5.喫煙と慢性閉塞性動脈疾患
慢性の閉塞性動脈疾患の代表は閉塞性動脈硬化症とBuerger病である。わが国の疫学調査では、閉塞性動脈硬化症とBu
erger病の比はほぼ2:1であり、Buerger病の、盟者は全国では4000〜5000人ぐらいいると推定されている
i.閉塞性動脈
硬化症は、近年急増が報告されている。この増加の原因として、人口の老齢化が考られるが、他の要因については、研究報告
がなく不明である。一方、Buerger病のほうは増加傾向はみられていない。
喫煙は閉塞性動脈硬化症の発症の主たる危険因子であり、米国のフラミンガム・スタディでは、男の55〜64歳の年齢層で
は、たばこを吸わないものに対し1日20本以上吸うものの発症リスク比は4倍に達する。Buerger病は男性に多発し女
性に少ない。Buerger病発症の危険因子として喫煙が知られているが、わが国の疫学調査においても、Buerger病
患者はそのほとんどが喫煙者であり、また、多量喫煙者の割合が高いことが知られている。これらの慢性閉塞性動脈疾患の発症
予防と進展の防止には喫煙対策が重要であると考えられる。