日本の自然文化
日本は自然豊かな国です。冬でも泳げる沖縄、夏にスキーの出来る高山、たまにオーロラも見られる北海道など
世界的に見ても狭い地域で、これほどの多種多様な自然があるのは日本だけだと思います。
日本人は、そんな自然環境の中で木の文化や土の文化を築りあげてきました。
日本の木の文化は、はるか遠い過去の縄文時代まで遡ります。三内丸山遺跡にあるような巨大な木造遺跡や
ロシア大陸などへの航海の痕跡は、当時の土木に対する技術の高さを物語っていると思います。
縄文人は、斧を振り回しているような原始人ではなくて、非常に高度な技術を持っており、おそらくこの時代は、
日本が最も最先端を進んでいたといっても過言ではないでしょう。日本には鉱山がほとんどなく青銅器や鉄器の
文明が発達しなかったので、その分だけ、木や土の文化がさらに発達していったと思います。
縄文式土器は、日本だけでなく太平洋の各地に点在しており日本が世界の中心だったように思えてきます。
日本の自然環境は決して優しいものではありません。冬の寒さ、梅雨の蒸し暑さ、あるいは秋の台風などに対し
日本人はうまく対応していく必要がありました。西洋人と日本人の自然に対する違いを考えてみると、西洋人は
自然を克服するタイプであり、日本人は自然と共存するタイプのように思います。西洋人の家はレンガ造りで、
いかにも自然に負けない感じです。レンガを作るためには大量の木が必要であり、ヨーロッパでは古くから植林や
開拓がなされてきて、ほとんど原生林が残っていません。そのために公園という文化が西洋で発達し、人工的に
整理整頓された自然環境が、街の至る所にあります。
一方、日本の場合はというと、もっぱら木を削って家を建てており、壊れてもすぐに立て直すという感じでしょうか。
よって、例えば流れ橋というような発想は、日本人にしかできないのではないでしょうか?
また日本人には、物には霊が宿るという信仰がありました。古くから聖域が多く存在し、そこに神社が建てられて
その多くは太古のままに保存されています。よって日本各地に原生林があります。(例えば春日原生林など)
さらに自然の性質を理解してきたことで、和紙や漆・鋼の鍛造など世界の誰も真似できない技術も生まれました。
そして木の文化で一番忘れてならないのは法隆寺でしょう。世界最古の木造建築物で、1300年以上経った今でも
当時のままなのですから。世界の古い遺跡といえば、石やレンガが積み重なった廃墟であって、もちろん使われて
いません。千年を超えて地上に建ち続けられる世界史上最高の土木技術と、残してきた日本人の心の豊かさと伝統
があってこそ、成り立っていることのように思えます。ちなみに、1000年以上も経つ建物がまだまだたくさんあるので
まさしく世界遺産ですね。あと太平洋戦争でアメリカが京都・奈良だけは守ったことも、決して忘れてはいけません。