野生生物の減少について
 古来から生物は地球環境の変化に応じて、ある種は絶滅し、またある種が生まれてくるということを長きにわたって繰り返してきている。今に始まったことではなくこれまでにもたくさんの種が絶滅してきているのである。例えば、恐竜は絶滅した生物の一例である。ところが、17〜19世紀にかけては4年で一種、1900年には1年間に一種が消えていたといわれている。すなわち絶滅のスピードが大幅に加速していることこそが問題なのである。
 そして現在では、その時代にもまして絶滅のスピードは大幅に加速しているのである。1975年には1年間に1000種となり、1980年以降には1年間に40000種以上が絶滅しているのである。絶滅のスピードは、恐竜時代の4000万倍にまでなっている。
 1996年国際自然保護連合が発表した絶滅のおそれのある野生動物のリストによると、地球上にいるほ乳類の約4分の1に当たる、約1100種のほ乳類がリストアップされている。(地球上にいるほ乳類は約4000種強といわれている。)

野生生物が減少している原因
 人間の活動が、原因である。
 人間の食料のための乱獲である。マンモスや、アメリカ開拓期のバッファロー、そして鯨などがこの例である。
 都市開発や森林破壊によって住みかが奪われている。例としては、アマゾンの熱帯林の伐採により、多くの生物が住みかを奪われている。
 生活排水、産業排水によって住みかが奪われている。例として、アメリカ五大湖の汚染によって、澄んだ水を好むイガイという貝の殆どが死んでいる。
 温暖化によって生活環境が変えられている。温暖化によって海水温度が上昇したため、水温に敏感な珊瑚が各地で死滅している。水温の上昇によって動物プランクトンの80%が消滅した地域もある。気温が2度上昇すると、植物に適した場所が、緯度方向で200〜300キロメートル、垂直方向で600メートル移動するが、植物はそんなに急激に移動できないので破壊されてしまう。

生物が減少するとどうなるか
 自然界は食う食われるの関係(食物連鎖)によって成り立っている。植物を草食動物が食べ、草食動物を肉食動物が食べ、肉食動物の死体を栄養分にして植物が育つのである。故に、このうちの一つでも欠けると、自然のサイクルが壊れてほかの生物に影響が出るのである。(例 山林開発が進みそこに住む小動物の数が減ったため、日本オオカミは全滅した。)
 人間にとっても例外ではない、例えば、海洋汚染や大型漁船による乱獲のせいで、漁獲高は停滞している。これは一人あたりに当てられる魚の量が減ることを意味している(食料が減る)。人間も自然界の一部であるので、自然と調和できなければ、生きていくことはできないということである。

野生生物の減少に対する対策
 生物の減少をくい止めるもっとも効果的な方法は法規制である。現在、絶滅の危機に瀕している野生動物の捕獲や取引が1975年に発行したワシントン条約により禁止されている。(日本は1980年に加入。)1992年には絶滅の危機に瀕している野生動物が住む地域の開発に制限を加える生物多様性に関する条約が定められている。民間団体としては、世界最大の自然保護団体WWFが、鯨や珊瑚の保護に積極的である。
 野生生物の減少は、ほかの環境問題とも密接に関わっているのでそちらの改善も重要なのである。

絶滅に瀕している主な野生動物
 アフリカ象、サイ、大カワウソ、ベンガル虎、鯨、ツキノワグマ
日本では、コウノトリ、日本カワウソ、トキ、イリオモテヤマネコ(沖縄)などがいる。

この知識だけは、絶対必要、野生生物の減少について

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