発生して酸素を独占し、ほかの生物が死滅してしまうこともある。
 川や海の汚染は人体にも影響を与える。第一に飲み水が汚染される。また、汚れた川や海に住む魚や貝には汚染物質が蓄積されるので、これらを食べれば人間の体内にもその成分が取り込まれてしまう。(プランクトン→小さな魚→大きな魚→人間へと、食物連鎖を通して有害物質は濃縮され蓄積していく。)例えば、日本でも戦後しばらくまでは殺虫剤としてつかわれていたDDTという有害物質が人間の体内に取り込まれると、肝障害を起こしたり、ガンになったりすることが判明している。また、母胎にDDTが蓄積されると先天的障害児が生まれる確率が高くなる。このため、多くの先進国での使用は禁止されている。しかし途上国では未だに農薬として使われ、地下水を通じて周辺の川や海を汚染している。
 このように我々の生活や産業活動は川や海の汚染という形で生命を脅かしている。

 DDT・・・1950年代から農薬、殺虫剤として大量に使用され、鳥や魚、人間の肝臓障害などを出し70年代前半に禁止になった。

PCB・・・1930年頃から、電気のトランスやコンデンサーの絶縁油、感圧紙のインクなどに使われていた。70年代に禁止、回収されたが世界中には40万トンが環境中に放出され、その半分以上が海中にあるといわれる。


対策
 現在、水質汚濁の原因は産業排水より家庭からの生活排水が大きな問題となっているので、まずは個人個人が家庭での水の汚れを減らすことを心がけることがたいせつである。
 また、石鹸や合成洗剤などの有機物は、特に河川の水質を汚染してしまうのでできるだけ使用量を減らす工夫をすることが必要だ。

最初に戻る