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其の2
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死神に見初められて
高圧送電線鉄塔は、国民全体の墓標として予め建てられたものではないだろう。
原発や空港などが目と鼻の先に建設されるのを、黙って静観する人は少ない。わが町の少し歩いたとこには、80mの高さの50万V高圧送電線鉄塔が仁王立ちしている。また見通しのよいところでは、その送電線網で結ばれるタワー群が畑を切り裂き、防風林のような護衛主の面構えでゴンドラのないロープーウェイの渡しをしているのが見渡せる。ある種、脅威を感じざるを得ない。
大都市に電気を供給するため、その郊外では50万、100万Vの超高圧送電線網が張り巡らされている。郊外都市の住宅地に例の鉄塔が建つことなど日常茶飯事の出来事である。首都圏だって、下宿のアパートの窓を開けたら配電用の送電線や柱状変圧器が目の前に見えるなんてことは、そう珍しいことではない。
今までの家電製品の普及・今後の企業努力に伴い、一般家屋内の総使用電圧100Vでは足りず200V化というのもますます進むであろう。それに伴い、原発への依存、高圧送電線の網の目化は世の景気とは裏腹、その計画・実行は今後から近未来にかけ衰えを知ることはなさそうだ。
蛍光管は蛍光灯に取り付けなければ光らないハズである。がこと高圧送電線の真下では、なんの電源にもつながれていない裸単体の蛍光管が明るくなるという。
理屈が分からなくても、これを単に怖いと感じる神経は異常とはいえないだろう。またその理屈を知ることにより、恐怖はハッキリした現実として認識されることになる。
死神に見初められてから、私たちそれぞれは幾年重ねたのだろうか。
エジソン対テスラ
発明王エジソンは、<直流>の発電・送電方式に巨額の投資に打って出た。ただ直流方式の欠点に、距離に応じその電圧降下が著しくまた電線からの電流ロスも大きいことがある。現利用に適していない。
それに対し、同じ科学者テスラの提唱する<交流>はその欠点を補う。更に必要に応じその電圧を変化させることもできるのだ。ただ停電させやすいなどこちらもいくつかの問題を孕んでいたが、総合点でははるかにその軍配を引き寄せた。
そう、先進国アメリカはなんといっても経済性を最重要視、それを優位に見て採ったのだ。そして今日の主流は<交流>であり、日本の家庭用のコンセントからも容易に得られる電流はソレに間違いない。
エジソンサイド直流派は交流を危険と罵ったが、のちにすぐ触れることになる「電磁波が危険」という理由ではその時なかったが、「危険」という言霊だけがエジソンの亡霊のよう一人歩きし、今日の現実社会に重くのしかかって来たのだ。そしてそれが単なる脅威というだけで、事なきを得られる性質のものなのかこれから要領よく解き解してみたい。
身体に影響を及ぼすのは、「電気」よりむしろ「磁気」の方であることが解明されてきたのは今日こんにちのことだ。
光あるところには影がある。同様、「電気」の流れるところには「磁気」が発生する。またその逆に、「磁気」は「電流」を発生させることができる。言いたいことのつまりは、「電気」国が怖いようにその友好国「磁気」も恐れて当然といえよう。
地球は、北極のS極(N極ではない。S極だからこそ方位磁石のN極が引っ張られる)と南極のN極の巨大磁石といえ、人間は常にその磁気に晒されている。だがこの地磁気(地球の磁気)というのは、「磁場」と呼ばれる磁気の住所が変わらないものであり「静磁場」と呼ばれる。(市販されているピ○プエレ○バンのような健康マグネットもその仲間だ。)これは、地球に生まれた故代々ご先祖様の時代からそこにあったもので、それを免疫にしてきたという考え方より、むしろ「地磁気」も「生命」も同じ地球の落とし子という観点からすれば<友達であり>、<生命のリズムであり>なのだ。そうもともと、こいつ(地磁気などの「静磁場」)はシロである。
問題のクロは「変動磁場(交流磁場)」の方であり、(その性質)磁場が動くということが身体に有害であることが近年薄っすら判って来たのだ。ハッキリしてないものだから、このままうやむやで幕引きになる可能性も充分ある。
「変動磁場」の代表例、交流方式で送電される高圧送電線からも、その「磁気」は大量に漏れる。電化製品のほとんどすべて(直流電池で動くものなどを除く)からも、当然それは漏れるしその量は決して少なくない。勿論、各々の電化製品の個体差はあろうが。
交流の文明に、あたり一面交流磁場に置かれた私たちは、私たち自身の採択したモノを恨めしむストーカー並のエジソンの亡霊に付きまとわれてしまったかのようだ。
高圧送電線下のナイフなき殺人
時1979年アメリカ、コロラド州デンバー郊外におき、コロラド大学のワルトハイマー教授とリ−バー教授により、「送電線や変圧器の近辺に住む子供は住まない子供に比べ、ガン発生率が2倍強、白血病で3倍弱ある。」ことが調査報告される。ワルトハイマー・カテゴリーと呼ばれるもので、具体的に距離との相関に到るまで調べれたもので高い評価を得ている。
勿論異論を唱える者もいて、ワルトハイマーの研究調査はその後同じノースキャリライナ大学のサビッツ教授に受け継がれる。そして1988年、追調査の結果を発表した。
「特に高圧送電線の周辺に住む子供に、ガン(特に白血病と脳腫瘍)が多さが突出している。」事実を突きつけた。ついては、ワルトハイマー教授の研究の正しさを証明した。
「メドウ通りの災厄」と呼ばれる、同じアメリカ、コネチカット州ギルフォードの郊外にあるわずか200mしかない通りの中ですべて起こった悲劇がある。
メドウ通りの巨大変電所、高圧送電線に囲まれた9世帯のことごとくと言っていいほど、脳腫瘍や白血病で苦しんで亡くなる人が続発した。視神経に悪性腫瘍が出来て失明した女性や腕や足に腫瘍ができる人、頭痛に悩まされる人など生命の危機に至らぬまでも、その通りの住民はなんらかの障害で苦しむ形となった。
その後アメリカに限らず他国でも、ワルトハイマー教授らの熱意を組まれたような研究がさかんになった。
福祉国家と言われるスウェーデンのカロリンスカ研究所のアールボム博士らの報告は、「電磁波」を脅威のものとして知らしめる結果を盛り込んでいた。
例えばその象徴たる報告の1つとして、「ガウス単位でなく、わずかミリガウス単位の磁気の世界でさえ大きな変革を発信することを証明するが如く、小児白血病の発症確立は、1ミリガウス以下の磁気に晒されている子供と比較2ミリガウス以上浴びて2.7倍。3ミリガウス以上で3.8倍となる。」というものがある。その怖さは、例えば家で21インチTVを1m離れて見ているとしてブラウン管から浴びる磁気が約7〜8ミリガウス、コンセントにつないで使う電気カミソリなどは当然肌に密着させて使用し、その時の計測値約1万5000ガウス(1ガウス=1,000ミリガウスだから推して知るべし。)であるし各々を知れば知るほど浮き彫りになる。
高圧送電線の場合、スイッチを投入した時だけ浴びるものと違い、わずかであっても毎日、ずっと家にいる人にとっては常時ということになる。単純な日数とミリガウスの掛け算とはならないにしても、ゾッとすることは間違いない。まして高圧線の真下と100m離れている人とは同じにならない。
電化製品に関してはその使用距離をとったり、交流磁場と無縁な電池式の直流や充電式のものを使用したい。が、据え置かれた高圧電線鉄塔などは移動させようがない。最悪、人間の方からその殺人鬼と思われるものから離れるしか打つ手がない。
ガンって何?
少し長くなるが、ガンについて少し知っておきたい。ガンはナゼ発生するのか。
治療法こそ研究著しい最中だとしても、そのメカニズムはかなり解明されている。その骨格というべきメカニズムを知ることで見えてくる真実もある。
新陳代謝や食品などにより生まれる活性酸素や発ガン物質などにより、細胞は常に傷つけられている。通常はこれに免疫機能が働き、これをみごと修復するので事なきを得る。
問題はこの免疫機能そのものが痛手を食った場合で、傷つけられた細胞は修復されることなく一部はガン化し発見が遅れ転移し切除も焼け石に水となると、この世に区切りをつけざるを得ない事態に発展する。
余談になるが、「AIDS」もガンと似ている。HIV(=ヒト免疫不全ウィルス)というウィルスに感染すると、「後天性免疫不全症候群」という和名の通り免疫機能が全く働かなくなる疾病である。もっとも「AIDS」の場合、発ガン物質のような特殊なものでなくとも、<日常人間が共存している>なんでもない細菌にまで免疫が働かなくなるのだが。当然、発ガン物質にも活性酸素にも抵抗する術など全くないので、「AIDS」になれば「ガン」にも罹る仕組みとその関係だ。
まあとにかく、「ガン」も「AIDS」も共通項は免疫機能低下であり、その非回避性であるといえよう。
イニシエーターとプロモーター
単純に発ガン物質と口走っても、その性質により2種類に大分される。活性酸素のよう細胞を傷つけガンのきっかけ作りをする「イニシエーター」と呼ばれるものと、それを助長促進はかる「プロモーター」と呼ばれるものがある。(両者「発ガン物質」と呼称されるが、後者は本来「促ガン物質」か「助ガン物質」などとして使い分けすべきだろう。)
「電磁波」は、後者の「プロモーター」の方の力の加速化を促すことが分かって来た。これを極端な例え話にしてしまえば、40歳で「ガン」で死ぬ予定の人を30歳までに同じ死因で「電磁波」が殺すのである。
発ガン物質とフリーラジカル
また、ガンを分子レベルでみると新たな事実が判る。
ガンを「電子病」と名付けた化学者がいる。その訳は、フリーラジカル(遊離基)と呼ばれる分子の状態が発ガンに大きく関与しているとの見解からである。
まず、フリーラジカルとはである。化学反応の様式は,大きく2つ。イオン反応とフリーラジカル反応がある。聞きなれぬ後者は、分子が2個の断片に分裂した際、もともと2個の電子で安定した化学結合にあった分子が分裂した際、その2個の電子を安定をほどくかのごとく各々が2個の断片に分配された状態をいう。この2個の対(つい)を作らない電子(「不対電子」という)が、不安定ゆえ別の不対電子と化学結合しやすい。言い換えればフリーラジカルの時は反応性に富んでいて、そのせいでその状態である寿命もまた短い。
次に、正常な細胞組織の調和性に触れる。正常な細胞は、隣接する細胞を認識しお互いが出るクギにならぬよう増殖の程度を自主コントロールしている(「代謝共同」という)。
ガン細胞には、この協調性をはかるべくこの自主コントロール機能がない。わかりやすいたとえ、みなで1つのテーマを盛り上げようとしている最中協調することなく自分勝手な行動に移り、しかもその行動が協調し合う彼らに多大な迷惑を掛けてしまうのが、ガン細胞である。(人間関係でもそんな人間をよく「ガン」というが、非常に理に適った表現だ。)
(その性格上)活性なフリーラジカルはそれが発生すると、細胞膜に障害を与え正常な細胞間の情報伝達機能を破綻させ、協調をめざしていたハズの細胞を暴走させる。
そして発ガン性に強い化合物ほど、このフリーラジカルの生成量が多いことも判っている。逆を言えば、フリーラジカル生成量が多いほど発ガン性の高い物質であるということになる。
「電磁波」は、ここでもガン事件簿での共犯性をうかがわせる。奴は、発ガン物質によるフリーラジカル生成速度を急上させ増大させる。奴にとって好状況下なら、反応速度を10倍近く高めることも可能だ。
影武者がカルシウムチャンネルに砲火を放った
細胞の維持や細胞分裂は、カルシウムチャンネルという細胞膜にある細胞のカルシウムイオンの通り穴の正常な働きが重要ポイントとなっている。カルシウム「イオン」というくらいだから、微弱ながらも「電気」を帯びていることになり、これが「電気」とは超親密な関係の「磁気」に影響されることなどは容易な想像ができてしまう。
細胞内自体のカルシウムイオン量は微量ながら、それがカルシウムチャンネルを行き来することで脳も、筋肉もその細胞活動を維持している。が、ここに悪玉的存在である「電磁波」が介入すると、一方的に細胞からカルシウムイオンを流出させてしまいその細胞は死滅を余儀なくされる。
既に記したがことだが(1)「電磁波」がフリーラジカル発生を助長、(2)フリーラジカルが細胞膜を傷つけ、(3)「電磁波」は更にここでもう一仕事として、弱った細胞膜のカルシウムチャンネルの穴から、カルシウムイオンを流失させる。突破口も主犯も、「発ガン物質」であり又それが生んだ「フリーラジカル」であろう。確かに「フリーラジカル」は、細胞を暴走させガン細胞誕生の首謀者である。が時には共謀、時には細胞を死に追いやるなど、「電磁波」のその働きぶりは悪代官に対し立派な「越後屋」を演じている。
性行為と電磁波
またベーシックな細胞分裂に関して、あえて特筆したい。
性行為の話からになるが、それは精子と卵子が結合する「受胎」という貴重な体験をさせる。卵子は精子と一緒にカルシウムイオンを吸収することで、受精卵は初めて細胞分裂できる仕組みになっている。
たとえば品を感じないが、ある高圧電線下での性行為があったとしよう。「電磁波」が、そのカルシウムイオンの流出を促すことは既に記しているが、話の流れ十分この性行為後の予測も成り立とう。また「受胎の瞬間」というものは、「遺伝子がバラバラになり再結合する、万華鏡をのぞくが如く生命の神秘の美を見る貴重な機会」である。電子とイオンで結合されていた遺伝子の結合がほどける瞬間は、遺伝子「電気」側が電磁波「磁気」側にもっとも影響されやすいスキ(タイミング的ウィークポイント)とも言える。
仮にその時、遺伝子情報が磁気により大きく狂わされたとしよう。奇形、流産、知恵遅れなどなんらかの障害を子が背負って生まれ来ても、「ことの道理が働いただけなのだ。」と解釈されても不自然なことではない。
高圧電線下で、胎児や小児、成長期の子供たちにガンが多発する事実も、彼らが細胞分裂の著しい時期のまっただなかにあることが関与していることは、もはや(日本は除き)世界的な通念なのだ。
必殺!猫騙し
私は以前、携帯電話の急進が著しい時その売り子に立っていたことがある。そこで一種の猫騙しをくらっていたのかも知れない。
特に携帯電話のアンテナは、有害と懸念される「電波」こと「電磁波」の一種を拾う。そこで、電磁波防止グッズというのが一時ムーブメント的な商品として売れた。が、それに水を差すように「電磁波は問題ない」という情報が駆け巡り、携帯電話の電磁波を強く意識する人は私も含め少なくなったに違いない。「まあ、ちょっとは気になるけどネ・・」で終わってしまうレベルになった。
実は、1995年ワシントン発共同通信の「電磁波とガンは無関係」という記事を、日本の政府機関、電力会社が歩調を合わせるかのごとく「電磁波はいたって安全!」と声明を発したことが発端であった。
ただしこれは、科学的根拠は何もなかった。ネタ元の「ニューヨークタイムス」の全米物理学会の声明の真実は、「高圧送電線に関し起こる住民訴訟はお金が掛かるからやめて、そんな金があるならまだ学会の研究費用に回した方が利巧だ。少しくらいのリスクなら住民は我慢すべきだ。」という屈折した内容のものが、シンプルに加工し過ぎたゆえ逆説的なものになってしまったものを共同通信が報じ、「これだー!」とばかり日本の機関等が都合のいいこ・れに同調したと、そう想像されてしまってもいざ仕方ない。
その後、アメリカ国内では様々な批判・反論が飛び交うものの、(都合の悪いことは聞こえないフリをする、子供みたいな老人を想像してしまうが)その点の関しての日本での報道は皆無である。私たちは、今だ猫騙しにあったまま「電磁波」に囲まれ日々平和に過ごしているし、携帯電話での長電話も絶えない。
高圧送電線下の幼稚園
外国(特に電磁波研究先進国と言おうか)ではありえないことであるが、我が国では高圧送電線下でもお構いなしに幼稚園、小学校ができる。いやその逆で、それらがあることお構いなしに高圧送電線が敷設されることの方が多いだろうし、今後何のそれらしい規制も反対運動もなければその傾向は益々高まりそうだ。
観察するとそこに、「受胎」という「スキ」を伴う性行為が営まれる想像も容易なホテルが建っているかもしれないし、(現在進行形)建てられているかも知れない。細胞分裂が最も著しい「胎児」や「新生児」の人口を根本的多く有す産婦人科が、当然あるだろうクラスの病院も建っているだろう・建てているだろう。それでも高圧送電線は、みなの電力という欲求を満たすための赤るい未来に向け日夜張り巡らされ続けるのである。
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