アマ科は、世界に15属300種が広く分布し、アマ(リナム)属Linumは、北半球の温帯地域に約200種存在します。
フラックスは、ヨーロッパ原産で日本では、アマ(亜麻)の名前で親しまれています。
フラックス栽培の歴史は古く、古代エジプトで7千年も前から栽培され、最も古い栽培植物とされています。
日本には17世紀に中国を経て渡来し、亜麻仁(あまに)油を採るために栽培されました。
また、茎の繊維は張力、耐久力に優れ高級織物(リネン)に利用され、この繊維を採る目的で明治初期より栽培が盛んになりました。
草丈60〜120cmで、茎葉は細く、夏に青または白色の花を咲かせます。
亜麻色とは、フラックスから作る繊維の色を言います。
鳥でサギの仲間に、アマサギがいますが夏の繁殖期になると、頭、胸、背中の羽毛がうすいオレンジ色「亜麻(アマ)色」に変わる事から
この名前があります。
また、属名のLinumの起源は、元々はギリシア語の「linon(糸)」だそうで、ホテルなどで聞かれるリネン室やリネンサプライの「リネ
ン」は、シーツやタオルなどの「布」製品を総称していますが、これの起源も「亜麻」製品の事を指す言葉でした。
そして、種名のusitatissimumは、「もっとも役に立つ」の意味だそうです。
その他、フラックス(アマ)の仲間としては、
・ハナアマ(ベニバナアマ)(Linum.grandiflorum)
北アフリカ原産で、花が大きく、牡丹色,紅色,赤などで美しく、「スカーレット・フラックス」などの園芸種もあります。
・シュッコンアマ(Linum.perenne)
ヨーロッパ北部に分布し、花は青紫や白花の品種があります。
・キバナアマ(Linum.flavum)
ドイツからロシアにかけて分布し、鮮やかな黄色の花を咲かせます。
・レウェシー(Linum.lewesii)
アメリカ合衆国南西部などに分布し、空色の花を咲かせます。
また、アマ(Linum.usitatissimum)にも、繊維用には草丈が高くあまり分枝しない品種、油用にはよく分枝して花がたくさん咲く品種 が選抜されています。
栽培
性質は強いので栽培は容易な方です。
本来は宿根草のようですが、寒さに強い反面高温多湿には弱く、暖地では一年草として扱っています。
低温で発芽しますので、早春または秋に種を播きます。
冷涼で、日当たりと水はけがよく、やや乾燥した土地を好み、根が直根性で移植が出来ませんので、直播きします。
種には2mmくらいの覆土をして、発芽後、株間が15cmくらいになるように間引きます。
ただし、用途によって植え方に変化を与えます。
繊維用品種は、密植させて枝分かれを抑制させ、採種用品種は、間隔を空けて枝分かれさせるようにします。
肥料はあまり必要ではなく、逆に多肥にすると倒伏や病害が出やすくなります。
収穫
種子は落ちやすいので、黄色く熟したら、種子がこぼれる前に茎ごと刈り取り追熟させます。
用途、効能
先ず、茎ですが、繊維から亜麻糸を作り、リネンと呼ばれる布地に加工します。
種子を搾って得られる亜麻仁油は、主に工業用に利用されます。
薬用としては、種子に不揮発性油として、リノール酸グリセリンエステル、オレイン酸などの脂肪酸や粘液質,青酸配糖体(リナマリン)
,ペクチンなどを含み、漢方ではこの油を麻子仁(ましにん)と呼び、緩下剤として使われます。
その他効能としては、抗炎症作用があるようです。
使用方法としては、便秘の時に種子の粉末10〜15gを、コップ1〜2杯の水で1日2回、朝夕に飲むと、種子が腸内でふくらみ、便秘改善に
良いようです。
また、おできや腫れの時は、細かく砕いた種子を、適量の湯で練ってペースト状にして、ガーゼなどに塗って湿布します。
ただし、大量に服用しないように注意して下さい。
最後に、油の絞りかすは家畜の飼料にしているそうです。