おけら

おけら


おけら
 和名:オケラ
(キク科Compositaeオケラ(アトラクティロデス)属Atractylodes)
 学名:Atractylodes.japonica


 オケラ(アトラクティロデス)属は、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国に分布する多年草で、アジア東部に4種が自生します。
ここで取り扱うのは、日本にも自生する山野草としてのオケラです。
オケラは、草丈30cm〜1m、9〜10月に筒状花だけが集まった頭花を咲かせます。

 通常は、雌雄異株で、雄花のみ着生する株と両性花を着生する株があります。
花の中心から、柱頭(雌しべの一部)が出れば雌株、花粉を出す棒(雄しべ)が出れば雄株と思って下さい。

 漢字では「朮」と書き「螻蛄」のオケラは昆虫の方です。
「防葉集」の昔から「ウケラ」の名で親しまれており、邪気と悪臭を取り去るのに用いる習わしがあり、京都の八坂神社では朮祭があり、大晦日から元旦にかけて、これを材料にしたかがり火を焚き、初詣の人々はそれを火種に持ち帰り、灯明や雑煮の煮炊きに利用するそうです。
また、根茎を乾燥させた漢方薬も有名です。

・栽培の基礎知識

 やや乾燥気味に育てた方が良く、地植えの場合は、水はけがよく日当たりのよい場所に植えつけます。
鉢植えの場合は、砂質の用土か、赤玉土小粒:バーミキュライト=6:4などを用います。

 夏の直射日光では、葉焼けすることがありますから遮光します。
その他、病虫害は少なく、栽培は簡単な方です。

 殖やし方は、種子、株分けですが、種をとる場合は、雌雄両株を入手する必要があります。

・種類

 日本に自生するオケラ(Atractylodes.japonica)の他にはホソバオケラやオオバナオケラがあります。

ホソバオケラ(Atractylodes.lancea)


 中国長江流域原産で、日本には八代将軍吉宗の時代に渡来し、特に佐渡ヶ島で盛んに栽培されていたので、「佐渡蒼朮」(サドオケラ)とも呼ばれています。

オオバナオケラ(Atractylodes.macrocephala)
 淅江省など中国中部に分布します。
オケラより花が大きいことが特徴です。

・花言葉

     花言葉  金欠病
 所縁の日 9/24

 さて、オケラ属の根茎から調製される生薬は、朮(ジュツ)と呼ばれ、白朮ビャクジュツ)と蒼朮(ソウジュツ)に分かれます。
白朮は一般的にオケラとオオバナオケラを指し、蒼朮はホソバオケラを指します。

 ただし、この辺の区分は結構複雑なようです。
中国では、白朮はオオバナオケラを指し、オケラは別の朮として区別されるそうです。
また、産地、形態、加工法などによって、於朮、淅朮、冬朮、生晒朮、天生朮、野朮など様々な呼び方があるようです。

 蒼朮も日本では、ヒネソウ(古蒼)、コダチソウジュツ(古立蒼朮)とも呼び、中国では産地などにより茅朮(毛朮、南蒼朮)と津蒼朮(山蒼朮、北蒼朮)に区別しているそうです。

 また、日本薬局方では、オケラを和白朮(ワビャクジュツ)、オオバナオケラを唐白朮(カラビャクジュツ)として扱っており、和白朮(ワビャクジュツ)も玉白朮、三好白朮、嫩根白朮などの別名があるようです。

 さらに、流通ではオケラの肥大した不整塊形の根茎のコルク層を除去したものを白朮と呼び、円柱状の根茎をそのまま乾燥したものを蒼朮として市販されることもあり、大変混乱しますね。

 生薬としての栽培の注意点ですが、オケラ、オオバナオケラ、ホソバオケラなどオケラ属植物は互いに交雑し、雑種ができますが、根茎の成分が変化し、生薬とならないため、近くに複数種を栽培しないようにしましょう。

収穫

 花が終わり地上部が枯れる晩秋から初冬にかけて根茎を採取します。

用途、効能

 体内の水分の代謝を正常に調節する働きがあり、健胃、発汗、利尿の目的で用いられます。
主な利用は、各種漢方処方に配合する生薬です。

 白朮は、特に胃弱の人に用いられ、蒼朮は比較的胃に力のある人の健胃薬として用いたり、利尿剤として用います。

 白朮が処方される漢方薬には四君子湯、補中益気湯、六君子湯、真武湯、十全大補湯などがあり、蒼朮が配合される漢方薬には、苓桂朮甘湯、平胃散、五苓散、消風散、当帰芍薬散などがあります。

 民間での利用は、火にくべていぶし、衣類の虫干しに用いたり、室内でいぶすと、湿気を払ってカビの発生を防ぎ、蚊取りにも効果があるそうです。

 また、食用として、若い芽を採取して、塩をひとつまみ入れた熱湯でさっと茹で水にさらして、アク抜きをしてから、ごまあえ、からしあえ、油あえ、天ぷらにします。

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