おり〜ぶ

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 オリーブ(モクセイ料オリーブ(オレア)属)
  学名:Olea.europaea
  別名:ホルト

 モクセイ科Oleaceaeオリーブ(オレア)属Oleaのオリーブは、外観は同じモクセイ科の仲間であるキンモクセイによく似ています。
初夏にはキンモクセイの花を緑がかったホワイトにしたような、甘い香りの小花が咲きます。
 人類がもっとも古くから栽培した植物といわれ、本格的な栽培が始まったのは、今から約6000年前の古代パレスチナです。
古代エジプト人は、そのパレスチナのオリーブ油を、輸入し、食用としてだけでなく、身体に塗って、芳香鎮痛剤として用いたり、照明や宗教儀式に用いたりと、さまざまな用途に役立てていました。
又、紀元前3000年前、メソポタミアに住んでいたシュメール人が使用していた粘土版には鎮痛剤、胃腸薬、鎮咳薬などの調合方法が記されています。
古代ギリシア・ローマでは、オリーブ油の食用としての使い途がさらに広がりました。
上等のオリーブ油は小瓶に入れられて食卓に置かれ、パンにつけたり、またドレッシングやソース、煮物、焼き物、製菓など用途は多岐に及んだようです。
古代ギリシャではオリーブを料理だけではなく、胃腸の働きを良くしたり肌につける薬、さらに美肌づくりのためお風呂に入れるなど、美容にも広く愛用ていたようで、古代ギリシャの医師ペラニウスは「緑のオリーブから搾った油は、完全無欠で健康に極めて有益」と書いています。
「オデュッセイア」を残した叙事詩人ホメロスも、女たちが疲れた旅人の身体にオリーブオイルを塗り、マッサージしたことを詩の中で歌っています。
では、オリーブ栽培の歴史をさらに詳しく見てみましょう。
 オリーブには野生種と栽培種とがありますが、野生種は有史以前から地中海沿岸からアフリカ北岸一帯に自生しています。
この野生種を今から約6000年前に栽培するようになり、現在の栽培種の起源となっています。
オリーブは南カフカス山脈からイラン高原やシリア、パレスチナ周辺の地中海沿岸部地域から拡がり、キプロス島からトルコ方面へ、またクレタ島からエジプト方面へと2方向に拡がりました。
このオリーブの栽培を地中海沿岸に広めたのは、通商や航海術に長けていたフェニキア人と高い文化を誇ったギリシャ人、さらに大帝国を築き上げたローマ人だったと言われています。
紀元前16世紀、フェニキア人はギリシャの島々へのオリーブ栽培の普及を始め、紀元前14〜12世紀の間には、ギリシャ本土にもオリーブ栽培を導入しました。
そして、オリーブ栽培に関する法令が発布された紀元前4世紀頃にはギリシャ本土での栽培は増加し、重要な産業になったそうです。
ギリシア人が「液体の黄金」と呼んだオリーブ油は、巨大な富を生んだのです。
 オリーブ栽培の拡大は、紀元前6世紀頃から西へ進み、地中海諸国を通り、リビア、チュニジアやシシリー島へと拡がり、そこから南イタリアへ、さらにイタリア北部へと拡がりました。
ローマ人支配地域が北アフリカに到達した頃、現地のベルベル人は野生オリーブに他品種を接ぎ木する方法を知っていたそうで、ローマ人支配地域においてオリーブ栽培が発展していきました。
さらに、ローマ人は占領地への植民のためにオリーブ栽培を行い、結果として地中海沿岸への国々へ栽培が拡がっていきました。
 そして、コロンブスのアメリカ大陸発見とともに、オリーブ栽培は地中海地域を越えて拡がっていきます。
まず、セビリアから西インド諸島に運ばれ、後にアメリカ大陸へと拡がり、1560年頃にはメキシコにおいても栽培され、その頃ペルー、カリフォルニア、チリ、アルゼンチンでも栽培されるようになりました。
今日ではその発祥地から遠く離れたオーストラリア、中国、南アフリカ、そして日本でも栽培されるようになっています。
では、日本での栽培の歴史は、
 日本に始めてオリーブオイルが持ち込まれたのは、約400年前の安土・桃山時代。
当時、キリスト教伝道のため来日したフランシスコ派のポルトガル人神父が携えてきたものです。
そのため、当時はオリーブオイルのことをポルトガルの油の意味で、ホルトの油を呼んでいたそうで、オリーブの別名ホルトはここから来ています。
その後、江戸時代の鎖国政策により、人々がオリーブに接する機会はほとんどなく、オランダの医師やオランダの医学を学んだ一部の蘭方医が医薬として、オリーブオイルを使用していた程度でした。
また、平賀源内は日本に導入されていなかったオリーブの木とモガシを間違えて、モガシにホルト(オリーブ)の木と名付けていたそうです。
 日本へのオリーブの木の伝来は、文久2年と慶応3年に医師林洞海がフランスから輸入した苗木を横須賀に植えたのが最初とされています。
明治になって、赤十字社を興した佐野常民、後に総理大臣になった松方正義、産業振興に功績があった前田正名などより、イタリア、フランスから苗木が取り寄せられました。
明治12年にフランスから輸入した苗木は、歓農局三田育種場及び神戸の同場付属植物園に植えられ、その後、神戸の付属植物園は神戸オリーブ園と改称されて農商務省直轄となり、明治15年には果実が収穫され、日本で始めてオリーブオイルの採取が行なわれました。
しかし、いずれも長続きはしませんでした。
 明治41年、農商務省が三重、香川、鹿児島の3県を指定してアメリカから輸入した苗木で試作を始めたなかで、香川(小豆島)だけが栽培に成功しました。
現在オリーブは、香川県の県木であり県花になっています。
以後、試験研究が続けられ、農家に普及するとともに小豆島を中心に香川、岡山、広島などにも栽培が拡がっています。
しかし、昭和34年の輸入自由化により安価な外国産のオリーブオイル、テーブルオリーブスが大量に輸入されるようになり、国内の栽培は急速に減少し、現在では小豆島を中心とした香川県と岡山県の一部に地方の特産物として生産が見られる程度です。
さて、オリーブの品種は、
 オリーブの品種は、世界で500種以上あるといわれています、日本には34品種ほどが導入されたそうですが、その内3品種が一般に栽培されています。
いずれも用途から果実加工(テーブルオリーブス)用、油用、兼用種に分類できます。
ミッション(Misson)
 アメリカのカリフォルニア州で発見された、スペイン系品種です。
明治41年、農商務省指定試験開始時にアメリカから導入され、国内オリーブ栽培の果実加工用、油用兼用の最主要品種になっています。
果実の平均重量は2.5〜3.0g、含油率15〜19%。
マンザニロ(Manzanillo)
 スペイン原産の果実加工用品種です。
世界中で多く栽培される主要品種でもあります。
含油率9〜14%と低いのですが、栽培は容易であり果実が大きく収量も安定しており、加工用に優れています。
果実の平均重量は3.0〜3.5g。
ネバディロ・ブランコ(NevadikkoBlanco)
 スペイン原産の油用品種です。
明治41年にミッションとともにアメリカから導入されました。
含油率は17%程度。
果肉が柔らかすぎるため加工には不向きですが、観賞用樹として最も苗木生産量が多いです。
果実の平均重量は2.0〜2.5g。
以上が日本での主要品種ですが、その他の品種紹介しますと、
ピクアル(Picual)
 スペインで最も多く栽培されている油用品種です。
果実の平均重量は2.5〜3.5g、含油率は21〜25%。
オヒブランカ(Hojiblanca)
 兼用品種。重量は2〜4g、含油率は16〜20%。
アルベキナ(Arbequina)
 油用品種。果実重量は1〜2gと小さいのですが、収量は非常に多い。
含油率は17〜21%。
コルニカブラ(Cornicabra)
 油用品種。果実重量は3〜3.5g、含油率は21〜27%。
ゴルダル(Gordal)
 セビラノ、あるいはクイーンと呼んでいる果実加工用品種。
果実重量は12〜14gと大型ですが、ばらつきが大きく不揃いで肉質は粗くて堅く、離核が悪いため、食味良好とはいえず、果実の大きさで珍重されています。
フラントイオ(Frantoio)
 イタリアの代表的品種で油用品種。
果実は長卵形で、重量は1〜2.5g、含油率は26〜30%。
油の品質も良く、収量が安定している優良品種です。
地域適応性もよく、北アメリカや南アメリカでも栽培されている。
モロイオロ(Moraiolo)
 フラントイオと並ぶ、イタリアの代表的な油用品種。
果実は球形で重量は2.5g前後。
含油率は26〜28%。
レッチーノ(Leccino)
 イタリア全土で栽培されている油用品種。
果実は丸みを帯びた卵形で、果実重量は2.5g、含油率は25〜27%。
コラティーナ(Coratina)
 南部イタリアで栽培されている油用品種。
果実は丸みを帯びた卵形で、重量は3.5〜4g、含油率は28〜29%。
アスコラーナ・テレナ(AscolanaTerena)
 イタリアで栽培されている果実加工用品種。
大果種で、果実重量は8〜10g、果肉は繊細で離核も良い品種。
デ・チェリニョーラ(DeCerignola)
 南部イタリアで栽培されている果実加工用異品種。
果実重量は8〜10g。
さて、歴史の大変古いオリーブですが様々な神話や伝説が残っています。
・古代エジプトでは、オリーブ油の搾り方を人間に教えたのはオシリス神の妹あり、妻であるイシスだとされていました。
遥か昔から、人々に恵みをもたらしたオリーブ油は、貴重なものとして祝福されてきたのです。
古代エジプト王、ラムセス三世はオリーブ油を山積みにして、太陽神ラーに捧げています。
・ギリシア神話の「オリンポスの戦い」では、アッティケの領地をめぐって、海の神ポセイドンと知の女神アテナが対決。
ポセイドンはアクロポリスの丘から最初の馬を湧き出させ、アテナは豊かに実のなるオリーブの樹を創り出します。
神々の判決は、オリーブの方が人間により多くの利益を与える、としてアテナの勝利。
ギリシア人たちは、守護神となった女神に感謝してアテネの町を築き、アテナとポセイドンをまつるエレクテイオン神殿を建て、その庭にオリーブの木を植えました。
また、アクロポリスの丘のアテナ像に捧げられた黄金のランプは、オリーブ油によって一年中、昼夜休みなく灯されました。
ギリシャの神殿の回りにオリーブが多いのは、自然の神秘の力を授かるためだと言われています。
・旧約聖書の創世記、「ノアの箱舟」では、オリーブは希望と豊饒の象徴として登場しています。
神が、惨憺たる悪事を働く人間に怒って引き起こした大洪水は、高い山々をも飲み込み、すべての生き物は死に絶えました。
150日間、ノアの箱舟だけが水面を漂っていました。
やがて、箱舟はアララト山の頂上でようやく止まります。
外の様子をうかがうため、鳩を放つと、止まり木を見つけられなかった鳩はすぐに戻ってきます。
さらに7日待って再び鳩を放つと、夕方、鳩はそのくちばしに生き生きとしたオリーブの小枝をくわえてノアの元へ戻ります。
こうして、ノアは地面を覆っていた水が引き始めたことを知ったのです。
やがて、大地はすっかり乾き、ノアの一族と全ての生き物は新しい大地へ降り立ちます。
そして、ノア一族がオリーブの茂る地に永住し、実を食べ、油を活用したそうです。
・イスラム教徒は、聖なる灯明としてオリーブ油を用いていました。
コーランには次のように書かれています。
「神(アラー)は天と地の光である。
光はたとえれば壁のくぼみのランプである。
ランプはガラスに包まれ、ガラスは輝く星となる。
ランプは東洋のものでもなく、西洋のものでもない祝福されたオリーブの樹からとった油で灯される。
火をつけずとも燃えたつばかり。
灯されれば、その輝き、まさに光の上の光。」
 ノアの箱舟やギリシャ神話により、オリーブは平和、和解の象徴となり、オリンピア競技会(オリンピックの起源)の優勝者にオリーブの冠が与えられたり、国連旗にはオリーブの枝がデザインされたり、また、アメリカ合衆国の国旗の紋章baldeagleも右足にオリーブの枝を持っています。

栽培
 オリーブは常緑の樹木で、成長は早く、樹高は10mを超える場合もありますので、植える場所は選んで下さい。
又、樹齢は極めて長く、南ヨーロッパの各地においては、千年を超える老樹が現存し、果実を成らせているそうです。
先ずは苗の入手ですが、ホームセンター等で時々見かけますが、品種などを限定して手に入れる場合はかなり困難なようです。
日本のオリーブ産地である小豆島では、苗を通販している所もありますので、御利用して下さい。
株式会社 オリーブ園(〒761-4434香川県小豆郡内海町西村甲2171)
TEL0879-82-4260/FAX0879-82-0501
 植える場所は、オリーブは大変日光を好み、日照量が多いほど生育がよく、年間2000時間以上の日照時間が必要と言われています。
日照時間の不足する、家屋等の陰では明るさを求めて偏伸長が著しくなります。
温度は、年平均気温で14〜16℃が必要ですが、比較的低温には強く、短時間であれば0℃以下になっても大丈夫です。
しかし、長時間の低温は注意が必要で、特に若木の時は低温に弱いそうです。
その他の温度条件としては、花を着けるには1月の平均気温が10℃以下でなければいけないそうで、日本で実を取る為のの栽培地域が限られている要因の一つですね。
 地中海沿岸や香川県特産と言う事で、乾燥を好む植物と言うイメージが強いのですが、良好な生育、果実肥大のためには年間1000mm程度の適度な降水量が必要です。
しかし、開花期間中の連続降水は受粉、結実に著しい支障が生じます。
 土壌はあまり選びませんが、保水力に富んだ排水良好な肥沃な土地が良く、痩せた土地で十分な実を収穫するには、肥培管理が必要です。
 植付けは、春(3〜4月)か秋(9〜10月)が良く、植え付け後の生育をよくするために、植え穴を深く耕しましょう。
また、オリーブは根が浅く倒伏しやすいので、植え付け後すぐに支柱を立て固定します。
 肥料は芽の動き始める前の3月上旬、開花後の6月上旬、収穫前の9月中旬及び10月下旬に与えますが、一般家庭の栽培の範疇でしたら、ごく一般的な固形肥料で十分でしょう。
 病害虫害としては、オリーブゾウムシ、カイガラムシ類、タンソ病にかかりやすく注意します。
 又、実を取る為には、自家不和合性が強いので受粉樹(異なる品種)を混植する必要があります。
解説:自家不和合性
   オシベ,メシベが共に完全で,胚や花粉も完全であるが,自家受粉では全く結実しない,或いは結実しても成績が不良であること。
但し他花受粉では結実する。

収穫
 受精後果実は急速に肥大し、約40日間で果肉の細胞分裂は終了します。
その直後、硬核期となり、以後果肉の肥大が盛んに行われ、10〜11月に成熟します。
しっかり結実した実は青いうちに採取したものを食用にし、オイルを抽出する場合は、完熟した実を使います。
又、葉はフレッシュにするにしても、ドライにして保存するにしても開花前の若い葉を摘みとってください。
花は盛りに摘んでポプリも出来ます。

用途、効能
 オリーブオイルのもつさまざまな効能は、ずっと昔から知られていました。 オリーブオイルは「植物の女王」と言われますが、それはオリーブオイルの持っている香り、味、色調、調理特性、生理的効果などが、他の植物油に比べて断然優れているところにあります。
 ほとんどの植物油が種子の油であるのに対し、オリーブオイルは果実の油「油性のジュース」です。
その他の植物油は精製の為、加熱処理を行なったり、有機溶剤による抽出を行い、無味、無臭、透明で無色に近い淡色にします。
しかし、オリーブオイルは、加熱は一切せず常温で、圧搾や遠心分離方式により採取します。
つまり、オリーブオイルに含まれる天然成分も、壊されずに生かされているということです。
 主要有効成分の筆頭は、オレイン酸でオリーブオイルは、植物油の中でオレイン酸を最も豊富に含んでいます。
オレイン酸はその他の脂肪酸に比べてはるかに酸化しにくく、健康上望ましい成分です。
心臓血管系疾患の予防に役立ちます。
つぎに、天然抗酸化成分としてビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、ポリフェノールなど、さらに、多価不飽和脂肪酸として、リノール酸、リノレン酸などを豊富に含んでいます。
 この有効成分による代表的効能は、
・心臓血管系疾患(動脈硬化)
  オリーブ摂取量が多い地中海沿岸地域は、心臓病や動脈硬化が少ないことで知られます。
動脈硬化の原因になるのがコレステロールですが、コレステロールには悪玉と善玉があり、悪玉が動脈硬化を引き起こし、善玉がそれを抑制します。
オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸で、悪玉コレステロール値を下げるだけでなく、善玉の値を上げてくれる不飽和脂肪酸として注目されています。
・胃潰瘍
  オリーブオイルが、胃粘膜を保護し、外からの刺激を防いでくれます。 また、過剰な胃酸を抑え、胆のうの活動を促し胆汁をどんどん分泌させて胆石を流し出し、コレステロール結石をとかしだします。
又、オリーブの実はカルシウムやリン、ビタミンDの含有率が高く、とりわけビタミンDがカルシウムの沈着を促し、胃や歯の病気を治したり、丈夫にしたりします。
・糖尿病
  血糖値を抑え、糖尿病などの改善を促します。
・便秘
  胃腸の機能を整えたり便秘を治す働きがあります。就寝前に茶さじ2杯ほど飲んで寝れば、寝ている間に緩下剤の作用がある胆汁がよく出て消化を助けて、腸の煽動を促します。
・骨の強化
  子供の骨格の発育及び骨のミネラル化を促進します。
これは、オレイン酸が骨からのカルシウムの喪失を抑制する働きがあるからです。
・老化防止、美肌
  老化はカラダが酸化することによって進行します。
オリーブオイルの中には抗酸化作用物質であるビタミンEが多く含まれています。
また、多種類の 微量成分が含まれ、これらの中にポリフェノール類や葉緑素などの抗酸化作用があります。
これらの成分が血液の流れをスムーズにし老化の進行を防ぎます。
酸化は肌の大敵で老化を早め、シミやシワ、たるみの原因にもなります。
肌にとってはスキンケアで酸化を防ぐのが、最もよい方法といえるでしょう。
  また、オリーブオイルは保湿力も高く、乾燥が大敵のアトピー性皮膚炎も、オリーブオイルで保護すると効果的です。
これは、オリーブオイルに含まれる脂肪酸が人間の皮脂に最も近く、角質から水分が奪われるのを防ぎ、乾燥から長時間肌を守ってくれるためです。
 さて、オリーブオイルには沢山の種類があります。
先ず、国際オリーブオイル協会(IOOC)の基準で分類すると、
1)バージンオリーブオイル
  オリーブ樹の果実から特に油を変質させない温度条件下で機械的あるいは、その他の物理的な方法だけで採油したオイル。
  品質表示
  エキストラバージンオリーブオイル、酸度1.0%以下
  ファインバージンオリーブオイル、酸度1.5%以下
  セミファインバージンオリーブオイル、酸度3.3%以下
  バージンオリーブオイルランパンテ、酸度3.4%以上
          (食用には適さないので、精製するか工業用に向ける)
2)精製オリーブオイル
  バージンオリーブオイルでも、ある種の感覚刺激性や酸度が高いものがあります。
この強い感覚刺激性や高い酸度を精製処理で取り除いたもの。
 品質表示
  精製オリーブオイル、酸度0.3%以下
  (バージンオリーブオイルを精製したもので、当初のグリセリド組成に変化がないもの)
  採油粕からの精製オリーブオイル、酸度0.3%以下
  (採油粕からオリーブオイルを精製したもので、当初のグリセリド組成に変化がないもの)
3)オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)
  「バージン・オリーブオイル」と「精製オリーブオイル」をブレンドしたもの。
「ピュアオリーブオイル」とも呼ばれ、酸度は1.5%以下
 酸度:油の本体はグリセリンと脂肪酸が結合したもので、一部の脂肪酸がなんらかの原因で遊離してくることがあり、遊離脂肪酸の量をオレイン酸の%で表したもの。
 さらに、オリーブオイルは、色合い、風味ともに多種多様なものがありますが、これは、使用されたオリーブの品種や、オイルのブレンドの仕方によって決まります。
スペインではブレンド技術により、マイルドなものからフルーティで辛みのあるものまで、幅広い嗜好に応えるさまざまなオイルが生み出されています。
ワインと同じようにオリーブオイルのテイスティングもあるそうです。
 オリーブオイルを使った料理や美肌などの利用方法については、結構一般的に知られていますので、今回は解説しませんが、料理で使う上でのポイントとしては、バージンオイルは加熱により風味が変化するので、加熱する料理には、加熱の最後に入れると特有の風味がよく出ます。
加熱する料理にはピュアオリーブオイルがよく、パスタ、炒め物、揚げ物、鉄板焼きなど使って下さい。
 さて、オリーブオイル以外の実の使用方法ですが、オリーブの果実は、他の核果類とは大きな違いがあります。
それは、他の核果類は成分中かなり糖分が高いのに対し、オリーブはそれほど多くなく油分が多いことです。
また、普通の核果類はそのまま皮をむいて食べることができますが、オリーブの実は渋くて食べられません。
これは、オリュロペインという渋味の成分があるからです。
この成分は柿の渋とは違い、炭酸ガスやアルコールで処理してもなくなりません。
食用とするには、塩漬けやピクルスにして利用します。
 塩漬けは「グリーンオリーブ」と呼ばれ、サラダ感覚で食べることが出来ます。
では、その製法は、
1)収穫の適した時期は、果実の色が淡緑色に変わり、わずかに紫色を見せはじめた頃。
2)オリーブの渋は、苛性ソーダーを用いて抜きますが、苛性ソーダー液の濃度を1.8〜2.0%にし、果実重量に対して1.5倍程度の量を用意します。
3)果実を容器に入れ、苛性ソーダー液を満たし、かき混ぜて12から16時間浸漬するします。
果実をカミソリで切ってみて、果肉の色が完全に変わっていたらできあがり。 長時間渋抜きすると果皮がむけるので注意します。
又、果実は空気に触れると黒く変色するので、浮き上がってこないように落とし蓋をすることがポイント。
4)渋抜きが終われば直ちに、苛性ソーダー液を水に入れ替えます。
苛性ソーダー液捨てて入れ替えるのではなく、落とし蓋をしたままホースにより水を入れ苛性ソーダー液の濃度を落として行きます。
水流で泡たつと、果実が黒ずむので静かに流します。
但し、流しっぱなしは旨味の成分まで流すので厳禁です。
1日3回程度、水が褐色に変色しなくなれば終了です。
5)水洗いが終わった後、4%の塩水に2〜4日間浸漬します。
但し、これは下漬。
6)下漬けが終われば塩分を排出し、果実をよく洗った後新しく調整した塩水に浸漬しますが、この時点すぐに食用できます。
保存は冷蔵庫で、塩分濃度は最初の1〜2ヶ月は4%、それ以降は5%で約半年間は貯蔵できます。

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