3.喫煙に対する意識

(1)喫煙開始の動機

  喫煙開始の動機について調べたいくつかの調査によれば、「好奇心」あるいは「なんとなく」をあげるものが大半であり、「友
 人の影響」がそれに次いでいる。たとえば、大学生を対象とした村松らの調査によれば、男子の約50%、女子の約70%が「好
 奇心」をあげている。また、同じく大学生を対象とした皆川らの調査でも、「なんとなく」「好奇心から」「友人が吸っているの
 をみて」「大人や友人にすすめられて」の順となっている。
  青少年の喫煙行動は、彼らの周囲の人びとの喫煙行動と関連があることが明らかになっている。たとえば、中学生を対象とした
 小川らの調査によれば、喫煙する親、兄姉、親友をもつ中学生は、そうでない中学生よりも喫煙経験率が高かった(図・・1−8
 (略))。同様の結果は、中・高校生を対象とした川畑らの調査、高校生を対象とした野津の調査でも得られた。
     図・・1―8 家族・親友の喫煙と生徒の喫煙経験(略)

(2)喫煙者の行動や性格

  村松は、女子学生を対象として喫煙行動と日常生活行動様式の関係を調べ、喫煙者は非喫煙者に比べて、飲酒をし、外出を好み、
 芸能誌やCMに対する興味が強いことを報告している。成人男子を対象とした小川らの調査においても、村松と共通する結果が得
 られているが、小川はさらに、喫煙者の性格が非喫煙者に比較して外向的であると報告している。
  また、渡辺は、大学生を対象として、人格変数と喫煙行動との関連を調べた。それによると病気の原因を運や環境のせいである
 と考える傾向のある人たちは、病気の原因を自分自身のせいであると考える傾向のある人たちよりも喫煙率が高かった。

(3)禁煙の意欲

  喫煙に関する全国意識調査によると、喫煙者の約70%が「禁煙したいと思っている」あるいは「実際禁煙したことがある」と
 回答している(表・・1−2(略))。また、大学生を対象とした皆川の調査でも,喫煙男子の70%弱と喫煙女子の50%弱が
 禁煙意欲をもっている。
  禁煙意欲の理由に関する調査によれば、「健康影響」をあげたものが大部分であった。逆に禁煙不実行の理由としては、「習慣
 性・依存性」をあげるものが最も多く、次いで「意志薄弱」であった。
     表・・1―2 性・年齢階級別にみた禁煙意欲(略)