6.青少年の喫煙の影響

  大気汚染の影響をできるだけ除いて、加齢に伴う肺機能の変化を観察しようとした研究がある。米国コネチカット州の空気の清
 浄ないなかに住んでいる、子供から成人までの1262人を対象に、約6年の間隔をおいて肺機能が検査された。その結果、人間
 の肺の発育は25〜34歳頃まで続くが、肺機能はそれ以後横ばいとなり、さらに下降することが明らかになった。この研究によ
 れば、自然の肺の発育は、男女とも、喫煙によって抑制され、特に、15〜24歳の若年での障害が著しい。最近、英国の中学校
 (13〜16歳)の調査において、喫煙者で、咳、痰、運動時の息切れの多いことが示された。また、米国の高校生(15〜19
 歳)の調査により、喫煙者では肺機能が低く、さらに、咳、痰、息切れの多いことが明らかにされている。
  わが国で行われた大集団の追跡研究により、がんをはじめ、各種の疾患が、未成年のうちに喫煙を開始した者に特に高いことが
 示された。非喫煙者に比べ2倍以上の死亡率比が認められたのは、喉頭がん(34.5倍)、肺がん(5.7倍)、肺気腫
 (2.2倍)、気管支炎(2.0倍)、咽頭がん(3.4倍)、口腔がん(2.9倍)、胃・十二指腸潰瘍(2.8倍)、動脈塞
 栓・血栓(2.8倍)であった。表・・5−12(略)に示すように、14歳以下で吸いはじめた場合にはその影響が特に明らか
 であり、50〜59歳で死亡したものに限ってみるとその差はさらに著しい。
     表・・5−12 喫煙開始年齢別にみた死亡率の比(男)−計画調査1968−81(略)