4.喫煙の発がんに対する寄与率
がんの発生には多くの原因・リスクファクターが関与している。アメリカ人のがんについて、WynderやDollらは発が
んリスクファクターの寄与割合を推計している(図・・2−30,31(略))。その結果、喫煙は食物に次いで寄与度が大きく、
Dollの推計では約30%を占めている。
日本人のがんに対して喫煙の寄与割合を推計すると、表・・2−10の喫煙率が0%の欄にみられるように、男では全部位のが
んの29%、口腔・咽頭がんの70%、食道がんの41%、喉頭がんの93%、肺がんの67%となり、女では喫煙率が低いため、
全部位のがんの5%、喉頭がんの34%、肺がんの14%などとなっている。男女のがんを合わせると、喫煙は全がんに対して
18%の寄与率となり、アメリカ人のがんの約30%に比べると小さい。これは日本人の女性の喫煙率が低いこと、日本人では肺
がんなどに対する喫煙者の相対危険度がアメリカ人に比べて小さいことなどによるものと考えられる。日本でも喫煙率を0にする
ことにより、理論上は全がんの約20%は予防できるわけであるが、これは非現実的であろう。最近の日本人の成人の喫煙率の男
約65%、女約15%が半減以下となり、仮に男で30%、女で5%に低下すると、男の全がんの16%、女の全がんの3%、男
女の全がんの10%が予防できる計算となる。
図・・2−30 米国人のがんに対する環境性危険因子の寄与割合(略)
図・・2−31 米国人のがん死亡に対する各種の発がん危険因子の寄与割合(略)
表・・2−10 喫煙率の低下に伴うがん罹患数の減少(%)(略)