3.受動喫煙の急性影響
受動喫煙の急性影響は粘膜の煙への暴露によるものと、鼻腔を通して肺に吸引され、そこから吸収された煙によるものとがある。
眼症状(かゆみ、痛み、涙、瞬目)、鼻症状(くしゃみ、鼻閉、かゆみ、鼻汁)、頭痛、咳、喘鳴などが主な粘膜の反応として自
覚されるものであるが、生理学的にも鼻咽頭反射を介する呼吸抑制、循環機能変化としての指先血管収縮、心拍増加、皺鼻筋筋電
図振幅増大などとして観察することができる。これらの症状や反応は、受動喫煙に関与する2種類の煙のうち主流煙によるより本
副流煙によるものの場合のほうが強い反応がみられるが、これは副流煙における各種成分の濃度の高さ、特にそのアルカリ性の中
に存するニコチンがいっそうの作用を発揮するためといわれる。また、反応は常習喫煙者におけるよりも非喫煙者におけるものの
ほうが強いことも確かめられている。これらの症状とともに、たばこ特有の香りなども協同して、他人のたばこの煙に対する不快
感・迷惑感の原因となり,それはたばこへの暴露時間とともに強くなる。受動喫煙が1時間以上にも及べば、血中COヘモグロビ
ン飽和度や呼気中一酸化炭素濃度の上昇、心筋の酸素需要度を表わすKatz指数(収縮期血圧×心拍数)の上昇、ならびに指先
と趾先の皮膚温の低下などが観察されるようになる。