「木と紙  


紙は最近の化学の発達とともに、サトウキビサトウキビやバナナの繊維・水仙私が書いた水仙の墨絵からも創られるようになりました。
また牛乳パック等からのリサイクルがもてはやされ、手軽に手作り書ができる「紙漉きセット」が大変な人気になっています。



バナナで紙づくり


バナナのを取った後の茎で紙づくりが進んでいる。中南米のバナナ生産国から依頼を受けた日本の大学教授が試作に成功。
バナナの繊維は原料として質が高く、木材資源の保護・産業・教育の面からも期待されている。

バナナは多年生の草。を取ると茎は切り倒され、腐らして肥料にするしかなかった。切株から出た脇芽が成長し3〜6ヶ月にがなる。
日本は世界第三位の紙消費国。バナナは世界123ヶ国で、5800万トン/年 生産されていて紙の資源として有望。  



ちなみに1000mlの牛乳パック30枚で65mのトイレットペーパーロールがリサイクルされるそうです。
また、牛乳パック1500枚から再生される紙の量は20〜30年生の木一本から製造される紙の量と同じなのです。

日本で紙を「かみ」と読むのは、なんだか神と関係があるように思われますが、
「かみ」の語源は字を書くのに使った簡(木簡)・樺(樹皮)・皮等から変化したものと思われています。

もともと紙は言を文字として残し、それを記録するものとして使われてきました。
古代人は身近な木の(タラヨウ等)、木の皮、動物の皮、石等を最初に使い、
次に使い易いよう石板・粘土板・木簡等を工夫し、紙の代用として使っていたのです。

紀元前3000年頃、古代エジプトでパピルス(カミガヤツリ)の茎を使って初めて紙らしき物が作られました。
このパピルス(Papyrus)がペーパーの語源となったといわれています。
このパピルスが紙の起源として知られていますが、紙漉きの技術から推測すると蔡倫によって(105年)に発明されたのが最初で、
樹皮・麻・ぼろぎれ等を石臼で砕き紙を漉いており、当時後漢ではこの紙を「蔡候紙」と呼んでいました。
その後ヨーロッパに伝わり、産業革命で木材を原料とする製紙が発達し、明治維新の頃我が国に伝わりました。

日本で洋紙の製造が始まったのは、1874年(明治7年)からで、日本での洋紙の歴史はわずか120年程度しかありませんが、
和紙は四世紀頃朝鮮半島から渡来した和邇(王仁(わに)) の子孫(文首(ふみおのびと)) によって
五世紀の初めに製造された記録が残っていますので、1500年の歴史があるのです。

和紙はコウゾ・ミツマタ・ガンピ等の木の皮の繊維を原料としています。
また、紙を漉く段階において、「ネリ」という粘りのある植物(トロロアオイ・ノリウツギ等)を使用します。
昔は、サネカズラ・アオギリの木も「ネリ」として利用されていました。


「古紙の再生は森林の保護か、資源の活用か」

現在の人間社会の中では紙のない生活は考えられませんが、古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウスは、

『パピルスの使用により人類の不滅が確実になった』
と著書の中に書き残しています。
人々は紙に記録された史実で過去を学び、現代に生かして未来を考えています。
紙の消費量が国の文明の程度を表わすとまでいわれ、紙が安易に大量に使われすぎてきました。

日本人一人当たりの年間の紙の消費量は228kgで、世界平均の5倍の量を使っています。
年間の木材伐採量(24億m3)の内16%の約4億m3がパルプとして使われていて、森林破壊にもつながっているというのです。

また、現代の製紙の技術では、パルプ用材の50%のセルロースしか使われず、残りの成分はゴミとして廃棄されています。
水も大量に使用され、1tの紙を生産するのに100tも必要なのです。
汚水は川に流され、公害の原因にもなっているのです。

そこで古紙を再利用し森林を保護しようと言う運動がさかんになってきました。
1tのパルプを作るのに高さ8m直径14cmの円筒形の木材20〜24本(2.5〜3.0m3)分も必要だからなのです。
トイレットペーパーはほとんどが古紙のパルプを利用して再生されますが、一度使うと古紙として再利用は出来ません。

日本人のトイレットペーパーの一日の平均使用量は男性で3.5m女性が12.5mにもなります。
国民全体では約11億mにもなる量なのです。

最近では各市町村などの団体で「森林保護のため」古紙の回収に努力しているとよく報道されていますし、パルプ製造技術の発達に伴い「森林保護」と言う名目で
水仙・百合・チューリップ等の花や茎からパルプを開発するなど、資源の活用が叫ばれていますが、

あまりにも『森林』『森林保護』の言葉が安易に使われすぎているように思われます。

古紙回収や技術開発で森林が保護できるのでしょうか?

森林の保護を本気で考えるのなら、山に木を植え木を育ててから「森林保護」について語って欲しいものです。

日本生命
ではたくさんの紙を使う企業として、数年前から日本の各地で100万本植樹運動を実施しています。

古紙回収や木材パルプの代用の開発では、「森林保護」という言葉ではなく、資源の再利用とか有効利用と表現して欲しいものだと、
毎日毎日山で木の手入れをしている林業家は願っているのです。

「カミッコン」

 ドングリ博士で知られている東三郎 北海道大学名誉教授が発明した。再生紙を使ったポット。
 ダンボール紙で2重の6角形の箱を作り、濡らした新聞紙を中につめて、幼苗を植え土の上に置くだけ、ダンボールは1〜2年で腐る。
 これで穴を掘らずに子供や婦人でも簡単に植林?森林の再生が可能。
 「森がないと文明は滅びる、子供たちに木を植える心を伝えたい!」




パピルス:カヤツリグサ科の多年草。アフリカ・エジプト・中近東の湿地に野生。日本へは明治28年に渡来し観葉植物として栽培される。
        3〜4千年前にナイル河畔に生育していた伝えられる。繊維をとり紙を作った。紙葦(かみい)
1文首:大和朝廷で文章の管理の事務を担当していた者
ガイウス・プリニウス:古代ローマの将軍・博物学者。大百科全書「博物誌」を編集した。
セルロース:単純多糖類の一種で、高等植物や藻等の細胞膜・繊維の成分。
         普通木材・綿・麻などから取れ、紙や衣類の原料に使用されるほか、爆薬となるニトロセルロースなどの源料として利用される。