6.喫煙と経口避妊薬使用と循環器疾患
経口避妊薬の副作用はその用量で異なり、わが国で喫煙との関係を報告した研究は得られてないが、喫煙習慣は、年齢と並んで
経口避妊薬使用者の循環器疾患の危険性に対する決定的な要因であることを、英国王立一般医協会の報告が明確に示している。す
なわち、喫煙者と非喫煙者とを比較すると、経口避妊薬の使用はすべての年齢グループの喫煙者に対して、相対的に大きくかつ過
剰な危険性を与えていることがわかる(図・・3−7(略)および表・・3−24(略)。過剰危険率は経口避妊薬使用者と非使
用者の死亡率の差である)。
喫煙および非喫煙の経口避妊薬使用者を別個に検討すると、相対危険率および過剰危険率の両方とも、年齢とともに増加したが、
危険率は喫煙者の間でより大きく増加した。高年齢群では喫煙と経口避妊薬の使用は相互に作用してより高い危険性をつくり出し
た。したがって、喫煙をせず経口避妊薬を使用もしない女性では危険性は低く、喫煙しているかあるいはピルを使用している女性
においてやや高く(両群はだいたい同じくらい)、喫煙をしていてピルを使用している女性において危険性は著しく高かった。い
いかえると、喫煙者で経口避妊薬使用者の循環器疾患による死亡の危険は、10歳年上の喫煙しないピル使用者と同じである。
表・・3−24 年齢、喫煙状況、経口避妊薬の使用別循環器系疾患死亡率および危険性(英国王立一般医協会1981
年経口避妊薬研究)(略)
オックスフォード家族計画協会の研究では、研究に参加したすべての女性の約40%が喫煙していたのに対し、循環器疾患で死
亡した女性では81%が喫煙していた。
また、Walnut Creek研究によると、喫煙は循環器疾患による死亡の危険度をかなり増大させるが、ピル服用はそう
でないことが判明した。
3つの主要なコホート研究と同様に、その他のコホート調査および多くの症例−対照研究があるが、その大部分は全循環器疾患
死亡率に関して、最初に示したコホート研究の主要な結論を裏づけている。
図・・3―7 喫煙、経口避妊薬使用経験、または双方に起因して増加する循環器系疾患による死亡率(英国王立一般医
協会1981年経口避妊薬研究)(略)